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■人工透析を取り巻く問題点とは?


糖尿病による合併症などから腎症が悪化すると透析治療が必要となるわけですが、我が国
ではすでに「人工透析」を受けている患者さんの数が30万人を超えています。


しかも、毎年約1万人ペースで増えている状況にありながら、透析患者さんを受け入れる
医療施設が足りていないません。もちろん透析治療にあたる医療従事者も不足しています。


全国に透析治療を行なうことができる施設は、大小合わせて約4000程ありますが、
透析設備は非常に高額なので、今後飛躍的に増える可能性は低いと予想されています。


しかしながら「人工透析治療の需要」だけは今後も増えていくことが予想されているで、
看護師さんの需要が増えることはあっても減ることはありません。





■人工透析科での看護師の仕事と役割


人工透析科で働く看護師さんの仕事は毎日やることは決まっています。


いわゆる「ルーティンワーク」ですが、仕事に慣れるまでは相当の時間がかかります。


人工透析を受ける患者さんは腎臓の機能に障害があるので、その障害の程度に応じて適切
な治療を行っていきますので、まず「バイタルサイン」のチェックを行います。


次に患者さんの当日の状態をしっかり把握したうえで透析治療を進めていくわけですが、
看護師さんが行なうのは透析のための穿刺、抜針で、実際の透析は機械が行います。


当然のことながら透析関連装置の操作を覚える必要はありますが、これまで病棟で働いた
経験がある看護師さんであれば特に問題ありません。すぐに操作できるようになります。


患者さんは、定期的に透析室を訪れて(週2〜3回程度)透析治療を受けるので、すぐに
顔なじみになります。普段の何気ない会話も良好な関係にするために非常に重要です。


基本的に透析治療中の患者さんは、毎回長時間にわたる透析治療を受けながら、日常生活
において色々と制限されているため、人によっては精神的に不安定な状態に陥ります。


薬の副作用に苦しめられている方も少なくありません。このため心のケアも大切です。
ですのでコミュニケーションが非常に大切で、病棟勤務の経験を存分生かせます。





■患者さんの心のケアが何より大切


患者さんのQOLを向上させることで、ある程度までは普通の生活を送ることができます。
しかし、患者さんによっては我慢疲れから怒りを爆発させることもあります。


こうしたことが続くと患者さんとご家族との間に亀裂が生じることになりかねません。
そうしたことがあることを理解した上で患者さんと接する必要があります。


というのも、透析室の仕事はただこなすだけでは駄目なんです。


患者さんに疎外感を与えてしまうことになりかねないからで、「自分は放置されている」
と思い混んでしまうと、精神的に大きく落ち込むこととなり、治療にも影響します。


しかし、透析治療で腎臓の機能が大幅に回復することはありません。基本的に透析治療を
一生続けなければならないので、人によっては絶望感を感じてしまいます。


このため看護師さんによる精神的ケアが何より大切になります。




■人工透析に関する裏事情


透析関連装置は、年々進化しているわけですが、2000年以降進化するスピードが凄く、
最新の透析装置を使用することによって、治療にかかる費用は大幅に抑えられます。


このため以前ほど治療費がかかりませんが、それでも30万円から50万円はかかります。
高額療養費の特例によって保険給付された場合は自己負担が1か月1万円が上限です。


それでも何だかんだいってお金がかかりますので、患者さんとそれを支えるご家族の心労
は非常に大きなものであることを頭の片隅にでも入れておく必要があります。


上述したとおり、患者さんは透析治療を受けるために週2〜3回訪れますので、毎週同じ
患者さんと接することになるわけですが、患者さんによって対応の仕方が異なります。


例えば高齢患者さんの場合、血管が固くて細いので、針をさすために血管を探すのも正直
一苦労です。怖いのはきちんと針が刺さっていないため、漏れてしまうことです。


そして、血流量を上げると血管の痛みを訴える場合もあるので、注意が必要です。





■仕事を覚えるまで大切なこととは?


泌尿器科や人工透析科の透析室における看護師さんの仕事は、ルーティンであるがゆえに
ミスが起こりやすい仕事です。許される範囲内のミスにとどめなければなりません。


基本的に人間関係が良好な状態を保てないと余計なことに気を使い過ぎてしまうため、
ミスが起こりやすくなるので、どうしても高いコミュニケーション能力が必要です。


とはいっても単に話し上手になればいいというわけではありません。むしろ話を聞き出す
ことに長けた方が患者さんからも信頼されるので、話を聞けるようになることが大切です。


患者さんが話しやすくするために質問パターンをいくつか用意しましょう。


同じ職場の人の患者さんと接する姿を見て良いところをどんどん吸収してください。


仕事になれるスピードが急速に加速しますので、非常におすすめです。


透析治療に関する知識は、一長一短では身につきません。基本的に透析療法については、
入職した際に幅広く勉強しますが、受け身の姿勢ではいつまでも身につきません。


積極的に学ぶ姿勢を見せていかないと肝心なことを教えてもらえませんので、一日も早く
透析治療に関する仕事を覚えるためにも、職場では常に学ぶ姿勢が大切です。


これは職場の同僚に対してだけでなく、患者さんに対しても重要です。


というのも透析治療を受ける患者さんは病院慣れしているので、医師や看護師を見る目が
肥えていますので、一度駄目の烙印を押されてしまうと、良好な関係を築くのが大変です。


ですので、仕事になれるまでは謙虚に学ぶ姿勢が何より大事になります。





■人工透析科のメリット・デメリット


そして、透析室での仕事は、病棟勤務と異なりますので、基本的に夜勤はありません。


また祝祭日もお休みですし、日曜日に出勤することもありません。


仕事を覚えるまでは勿論大変ですが、病棟よりも働きやすい職場といえるでしょう。


勤務シフトも複雑ではあないので、家庭と仕事を両立することも十分可能です。


ただし、いくつか問題もあります。基本的に透析に関する一連の業務はルーチンであるが
ゆえに慣れてくると、物足りなさを感じてしまう看護師さんも少なくありません。


また、夜勤がない上に残業も少ない点は魅力に感じるかもしれませんが、その分お給料も
低くなりますので、これらのデメリット部分を考慮したうえで検討する必要があります。





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