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■デイサービスの一日の流れ


デイサービスは、通所介護とも呼ばれ、要介護認定(1〜5)を受けた高齢者さんを施設
まで送迎し、、食事、入浴、排泄、レクリエーション、機能訓練などを行う施設です。


最近では1泊1000円前後で提供してる施設が増えてまして、両親の介護にかかりっきり
のため、旅行など遠出できなかったご家族に大変好評のようです。


施設では午前9時になると専用の車で利用者さん宅へと迎えに出かけます。


施設の近所に住んでいる方の中には、自ら歩いて通う高齢者の方も少なくありません。


どこの施設でも利用者さんを預かるのは、午前10時から午後4時までの所が多いです。


当日の利用者が全員揃ってからレクレーション(以下レク)がスタートします。折り紙、
お絵かき、簡単なゲームなどを行い、その合間を縫って順番に入浴していきます。


基本的に大抵どこの施設でも昼食を用意しています。昼食後に午後のレクを行います。


また、機能訓練として、それぞれの利用者さんにあったメニューを毎回行います。


そして、おやつを食べ終えたら、その日は終了となり、利用者さんのご自宅へ送り届ける
ために、車で巡回します。これが一般的なデイサービスの一日の流れとなっています。


基本的にデイサービスの利用者さんは、介護度の低い高齢者さんが中心となっています。


高齢者ゆえ、中には認知症がかなり進んでいる方もいますが、介護度の高い利用者さんは、
少ないので、介護の仕事を経験したことがない、看護師さんでも働きやすい職場です。





■デイサービスのニーズについて


デイサービスでは介護士の資格を持つ介護職の人達が圧倒的多数を占めています。


ですので、デイサービスで働く看護師さんの数は全体でいうとかなり少ないです。


予算の関係上ぎりぎりの人数しか雇用することができませんので、施設の規模にもよりま
すが、正社員はせいぜい2〜3人程度で、他はパートやアルバイトでカバーします。


デイサービスは表向きは利用者の宿泊は行っていないところが多いです。


利用者さんとそのご家族の事情によって宿泊を受け入れるケースが多いです。


しかし、デイサービスの宿泊ニーズは年々増えているので、施設によっては夜勤が増える
可能性が高いですが、一般病院ほど肉体的・精神的負担は大きくありません。


先に述べた通り、1泊1000円程度で利用できる施設が増えています。


今後も「介護老人保健施設」と「特別養護老人ホーム」の施設そのものは、拡大する傾向
にありますが、利用を希望する人たちのニーズを満たすには、全く足りません。


ですので、デイサービスのこうした新しい試みに注目が集まっています。





■デイサービスで働く人たちについて


デイサービスで働いているのは看護師さんや介護士さんだけではありません。


他にも色々な資格(社会福祉士、理学療法士、作業療法士、栄養管理士など)を有した
人達が働いていますので、職場ではチームワークが何より求められます。


主な資格とその役割については以下の通りとなります。


(1)「生活相談員」

デイサービスでは、社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を
有している専従の「生活相談員」を最低1名以上配置しなければなりません。



(2)「看護職員」

施設には専従の看護職員として正看護師、准看護師のいずれかの資格を有して
いる「看護職員」を最低1名以上配置しなければなりません。

利用者が10名以下の場合、看護師を配置する必要はありません。



(3)「介護職員」

利用者15名以下の場合は、 介護福祉士、ホームヘルパーなどの資格を有して
いる「介護職員」を最低1名以上配置しなければなりません。


そして、利用者が15名を超えた場合は、 利用者が5人もしくは端数を増えて
いく毎に介護職員をあらたに1人追加で配置しなければなりません。



(4)「機能訓練指導員」

通所介護施設で個別機能訓練加算を採用しない場合は、他の職務との兼任が認め
られていまして、機能訓練指導員を最低1名以上配置しなければなりません。


そして、機能訓練指導員は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、正看護師、
准看護師、柔道整復師などの資格を有していなければなりません。



(5)「管理者」

施設全体の管理の職務に従事する管理者を配置しなければなりません。


施設の業務を管理する上で支障が無い場合、同じ事業所内の他の職務、もしくは
同じ敷地内にある他の事業所の職務と兼務することが認められています。


デイサービスは法人格であれば認定が受けられるので、 株式会社として経営する
ことも可能ですが、社会福祉法人、医療法人、NPO法人が中心となっています。





■看護師から機能訓練指導員になるには?


デイサービスで働く機能訓練指導員の仕事は、利用者さんが日常生活をスムーズに行える
ようにするために各機能の低下を抑える、また回復させるために機能訓練を指導します。


機能訓練指導員として働くには、以下のいずれかの資格が必要になります。


●看護師(准看護師)

●理学療法士

●作業療法士

●言語聴覚士

●柔道整復師

●あん摩マッサージ指圧師


現行法では120分以上専任しないと加算が取れませんが、デイサービスの求人の中には、
看護師さんに限定して機能訓練指導員を「1日2時間〜」で募集をかけています。


基本的に機能訓練指導員は、他の仕事と兼務できるような仕事ではありません。


にもかかわらずデイサービスの施設の中には「人手不足」のところも多いため、病棟勤務
の経験がある看護師さんにターゲットを絞って募集をかけているのを目にします。


こうした求人からは、マルチで色々できる人を雇って、「あれもこれもやらせてしまえ」
といった無茶な意図が見え隠れしています。この点は十分注意しなければなりません。


機能訓練だけでも十分大変なのに、介護の仕事の手伝いをやりながらとなると、絶対無理
です。しかし、無理でも入職したらやらなければならないので、不満が続出しています。


機能訓練指導員の仕事についてですが、利用者さん個人に合ったメニューを考案し、計画、
実施、評価などを行うわけですが、他の仕事と兼務するとこれらの仕事が削られます。


つまり、本来やるべき仕事にかけられる時間が削られ、しかも問題が起きれば、その責任
を押し付けられるわけですから、正直たまったものではありません。


機能訓練指導員として働くことを希望する看護師さんは、この点に十分注意して下さい。