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今回ご紹介させていただく動画は
「東京都立松沢病院」で院長を務めている
齋藤正彦医師がレビー小体型認知症について
非常に分かりやすく解説しています。


レビー小体型認知症の特徴にはじまり
治療方法や他の認知症との違いについて
解説しているので非常に勉強になります


また以下の著書は非常におすすめです。

「痴呆介護の100箇条」

「親のボケに気づいたら」


とくに後者は認知症を患った場合の具体的
な対応方法が解説されているので
非常にためになる本です。


今回はテロップが一切入っていません
12分以上あるので、お時間のあるときに
でもじっくり見ていただければ幸いです。







■レビー小体型認知症とは?


「齋藤正彦医師」

前回のアルツハイマー型の認知症に続いて
今回はレビー小体型認知症という
病気についてお話をします


アルツハイマー病が
二十世紀の初めに発見されて
すでに100年以上研究が続いている
病気であるのに対して


レビー小体病という病気は
1996年に初めて国際的に認知されたと
いいますか、診断基準が提案された
ような病気ですので


まだ病気そのものが出来上がって
出来上がってといいますか


広く認知されるようになって
まだ15年ぐらいしかたって
いないという病気です


この病気は、1976年に小阪憲司先生
という日本の研究者が


大脳皮質にレビー小体という
特殊な物質がたまっている病気がある
ということを報告して


その中に認知症の患者さんが沢山含まれて
いると、いうふうな論文をお書きになった
のが、そもそもの始まりです


1984年に小坂先生が進行性の認知症と
パーキンソン症状を主症状とする


「びまん性レビー小体病」という病気を
提案されて、でそれがもとになって、
1996年に国際会議が開かれて

そこでレビー小体型認知症という病気の
診断基準が作られました。


レビー小体病については、最近あの広く
語られていますので、皆さんよく
ご存知かもしれませんが


その中心的な症状は、認知症というわけ
ですから、もちろん正常な社会生活や
職業的な機能に支障をきたすほどの
認知機能の低下があるということです


記憶ですとか注意の障害とか様々な
認知障害が起こってまいります


ただアルツハイマー病の患者さんと比べて
レビー小体型認知症の患者さんは


当初記憶障害があまり目立たないことが
あります。注意の欠陥やあるいは見たもの
を正しく認識できないというふうな


別の種類の認知の障害はあるけれども
例えば昨夜こういう夢を見たとかですね


こういう2〜3日前にこういう現象があって
妻と口論したと、ゆうふうなことを
しっかり覚えていらして


診察室で語ることの出来る患者さんが
いらっしゃいます


ただし、記憶は残っているけれど、
社会生活に支障ができるような認知障害
というのは、全体としては起こってくる


それがまず大事なことです




■レビー小体病の症状の特徴とは?


それから二番目の中心的な症状として
注意とか意識の明晰さというものは
変化する変動するということです


すごく調子のいい時と全然ダメな時が
あるということが言えます

で、多くの場合ですね、精神的に調子
がいい時は体の動きも良い


体の動きが悪い時は精神的にも具合が悪い
そういう波が一日の中で朝は調子悪かった
のに昼ぐらいには調子いいとかですね


昨日はすごく良かったけど今日はダメと
いうふうに非常に短い周期で変動する
というのが一つの特徴です


アルツハイマー型認知症はそういった
ことはありません。朝できなかった
ことは原則として夕方できない


症状は安定して低下しているのですが
レビー小体病の場合は、変動しながら
全体として低下をしていきます


それから非常に特徴的な症状として
具体的な幻視が見えるということです




■認知症の幻視・幻覚


そこの椅子に子供が座っているから
お茶を出してしあげなさいとかですね


おじいさんがもう一人いるからそこに
ご飯を出せというふうにとてもクリアに
幻視が見えるという特徴があります


レビー小体病の場合は、確実に見える
幻視以外に気配を感じるといいますか


背中に誰かいるような気がして
振り向いたんだけど見えなかったとか
ですね、部屋の中に座っていて


廊下の向こう側の角に、私のお母さんが
立っている、だからそれに声をかけよう
と思って走っていたら姿が見えなかった


というふうな、幻視とは少し違ますけれ
ども頭の中に視覚的なイメージが浮かん
でくるというふうな症状が見られます




■レビー小体型認知症の3つ目の重要な症状


それからレビー小体型認知症の3つ目の
重要な症状は、パーキンソン症状が見ら
れることが多いということです


パーキンソン症状というのは
歩くときにですね、歩幅が小さくなって
前のめりになったり


それからお顔の表情が
少なくなったりですね
ひどくなるとよだれが流れたり


細かい指の運動ができなくなったり
というふうな症状ですけども


そいうパーキンソン症状を起こしてく
特徴があります


その3つが特徴になります


変動すること、それから幻視が見られる
こと、それからパーキンソン症状が見ら
れること、ただし、すべての患者さんに
その三つの症状全てが揃っている
わけではありません。




■レビー小体病の症状が悪化するケースとは?


だいたい臨床的には今お話した3つの
うち2つが揃っていれば


レビー小体型認知症というふうに
診断をいたします


このほかレビー小体型認知症の特徴的
な症状として、全てにではありません
けども、「レム睡眠障害」という
のが起こります


症状的にはですね
夜寝ていた人が夢を見てうなされて
起き上がって大騒ぎをして


またこてんと寝てしまうと
夜間せん妄のように長い時間続くことは
ありません。突然大きい声を出して


けんかをしたり、殴るまねをしたり
夢遊病のように激しく動くんですけど


そのまま間もなく
寝てしまうという症状があります


それをレム睡眠行動障害といいます


それからレビー小体型認知症の
患者さんはお薬に弱い


特にその幻覚や妄想を治療する薬に弱い
それからをパーキンソン病を治療する
薬に何種類かあるんですけども


ある種のパーキンソン病予防治療薬
にとても弱いというかパーキンソン病
治療薬のために...


かえってレビー小体病が悪くなって
しまうということが起こります




■レビー小体病の症状の特徴とは?


それがまぁ臨床的な特徴ですが
体の症状が多いというのも
レビー小体病の特徴で


特に早い時期から「自律神経」
の障害が起こります


例えば規律性の低血圧起き上がった
ときに血圧が下がってしまって
転んでしまう...


それから尿失禁とか便秘とかですね
そういう排泄のコントロールが
まずくなります


「アルツハイマー病」の患者さんが
尿失禁を始めるのは、認知症が
かなり進行した後ですけども


レビー小体病の患者さんは
普通に合理的な会話できるうちに
尿失禁だけが先に起こってくる
ということがあります




■レビー小体病の治療の注意点


それはレビー小体病の患者さんが
自律神経の障害を持っているからです


でそのことはレビー小体病の患者さん
の生命養護にも影響していて


えー身体的にとても弱い何か変動が
あったときに、弱いということが
起こります。


レビー小体病の治療で
気をつけなければいけないことは
今申し上げたように色々な薬の
副作用がありますし


身体的な問題が多いので
早い時期にできるだけ早い時期に
きちんと診断をするということです


覚えているものだから、なまじ記憶力
があるものだから、ご家族がそれを
認知症と認識しない


あの認知症って言われたけれど
私の夫は昨日のことをちゃんと
覚えています


だから認知症じゃないんじゃ
ないでしょうか、というふうなことを
おっしゃって、認知症という診断を
避ける方がいらっしゃるけれども


早い時期にレビー小体型認知症という
ことを知って、正しい対応をしていく
ということが大事です。




■認知症の薬物療法の注意点


薬物療法としては、
今治療はあの多少なりとも
レビー小体病の幻覚・幻視に対して
効果があるというふうに
いわれているのは


アリセプトのようなコリン作動性
アセチルコリンを分解する酵素
を抑制するお薬です


パーキンソン症状については
レボドーパのようなドーパミン
そのものを頭に入れるという
薬を使います


さきほどパーキンソン病の薬が
レビー小体型認知症を悪くする
というふに申しあげましたが


レボドーパのようなドーパミン
そのものを頭の中に入れるという
製剤は大丈夫なんですけども


パーキンソン病の薬の中に
アセチルコリンを増やす
薬というのがあります


それはアセチルコリンを抑える
という薬があってですね


それはアリセプトとは
全く反対の作用の薬ですので
そういう薬を使うと悪くなります


それからレビー小体型認知症の
患者さんの幻覚や妄想に対しては


抗精神病薬という精神科の薬が
非常に使いにくい


あの少量を使っただけで
激しい副作用が出たり


「嚥下障害」が起こったり
しかもそれがなかなか
よくならない


薬を切っても良くならないという
ふうなことがあるので


レビー小体病の患者さんの
幻覚や妄想に対して抗精神病薬を
使うときには、少量から極々少量から
専門医のモニターのもとで使う
という注意が必要です


それに代わって...
抑肝散のような漢方薬を使ったり
環境を改善することで


様々な精神症状を乗り越えるという
工夫が必要になります


私の外来にもレビー小体病の患者さん
レビー小体型認知症の患者さんは
たくさんいらっしゃいますが


あのー、覚えてらっしゃるので
記憶ができるので、あの早い時期
に来てくだされば


病気について理解をして頂くことが
とても、とてもというか比較的やさしい




■幻視・幻覚と距離が取れれば問題ない?


幻視というのは
本人にとっては全く本当のことで
幻ではないのだけれど


でも早い時期からその幻視は
レビー小体型認知症という
病気の症状であるということを
外来で話し続けていると


患者さんの中には
先生が幻視というものが
呼んでらっしゃるものが
この頃見えません


というふうな形で少しその幻覚と
距離をとることができます


で幻覚と距離をとることができないと
幻覚を説明するための妄想が
起こってきます


だけど、幻覚に対して
心理的な距離を取ることができて
私の母が夜私の枕元に立って
こういうことをしたんだと


信じきっている人と先生が幻覚
あの幻視というものが現れたので
お茶を出してしまったけど


結局飲んでくれなかったというふうに
距離の取れる人とでは


説明あのー、頭の中でご自分を納得
させる努力ても全然違うので


先生が幻視と呼ぶものというふうな
距離感があれば、何もそれを
説明する必要はない




■できるだけ早く診断を受ける


幻かもしれないからだけど
それに対する距離感がないと
私の母が出てきた...


何年も前に死んだ私の母は
なぜここに出てくるのかということ
について説明をしなければならない


そうするとそこで様々な二次性の妄想
が出てくるということになります


そういう意味でも、お薬の使いにくい
レビー小体型認知症の患者さんの認知症
については、早い時期に診断し


早い時期から専門家のサポートを
受けるということが大事であろう
というふうに思います





動画の内容はここまでです。


齋藤正彦医師は、東京大学医学部医学科卒業
してから今日まで、日本の精神医学のパイオニア
として君臨している方です。


まさかYoutube動画をアップされていたとは、
思いませんでしてので、非常に驚きました。


これからも時間が許す限り定期的に認知症関連の
動画も紹介させていただきたいと思います。


いつも本当にありがとうございます。
ぜひブックマークしていただきたく、
何卒よろしくお願いします。





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