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今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「COPD」を特集しています。


COPDは、長年タバコを吸い続けたことで、
肺が破壊されてしまう恐ろしい病気です。


咳や痰が出るくらいならいのですが、
少しの動作でも息切れがするようになると、
動くのが怖くなり、動かなくなります。


体の機能が著しく低下することとなり、
合併症リスクが高まることになります。


今回の動画では、COPDの、原因、予防
治療などについて解説してます。


今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときに
ご覧いただければ幸いです。
 
 
 

 
 
 
■COPDとは?


「中川久美さん」

みなさんこんにちは。


「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。


さて、風邪でもないのに咳や痰が続いたり
坂道を上るなど、少し体を動かすと
息が切れたりしてしまう


そんな症状は
この病気のシグナル
かもしれません。


今回のテーマはこちら。


「COPD」です。


COPDは日本語では
「慢性閉塞性肺疾患」といって、
少し前まで肺気腫や慢性気管支炎と
呼ばれていた病気を合わせた病名です。


COPDになる人の数、
そして亡くなる人の数も
年々増えていますが


実際に医療機関を受診している人は
決して多くはありません。


COPDとはどんな病気なのでしょうか。



「ナレーション」

COPDは肺の中にある肺胞と気道が慢性的
に炎症を起こす病気です。


肺の中には数億個もの肺胞と呼ばれる
袋があって酸素と二酸化炭素
の交換をしています。


COPDになるとブドウの房のように集まって
いる肺胞の一つ一つが炎症を起こして壊れ


大きな袋状になって弾力性を失うため、
酸素と二酸化炭素の交換がうまく
できなくなります。


そして肺胞がぶら下がっている細い気道も
肺胞が壊れた影響でつぶれてしまったり


炎症を起こして狭くなったりするため
空気の出し入れがスムーズに
できなくなるのです。


郡山市の坪井病院理事長で慢性呼吸器疾患
を専門としている坪井永保先生
にお話を伺いました。




■COPDの原因とは?


「中川久美さん」

なぜCOPDになってしまうんですか?。



「坪井永保先生」

COPDの原因の九割はタバコです。


タバコの有害成分によって
肺が溶けてしまう、壊れてしまう
病気というふうに考えていただい
ていいと思います。


タバコという生活習慣よって起こる
病気なので、肺の生活習慣病という
ふうに呼ばれております。



「ナレーション」

COPDは40代で少しずつ目立ち始め、
60代、70代で急に増える
傾向にあります。


現在日本には530万人を超える
患者がいると考えられていますが、


実際に医療機関で治療を受けているのは
一割にも満たない22万人程度


ほとんどの人はCOPDを発症しているにも
かかわらず医療機関を受診していない、


あるいは受診していてもCOPDと
診断されていないのです。




■なぜ治療を受けないのか?


「中川久美さん」

なぜCOPDで受診する人が
こんなに少ないんでしょうか。



「坪井永保先生」

まず第一にこの病気の認知度、
知っている人が少ないということが
あげられると思います。


それからもう一つはCOPDの特徴としては、
症状がゆっくりと進行しますので


最初のうちはほとんど気が付かない
場合が多い、症状が出てもタバコを
吸ってるんだから、多少の咳や痰や
息切れくらいは仕方がないんだ


しょうがないんだというふうに思って
そのまま過ごしてしまう人も
多いのも事実ですね。



肺というのは一旦壊れると、
また再生するというか、元に戻らない
臓器なもんですから...


徐々に進行していって、
酸素吸入であったりとか、
自宅で寝た状態になってしまうという
非常に怖い病気でありますね。



「ナレーション」

喫煙の習慣がなくても周りの人が吸った
タバコの煙を吸い込む受動喫煙がCOPDの
原因の一つになるともいわれています。


自覚症状はなくても知らず知らずの内に
肺は蝕まれているころがあるのです。



「中川久美さん」

COPDのメカニズムとその怖さを
ご覧頂きました。


COPDは長い時間をかけて
肺が壊れていく病気ですが、
実は悪くなるのは肺だけではありません。


そこにこの病気の
もう一つの怖さがあります。




■COPDを患う患者の体験談


「中川久美さん」

どんなときにどんな症状が...



「70代男性患者」

ふつうの平らなところを歩くのは
何も問題ないんですけど...


階段上がるとき、2階まで行くと
ちょっと息切れがするんですね。



「70代男性患者」

一番悪いの、会話ね。


会話が一番くたびれる。



「中川久美さん」

話すことが?



「70代男性患者」

そう。俺は...



「70代男性患者」

こうやってじっとしている
場合にはよろしいんですが、
少し動いて、例えば重いものを
何か持つとか急に走ったりは
もうダメですね。


苦しくなるんです。


息が詰まるというか...




■COPDのその他の症状について


「ナレーション」

COPDの主な症状は、咳や痰、
身体を動かしたときに感じる息切れです。


シャンプーや農作業など前かがみの
動作をした時に苦しくなったり


風邪を引くと治りにくいと
感じることもあります。


病気が進むと少し動いても
息切れがするため、多くの人が
身体を動かさなくなります。


しかし、身体を動かさないと
呼吸をするための筋肉も衰えて、
ますます息切れが酷くなる
悪循環に陥ります。


また、苦しくなることへの不安から、
家に閉じこもりがちになり


気持ちが落ち込んで、
うつ状態になることも
少なくありません。


さらに...



「坪井永保先生」


最近「COPD」というのは、
全身に炎症を起こす病気という
ふうに捉えられています。


従いまして、筋肉の機能を落とし、
だんだん体の筋肉が落ちていく、
それから心臓へ影響が来る
「心不全」ですね。


それから栄養障害が起こって、
どんどんこう日常生活で動くレベルが
低くなってしまうということで


患者さんの日常生活を著しく阻害して
しまう、怖い病気と捉えられています。



「ナレーション」

心筋梗塞、睡眠障害、骨粗しょう症、
COPDは肺だけではなく...


全身に影響を及ぼす病気であることが、
最近の研究でわかったのです。


COPDは命にかかわる病気ですし、
壊れた肺を元通りにはできませんが、
早く見つけて治療を始めれば
症状を和らげたり


病気の進行を抑えたり
できると言われています。


COPDを見つけるために欠かせないのは
肺の働きを調べる「肺機能検査」です。


肺にある空気をどれだけ早くどれだけ
多く吐き出せるかを「スパイロメーター」
と呼ばれる器具を使って調べます。


5分〜10分ほどで済む簡単な検査なので
40歳以上で喫煙歴があり、普段から
咳や痰の症状がある人は受ける
ようにしましょう。



検査は呼吸器内科で
受けることができます。



「中川久美さん」

このあとは、COPDの治療
についてお伝えします。




■COPDの治療について


「ナレーション」

COPDの治療は、まずは禁煙が基本です。


本数を減らしたり、軽いタバコに変えたり
しても意味はなく、きっぱり辞めなければ
病気の進行を抑えることはできません。


肺の機能は健康な人でも25歳をピークに
ゆっくり衰えますが、COPDになると
そのスピードは早まります。


しかし、禁煙すれば病気になってからでも
衰えるスピードを健康な人と同じレベルに
近づけることができるので。


また、息切れなどの症状がある場合は気道
を広げる薬が使われます。


中心になるのは吸入薬で、気管支に直接
作用するため、効果が表れるのも早く、
副作用も起こりにくいといわれます。



気道を広げる薬と炎症を抑える効果の高い
吸入ステロイド薬を合わせて
使う場合もあります。


さらに、禁煙や薬の治療と
組み合わせて行うことで効果があるのが
「呼吸リハビリテーション」です。


一部失われてしまった肺の機能を最大限に
生かして呼吸を楽にするのが目的です。


息苦しさを和らげるために、
さまざまなトレーニングが行われますが、
まず基本になるのは「呼吸法」です。


坪井病院で呼吸リハビリを指導している
作業療法士の佐々木貴義さん
にお話を伺いました。




■呼吸リハビリテーションについて


「佐々木貴義さん」

腹式呼吸をする事によって横隔膜て呼吸に
一番必要な筋肉をぐう〜と下げてあげて


肺をを全体的に膨らまして使いやすくして
あげて、呼吸はいっぱい吸うことができる
というという利点もあります。



「ナレーション」

腹式呼吸は肺全体を使って効率よく
呼吸をする方法です。


息を吸ったときに
お腹が膨らみ、吐いたときに
お腹がへこむように練習します。


鼻から吸って口から
吐くのがポイントです。


息を吐く力が弱いと
肺の中に残っている空気が
邪魔をして新鮮な空気が入りにくく
なってしまうので、しっかり吐き
きることが大切です。


こちらは肩や首、背中などを
ストレッチする「呼吸体操」です。


呼吸に使う筋肉をほぐすことで
肺が広がり呼吸がしやすくなります。


また、患者さんの症状によっては
「スレッショルド」と呼ばれる
道具を使って横隔膜を強くする
トレーニングが行われます。


鼻をクリップで留め、口にくわえて
呼吸するこのトレーニングは吸うと
抵抗感があるので、その力に負けないよう
に吸ったり吐いたりすることで横隔膜
を鍛えることができます。


横隔膜が強くなると肺を動かす力も
強まり呼吸がしやすくなるのです。


意外に思うかもしれませんが、
下半身を中心にした筋力トレーニング
も呼吸を楽にするために重要です。



「佐々木貴義さん」

足の筋肉が弱ってくると、
やはりこう肺の力であったり、
心臓っていう力もだんだん筋力
として落ちてきてしまいますので


その点ではやはり足をしっかり動かして、
肺の力や心臓の力っていうのを
こう維持していく


もしくは強くしていくということが、
これからどんどん必要になって
くると思います。



「ナレーション」

全身の筋力をつけることはもちろんですが、
特に足の筋肉を鍛えておかないと心臓と肺
の老化を早めてしまうということです。


普段から歩く習慣をつけておきたいですね。


呼吸リハビリはCOPDの治療としてだけで
なく、日頃の健康法として取り入れたい
ものがたくさんあります。



「60代男性患者」

ゴルフやったり、ちょっと激しい動きを
すると「ハァハァハァハァ」は
していたんです。


それから、だんだん酷くなりまして
もう動けなくなりました。


動けないですから、食べられなくなって、
全然動けないのと、じっとしていたので
だんだん体が全然弱ってしまって...



こちらへ来て呼吸リハビリが(入院して)
1週間目ぐらいから始まったのかな。


最初に血がめぐってくるような感じが
あって、世界が変わってきたですね。




■COPD治療で大切なこととは?


「中川久美さん」

やはり一刻も早く病気を見つける
ってことが大切なんですね。



「坪井永保先生」

そうですね。年中自覚症状が出て苦しい
という状況になってから病院、医療機関を
受診されても中々治すのは難しいです。


ですからできるだけ早く医療機関を
受診して適切な治療を始めいただきたい
というふうに思います。


仮にまあ病状が進行して
自宅で酸素吸入をせざるをえない
という状況になったとしても


呼吸リハビリテーションであるとか、
さまざまな他の治療を組み合わせる
ことによって、日常生活を十分
に営めるなりますし


仕事の復帰もできるようになりますので、
決して怖がらずに対応していただき
たいなというふうに思います。



「中川久美さん」


今回取材した郡山市の坪井病院では、
8月1日の肺の日を記念した市民健康
フォーラムを7月29日日曜日の昼12時
から郡山ビューホテルアネックスで開催
(すでに終了しています)します。


COPDについての講演のほか、
肺機能検査や呼吸リハビリの体験もできて
入場は無料ということです。


なお、COPDに関する情報は読売新聞の
医療サイト「ヨミドクター」でも
ご覧いただくことができます。


是非ご覧ください。


それでは、また来月お目にかかりましょう。


ピロリ菌という名前を知っている方は
多いと思いますが、果たしてどこまで
詳しくへその正体をご存知でしょうか


次回はピロリ菌のあれこれ
についてお伝えします。




今回の動画はここまでとなっています。


呼吸リハビリテーションで取り組まれてる
各体操は健康な人でも実践すべき内容です。


呼吸が苦しいと、どうしても前向きに何か
を考えることができなくなります。


健康を維持するためにも、呼吸の質を高め
ることを心掛けたいと思います。


いつも本当にありがとうございます。

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