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今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「漢方」を特集しています。


明治維新以降の日本では西洋医学に重きを
おくようになり、それまで培った自国医療
を葬り去ろうとした結果おかしなことに。


最近は、漢方や鍼灸などの東洋医学が
これまでにないほど注目を集めています。


西洋医学とは対極的な位置にある東洋医学
がどのような形で、日本の医療に貢献
しているかがよく分かります。


今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときに
ご覧いただければ幸いです。
 
 
 

 
 
 
■漢方とは?


「中川久美さん」

みなさんこんにちは。


「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。


さて、皆さんは漢方に対して
どんなイメージをお持ちでしょうか?。


最近は多くの医療機関で顆粒や粉末状の
漢方薬が処方されるようになり、
漢方を身近に感じる方が多いと思います。


一方で漢方の考え方や本質については、
十分に理解されているとは言い
切れないのかもしれません。


そこで今回は漢方の驚きの力や
現代医療の中で期待される
役割などをお伝えします。



「ナレーション」

会津エリアの医療の拠点として
二年前に設置された県立医大の
会津医療センターです。


ここには本格的な漢方診療を行う
漢方内科が設置されています。


漢方は診察方法に大きな
特徴があります。



「漢方医」

あんまり冷え性じゃないですよね。



「患者」

はいそうです。



「漢方医」

足も暖かかったしね



「ナレーション」

患者をベッドに寝かせて
脈を見たり、舌を見たり...



「漢方医」

これがいたいでしょ?



「患者」

痛いですね。



「ナレーション」

私たちが普段受けている
一般的な診察とは少し違う印象です。


福島医大会津医療センター
漢方医学講座教授の三潴忠道先生




■漢方の診察の特徴とは?


「中川久美さん」

なぜ舌を見たり、
お腹をさわったりするんでしょうか?



「三潴忠道先生」

その方の体調によって、
舌の厚さとか形、色とかですね。


舌に苔が生えますよね、
その苔の生え方、色そういったものも
そういったものも変わって
きたりするんです。


そんな経験をすることもあるんですね。



「ナレーション」

漢方は病気の人を大きく生体反応が
活発で体力がある陽の状態と身体が
冷えて生態反応が鈍くなっている
陰の状態に分けて考えます。


同じ症状でも「陰」と「陽」では、
治療方針が変わるため


漢方医は患者の状態を正しく知るために
目や耳、鼻を触った感覚など五感を
フルに使って診察するのです。



「70代男性患者」

普通のお医者さんは、
すぐに熱はありますかとか、
喉痛いですかとか、というんですけど、


身体の状態、過去の病歴、
そういうことをよく聞くので、
全然違うと思います。



「ナレーション」

診察時間も初診であれば30分から
1時間と時間をかけるのも漢方の特徴です。



「三潴忠道先生」

西洋医学も、もちろん患者さんのことを
ちゃんと診ていますよね。


だけど疾患ごとに分かれるとそれぞれの
「科」の専門性の高い検査データーに
注目してしまう場合が多いと思います。


西洋医学の医師に長くかかっても、
ほとんど身体をさわってもらったことが
ない人が多いようにも思いますね。


「漢方」の場合は、
西洋医学とは切り口が違いますので、
疾患ごとに分かれている科を横断的に
というんですか、そういうふうに
診ることができます。


これは今でいいますとですね、
総合医とか家庭医とかいう人達にとって、
大事な診方になるんじゃないでしょうか。



「中川久美さん」

漢方は異常が現れている体の一部分だけに
注目するのではなく、心も含めた患者の体
全体を診て見られたバランスを
整える治療を行います。


治療の中心になるのは漢方薬ですが、
その効果を最大限に引き出すためには、
医師には漢方薬に関する膨大な知識が、
患者側には正しい理解が必要です。




■漢方薬の特徴について


「佐橋佳郎薬剤師」

これは漢方では生姜といいます。


身体を温め、胃の調子をよくする
ような作用があります。



「ナレーション」

生姜とは生姜の根を乾燥させたもの、
こちらは「竜骨」、古代の大型動物の
化石化した骨です。そしてこちらは...



「佐橋佳郎薬剤師」

牡丹の根です。


普通牡丹の花っていうと、
鮮やかでワクワクする感じですが、
漢方でもこれは血液の流れがすごく
良くする方の薬なんですね。



「中川久美さん」

草の根や木の皮など自然界にあるものから
作られた薬を生薬といいます。


漢方薬は、この「生薬」をいくつも
組み合わせて作ったものです。


よく知られている葛根湯は葛の根っこを
中心に、シナモンや芍薬、生姜など7つ
の生薬が組み合わされています。


葛根湯の湯はスープのことで、
漢方薬の多くは刻んだ生薬を煮出した
スープを服用します。




■漢方は高齢者の治療に最適


「70代男性患者」

リウマチの点滴の副作用で、頭や顔、
背中などに湿疹ができて、それでもう顔が
みられないような雰囲気だったんです。


でも、今はおかげで、
きれいになっています。


眠れるようにもなったし、
元気になってきて、
やる気も出てきたという感じ...



「ナレーション」

複数の生薬を組み合わせた漢方薬は一つの
薬の中に沢山の成分が含まれているため、
複数の病気や症状に効果を発揮する
ケースが多いのも特徴です。



「三潴忠道先生」

例えば、「葛根湯」って
風邪で有名なお薬なんですが、
あれはあの頭痛にも使うし


肩こりというか首のこりに使いますし、
ときには背中の方、腰の方の痛みなんか
にも使ったりするんですね。


ですから例えばあの、高齢の方とかで
いろんな病気をこう持ちやすいような方
たちには、それぞれに対するお薬では
なくて、漢方薬を使ったほうが西洋医学的
なお薬の数を減らすこともできる、
そんな場合もあります。



「ナレーション」

多くの医療機関で処方される
顆粒や粉末状の漢方薬は生薬を煮出した
スープの水分を飛ばして乾燥させたもので、
エキス製剤と呼ばれています。


エキス製剤は水で流し込むのではなく、
コップ半分程度のお湯に溶かして
飲むのがいいそうです。


また、漢方薬は長期間飲み続けないとを
効かないと思われがちですが


実は15分から30分ほどで効果が
あらわれるものもあります。


利便性が高く、保険も適用になったことで
漢方薬が広く使われるようになりましたが


一方で漢方薬に対する誤った認識も
少なからず広がっているといわれます。




■漢方薬は高齢者の症状に最適


「三潴忠道先生」

例えば「私が何とか病だから、それで
もらったお薬で私はよくなりました」


「あなたも漢方薬が効くから、あなたにも
これをあげるからお飲みなさい」という


これは何とか病だから、
その漢方薬を処方しているのではなく、
それは現代医学的な病名ですから


例えば、同じ頭痛であっても、
陽性の病態、つまり、冷えのないような方
に処方するものと、陰性の病態、つまり、
冷え性のような方に処方する薬とでは
全然違ってきたりするわけですね。


ですから、合わない薬をさしあげると、
治らないだけではなくて


かえって体調を崩すことにもなるので、
その辺はよく、注意してもらいたいなと、
病名や症状だけで決めないでもらい
たいというふうに思います。



「ナレーション」

西洋医学が主流の中で漢方に関しては
専門に学んだ医師はまだ少ない
のが現状です。



「三潴忠道先生」

エキス製剤、顆粒とか錠剤の漢方薬が
健康保険の適用になったことで、
どんなお医者さんでも使えるよう
になったんですね。


医者に対する漢方の教育が、
まだ十分に行き渡っていない、
という問題としてあります。


例えば、風邪を引いたからとか、
インフルエンザになったから、
この漢方薬が効きやすい、
ということはあるんですけども


そうではなくて、なぜその漢方薬が
効きやすいのかをよく知って、
細かな使い分けをしていっていただければ、
患者さんにもそれが正しく伝わる
良い治療がしてあげられるという
ことになります。


ですから、もう少し本格的な理論、
技術も含めたような普及がされてくると
漢方がもっと広がって、有効になって
くるんじゃないかと思ってます。



「中川久美さん」

漢方の治療は漢方薬とともに鍼やお灸も
大きな柱になっています。


この後現代医療の中で漢方が果たす
役割と合わせてお伝えします。




■漢方における鍼灸の果たす役割


「ナレーション」

鍼灸は入りやお灸で皮膚を直接刺激する
ことで崩れた体のバランスを整える漢方薬
と並ぶ漢方治療のもう一つの柱です。


ところが鍼灸は日本の医療が西洋医学に
大きく舵を切った明治時代に医療の現場
から遠ざけられたため、独自の道を歩む
ようになりました。


福島医大会津医療センター漢方医学講座
准教授で鍼灸師の鈴木正夫先生
に伺いました。



「鈴木雅雄鍼灸師」

鍼灸といいますと、どうしてもこれまでは
「怪しい」、「おまじない」といった
イメージがあったんですが、


特に最近、痛みを中心に
鍼灸がなぜ効くかということが
科学的に証明されてきました。


さらに内科的な疾患のタバコを吸う
ことによって、肺が壊れてしまう
COPDという病気ありますが


このCOPDになると、
患者さんは非常に強い
息切れが出てきます。


この息切れに対して、
鍼治療が有効であることが、
最近科学的に証明されて
おりまして、これが新たな
治療法として提案できるのでは
ないかということで


我々は今、研究を勧めている最中です。



「ナレーション」

進級には痛みやシビレを改善させる力が
あることは以前から知られていましたが、
最近は内科的な疾患にも役立つことが
証明されるようになってきました。


会津医療センターでは、鍼灸を医療の現場
で生かすとともに、鍼灸師を地域医療を
担う医療人として育てる新たな
試みを始めています。




■鍼灸師を育てる新しい試みとは?


「武田真輝さん」

鍼灸師が医療の現場の中で
ドクターや看護師の中に入って研修をする
機会はなかなかないのが現状でして


研修医の先生方と同じように
研修をしたが医療の現場の実情や
現状を学びことができましたし


その大変さや厳しさをすごく学ぶことが
できていい経験だったと思います。



「ナレーション」

鍼灸師の国家資格を持つ研修生は
医師と同じ研修を受けて西洋医学の
基礎を学んでいます。


五年間の研修を終えた後は各地の医療機関
で医学の知識を持った鍼灸師としての
活躍が期待されています。



「60代女性患者」

脊柱間狭窄症の手術をしてまして、
ウエストから10センチ下ぐらいから
手術後は全然、感覚がなかったんですよ。


それがだんだん、
漢方薬をもらって徐々に治ってきて、
旅行などに行けないのが、
すごいストレスだったんです。


トイレに行きたいというのは分かるんです。


でもその通過するというのが今、
わからない状態なんですね。


それがちょっとずつ
わかるようになってきて



「中川久美さん」

そうすると旅行も...



「60代女性患者」

もうょっとで行けるかなという
希望は持ってるんですけど



「中川久美さん」

漢方というのはものすごい力を
もっているんですね。



「三潴忠道先生」

薬を使う、あるいは外科的な手術をして
治そうということはありますね。


西洋と漢方の両方をよく知って、
使い分けるということが大切なんだ
というふうに思います。


まぁ西洋医学的にみて
難病といわれるような病気に対しても、
漢方が意外とよく効くね、という場面は
いくつも経験してきてます。


ほかでダメだからと言われても、
あきらめないで、そういう時には...


「漢方は果たしてどうなんだろうか?」
 と考えて頂けると、また道が開ける
 場合があります。



「中川久美さん」

医療機関での漢方薬の治療は保険が
適用になりますが、鍼灸は基本的に
自費での診療になります。


保険が適用になる場合もありますので、
詳しくはお問い合わせをなさって下さい。


それでは、また来月お目にかかりましょう。
次回は巻き爪や陥入爪といった爪の
トラブルに注目します。




今回の動画はここまでとなっています。


以前アメリカのトップ1%富裕層の中で、
西洋医学を信じていない人が多いと聞き、
ショックをうけたことがあります。


自分たちのグループ企業が開発した医薬品
や医療機器などに問題があるとしか
思えない発言をしていました。


今後欧米の一般の人の間でも、
東洋医学が注目されるかもしれませんね。


いつも本当にありがとうございます。

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