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■今回のテーマは難治性骨折


今回ご紹介させていただく動画は、帝京大学医学部附属病院 整形外科 松下隆医師による最新の「難治性骨折」について大変分かりやすく解説しています。


松下医師は「イリザロフ法」という非常に難易度の高い難治性骨折の手術法を独自に改良すると、Chipping technique(粉砕術)と命名し、その分野で権威となりました。


これまでであれば治療することすらあきらめなければいけなかった重度の患者を限りなく元に近い状態にまで治療することに成功しているため、全国から患者が殺到しています。


しかも、今後さらに粉砕術は、進化することが期待されているだけに、長期間にわたって、難治性骨折の症状に苦しんでいる方々にとってまさに希望の光のような存在です。


また、骨の仕組みについても詳しく解説されています。
 
 
 
出典:帝京大学医学部附属病院
 
 
 

 
 
 


 
 
■交通事故による怪我の問題


「佐々木梓さん」

交通事故で怪我をし、骨折だけでなく、
骨が欠けてしまったり、変形して
しまったという方は多いのでは
ないでしょうか。


そんな患者さんにとって骨を元のように
修復できるとしたら朗報ですね。



「ナレーション」

平成22年度一年間の全国お通事故発生
件数は72万5773件で負傷者数は
89万6208人


平成16年度のピーク時からわずかずつ
下降線をたどってきているとはいえ、
平均すると毎日およそ1988件
以上も交通事故が起こり、


2500人もの負傷者が
発生している計算になります。


年間九十万人に迫るほどの人が交通事故
で負傷し、そのうちのおよそ5%、


4万5000人もの人が「後遺障害」で
苦しみ、骨折などで生じる不自由な
日常生活を送っているといいます。


しかし最近では、そんな不自由も解消
することができるようになって
きているといいます。




「松下隆医師」

交通外傷などによって起こる重度外傷
だと、皮膚に穴があいて筋肉が全滅して
も骨が見えて、骨が粉々に砕けて、


その骨がなくなるという粉砕骨折、
開放骨折、欠損性の骨折、
そのような酷い骨折


そして、偽関節がある。


それに感染が一緒になれば感染性偽関節
になる、短くなって治る、ねじれて治る
変形治癒、そんな色々な問題が
起こってきます。


そういう以上に直すのが難しい、
あるいは問題がすでに起こってしまって
いる、そういうものを皆引っくるめて
難治性骨折と呼んでいます。


骨がくっつかないまま、
あるいは曲がってくっついたまま、
膿がでたまま、5年も10年も20年も、
もう治らないと思って、


あきらめて暮らしている患者さんも
沢山おられるんですよね。



「佐々木梓さん」

日常生活に支障をきたし、
大変不自由な生活を強いられる
難治性骨折ですが、元のように
普通の生活が遅れるような機能を
回復させる治療とはどんなもの
なのでしょうか?


今回は「難治性骨折」の
治療法を見ていきます。




■難治性骨折の治療とは?


「ナレーション」

難治性骨折治療のエキスパート、
帝京大学医学部附属病院
整形外科 松下隆医師


どんな難治性骨折でも適切な治療を
すれば日常生活が支障なく送れるような
回復が期待できると言います。



「佐々木梓さん」

難治性骨折になる原因は何ですか。



「松下隆医師」

はい、難治性骨折になるのは元の外傷が
酷い人、そういうものが難治性骨折に
なるんですが、その酷い怪我というのは、
高エネルギー外傷と言われている
強い力で骨折が起こります。


交通事故なんかだと全身が怪我をして
いたりするので、命を救うってことが
一番の目的になって、


日本では三次救命救急センターと呼ばれ
てる、そいういう酷い怪我を扱う
病院に運ばれるんですね。


文字通り救命救急センターなので、
命を救うってことに皆一生懸命なので


骨が少々曲がろうが、つかなからろうが、
感染しようが、まあそこまで構っていら
れないと機能まで元に取り戻すとこまで
手が回らない、そういうのが現状です。


でも骨折の最後の目的は元通りの機能を
持った手足を作るってことにあるので、
単に命が助かれば良かったねっていう、


そういうことはないので機能も取り戻す
ようにきちんと治す必要があります。



「佐々木梓さん」

骨折したときは動かないように固定して
おけば、骨折は自然に治るんですよね。



「松下隆医師」

はい、基本的には固定でしておけば
自然に仮骨(固くなる前の柔らかい組織)
という骨ができて骨はつながります。


でも、正しい形に戻さないで
固定しておくと、そのまま変な格好で
くっついてしまいます。


難治性骨折のその酷い骨折だと骨がばら
ばらになってて、変な格好のままで固定
することがおこるかもしれない。


また皮膚に穴が開いて、そこにの異物が
入って砂とか入ってると、それをキレイ
に取り除かないと感染してしまうので、


汚い骨は全部とってしまうと、
そうすると骨が足りなくなる。


自然に固定すると短くなってつながる、
その軟部組織が傷害があって皮膚に穴が
あいてたりすると、骨の周りに本来仮骨
をつくるための骨膜という大事な
組織があるんですけど、


そういう物も一緒になくなっていて、
仮骨が上手く作られないってことも
あって、そうすると骨がつながらない
ってことが起こり、それが偽関節ですね。




■難治性骨折の症状とは?


「佐々木梓さん」

難治性骨折には
どんな症状がありますか?。



「松下隆医師」

偽関節というのは、その名前の通り、
偽の関節なので、本来関節のない所に、
関節があるようにそこで動いてしまう。


そうすると歩く時に歩きにくい
だろうなと思いますよね。


それから変形中だと、
曲がってくっついたり、
ねじれてたりするわけでね


自分で手をこういうふうに
出したつもりでも、こういうふうに
なったら困るでしょ?。


足が前を向いてると思ってたら、
横向いてたら困る。


特に内側を向いていると自分で自分の足
につまずいたりするんです。


ですから、偽関節・変形治癒というのは
非常に「機能障害」の大きい
不便なことなんです。




■偽関節の問題点とは?


「ナレーション」

山本隆太さんは、交通事故で
左足のすねを骨折。


治療を行ったものの偽関節で歩行が
困難になってしまったといいます。



「山本隆太さん」

五年間ぐらいやっぱりその骨が
つかなくて、だんだんこう足が
曲がっていってしまったんですね。


足の長さがやっぱり3cmか5cm
ぐらい短くなってしまって、日常生活も
すごく不自由で、すごく悩んではいた
んですけども、やっぱ歩きづらいは
歩きづらかったですし、


片っぽだけ高い靴を履いて、
片っぽ履いてないぐらいの、
そんな感覚があったんですね。


歩く度に痛かったですし...



「佐々木梓さん」

骨折後の治療がうまくいかず、
偽関節や変形治癒になって健常だった
ころのような日常生活ができなく
なってしまったら、


患者さんのその後の人生は大きく
一変してしまいますね。


そこでその治療法を見てきますが、
その前にこのコーナーです。




■骨が伸びる仕組み


「ナース」

ドクター今回は骨が伸びる
仕組みについてですね。



「ドクター」

そう生まれたばかりの赤ちゃんの骨は
小さくて短く、成長するにつれて
だんだん太く長く伸びて行くんだ。



「ナース」

赤ちゃんはどんどん
大きくなりますよね。


でも骨はどのように
成長していくんですか?。



「ドクター」

例えば足のすねの骨などでは、
中央部分の硬いところを骨幹、
骨の端の部分を骨端と呼んで、


この骨幹と骨端の間に成長軟骨版
ともいう骨端軟骨という部分がある。


この場所の軟骨細胞が増えることで
骨は長く伸びて成長していくんだ。



「ナース」

でも成長は普通を20歳前で
止まりますよね。



「ドクター」

そう、男性で17歳から18歳、
女性で15歳から16歳くらいまで
成長するのが正常なんだけれど、


成人して成長が止まった後も全身に
およそ206個ある骨は1年に20%
ぐらいずつ再生されて新しく生まれ
変わっているんだよ。



「ナース」

じゃあ骨は常にリニューアル
しているんですね。



「ドクター」

でも病気やケガなどが原因で成長が
止まってしまい、左右の骨の長さが
違ったり、曲がったりしてしまう
ことがあるんだ。




■難治性骨折の治療とは?


「佐々木梓さん」

難治性骨折はどのように
治療するんですか。



「松下隆医師」

くっついてない骨はくっつける、
曲がっている骨は真っ直ぐにする。


短い骨は長くする。元通りにして固まる
のを待てば元通りの形になる
ということになります。



「ナレーション」

松下医師が行っているのは、
イリザロフ法を基本に、さらに改良して
独自の工夫を加えた新しい手術法です。


イリザロフ法とは体がもともと持って
いる再生能力を上手に利用したものです。


変形してしまった骨を人為的に
もう一度骨折させ、骨と骨の隙間を
固定しながら少しずつ引き離して、
その隙間に骨を自然形成させることで
最終的に骨を延長させる治療法です。


骨折すると折れた骨を修復しようと
開いた隙間に骨髄液などが流れ込み、
細胞が増殖して、結合組織を作ります。


そこにカルシウムが沈着して仮骨になり、
やがてその仮骨にさらにカルシウムが
沈着して石灰化、仮骨が骨に変わるのです。



「松下隆医師」

イリザロフ法っていうのは周りの軟部
組織をなるべく傷めないように骨を
まっすぐに切って、そこにできる
仮骨を少しずつ伸ばす。


それがオリジナルのイリザロフ法なん
ですけども、それだったら軟部組織さえ
痛めなかったら、骨がバラバラにした方
がもっと良くできるんじゃないかと、
そういうふうに思ったんですね。


骨の割れ目からは骨を誘導する物質が
出てくるんですね、それから骨髄液から
は骨の元になる細胞が出てきます。


そういうものを単にまっすぐ切るより、
こなごなにしたほうがいっぱい出てくる
ので骨ができるはずだと思ってやったら
ホントによくできる。


偽関節もくっつくし、どんどん骨が
できるので、その骨を伸ばしたり、
曲げたして、変形治癒も治せる。


それで私は英語ではChipping technique
(チッピングテクニック)


日本語では粉砕術という名前をつけて、
単にまっすぐ切るんではなくて、


骨を粉々にするという術式を始めたんです。




■松下医師の凄い技術とは?


「ナレーション」

骨の再生に使用する一般的な器具は、
「イリザロフ・フレイム」や
「テイラー・スペイシャル・フレイム」
 という創外固定器です。
 
 
テイラー・スペイシャル・フレイムは、
2つのリングが6本の支柱ストラット
で接続されています。


骨折した骨の両側にリングを固定し、
両側のリンクをつなぐ、


6本のストラットを使って、
一日平均1mmくらいずつ自在にコント
ロールすることで骨の長さや角度を目的
の形にまで誘導していくのです。


松下医師はこの創外固定器の原理を
さらに改良し、より患者に優しく、


より効率の高い治療ができるようにと
一本の棒状の創外固定器を組み合わせて
複雑な変形治療を可能にする方法を
工夫したのです。



「松下隆医師」

正確に治せますよ。



「ナレーション」

山本隆太さんは交通事故で複雑骨折し、
治療後五年たっても、骨がつながらず、
3センチから5センチも短くなり、
ねじれていました。


松下医師は偽関節部分を粉砕し、
ねじれている部分を元に戻しながら
短くなっている部分を伸ばして
修復しました。


治療後は普段の生活に全く支障のない
までに完治しています。



「山本隆太さん」

手術する前はこう正しい自分の足が良く
わかんなくなってたんですよ。


どういうふうについて立っているのか、
今は逆に曲っていた時の感じがどう
だったかなと思うぐらい、それぐらい
良くなりましたね。



「ナレーション」

別の患者さんです。この方は足首に近い
部分が骨折して感染、22年もの間、
変形治療と骨髄炎で苦しんでいました。


骨髄炎になっている部分を切除し、
短くなった骨を伸ばす治療を
16ヶ月で終了しました。


その方はサッカーの試合中に右大腿骨を
骨折。25度曲がり、40度ねじれて
6センチ短くなった偽関節でした。


粉砕して延長させながら曲がりとねじれ
を治し、6ヶ月で終了。


治療後は片足でも立てるようになって
います。帝京大学医学部附属病院には
松下医師を頼った患者さんが
全国から集まっています。




■治療を受けた患者の声


「女性の患者さん」

大丈夫これは大丈夫って言われて
治ったら、何かをこうやりたいって
ことがいっぱい想い浮かんでくるって
いうかな、うん、そんな感じですよね。



「男性患者さんA」

治しますからっておっしゃってくれて。


本当に地獄から這い上がった
感じがしましたね。


うん自分の足でやっぱり
あの普通に歩くのが目標です。



「男性患者さんB」

うれしかったです。


はい、ただうれしかったです。


とりあえず松葉杖なしで歩きたいです。
これで仕事できると思いました。




■患者さんへのメッセージ


「松下隆医師」」

日常生活がすごく不便なはずなんですね、
うん、それを我慢して暮らしている、


もう治らない、あきらめなさいって
言われて発する人が多いので、


でも今お話したように、今の最先端の
技術なら相当酷い難治性骨折でも、


今は必ず元通りの機能を持った足に戻せ
ますから、ぜひあきらめないで元通りに
戻して元のまた楽しい生活ができる、


そのために、ぜひ専門医を訪れて
治す努力をしてほしいですね。



「佐々木梓さん」

立つ、座るといった普通なら何でもない
動きが不自由なために大きく生活の質を
奪っている難治性骨折。


それが元のように治せるとしたら、
その後の暮らしに大きな希望をもたら
すのではないでしょうか。





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