今回ご紹介させていただく動画は、
CT肺がん検診をいち早く導入した
長野県松本市の「肺ガン検診」の現状
を密着取材しています。
肺ガンを早期発見するためには、
レントゲン検診では限界があると、
色々な場で議論されています。
そうした中で、松本市は、いち早く
CTによる肺がん検診を導入し、
すでに早期発見に成功した数値を
データ化して比較してます。
6分程度の動画なので、
お時間のあるときにでもじっくり
見ていただければ幸いです。
■なぜCTによる肺ガン検診を導入したのか?
「秋元優里さん」
時代のカルテ「がん医療の現場」
今夜は長野県松本市が
独自に始めた肺がんCT検診
高い早期発見率の
一方で「検診体制」など
運用上の課題も地方発の
挑戦を検証します
「菅谷市長」
やっぱりこういうのは国策で
きちんとやるべきだというのが
私の考えですけどね
「ナレーション」
肺がんの早期発見を目指し
国の方針とは異なる道を選んだ
自治体の挑戦とは?。
「関さん」
これ取れたての、おいしいですよ
「ナレーション」
2年前、早期の肺がんが
見つかった関等さん
手術で完治して
依然と同じ様に畑仕事をしている
「関さん」
私も肺ガンだけには
ならないだろうと思って
タバコも吸ってないですからね
わざわざ検診車が
来てくれるというから
軽い気持ちで(肺ガン検診を)
受けたんですけどね
「ナレーション」
関さんの肺ガンを見つけたのが
この移動型肺ガンCT検診車である
車内には病院に
設置されているCTが
すっぽりと収まっていた
撮影時間は一回15秒程度
一瞬で終わる
レントゲンよりも
少しだけ長い
2006年「肺ガンCT検診」を
スタートさせた長野県松本市
きっかけは、地元医師たちの
レントゲンに対する疑問だった
「福澤医師」
実際この大きさで見つかったとしても
これなかなか難しいことでしょう
検診ということで、こういう小さい
フィルムでも異常なしと言われれば
安心ですよね...
「ナレーション」
レントゲンのフィルムには
実物大の直接撮影と10cm四方の
間接撮影の二種類がある
特に間接撮影では「早期発見」は
難しいと、福澤医師は指摘する
「福澤医師」
まぁ1cm以下ですね。
この辺の(ガン)は、
やはり普通の胸部レントゲン撮影では
中々見つからないことが多いです。
「ナレーション」
これは実際に松本市の「CT検診」で
見つかった早期の肺がんのケース
赤いラインの中にがんが存在しているが
レントゲン画像では確認はできない
このケースではCT画像ではっきり
見えるがんがレントゲンでは心臓や胸水
と重なる位置になり見分けがつかない
松本市がCT検診を導入した結果
がん発見率は、レントゲンの
「9.6倍」だった
さらに発見したガンの内
1cm以下の肺がんは
「73.7%」
CTが「早期発見」に効果的で
あることを実証した
「福澤医師」
発見率も高いし
かつ早期発見率も高い
ということはね
これは(CT検診は)
やっぱり検診としては
優れた方法だと思いますよね
「ナレーション」
しかし、国のガイドラインは
肺がんの集団検診として
CTは推奨していない
死亡率減少の「証拠」が
不十分という理由だ
一方レントゲンは?
ダブルチェックなどの
条件つきで「推奨」している
国の方針に「疑問」を感じて
CT検診を決断したのは
外科医だった菅谷市長
1986年の
チェルノブイリ原発事故で
深刻な健康被害が起きた
現地に5年間医療活動を
行っていた経験を持つ
「菅谷市長さん」
結局は早期発見
早期治療しかないなというのが
自分の経験から思っています
多少お金がかかっても
ガンの患者さんが手術を
きちんと受けて
そして社会復帰を早くして
そんなことが、あったものですから
よし!これでやろうということで
「ナレーション」
ただし、肺ガンCT検診には
いくつかのハードルがある
まず画像チェックする読影の問題
レントゲンは一つの画像だが
CTは、35カットある
その分読影医師が必要となるが
確保は容易ではない
松本市もCT検診を三年に一回の
設定で運用しているのが実情だ
一方、住民にとって見れば
費用の問題が大きい
レントゲンは1300円だが
CTは7000円
そこで松本市は
5000円の補助を出して
事故負担を2000円に
おさえている
「町の人の声」
(Q:7000円だとどうですか?)
「ちょっと考えますね」
「7000円だったら受けなかった
2000円だったら受けると思います」
「菅谷市長」
年間にしますと松本市の財政負担は
「1600万円」くらいです
ほかのところは、全然(CT検診)ない
これは、やっぱり不公平だなと思いますね
だから、やっぱり国できちんと
やるべきだなと
「ナレーション」
今年の肺ガン学会でも
CT検診についての議論が集中
特に患者との距離が近い医師たちは
強い危機感を抱いていた
「西井医師」
半分ぐらいの方は
進行がんが見つかっているという
今のレントゲン検診の限界も
あると思うので...
それをなんとか打破する
「ブレイクスルー」となると
やっぱりCT検診だと思うんですね
「ナレーション」
アメリカが喫煙者のCT検診の
有効性について報告するなど
各国が国を挙げてCT検診に取り組む中
消極的な日本、この状況を今地方が
変えようとしている
「秋元優里さん」
時代のカルテ「がん医療の現場」
次回は行われなかったダブルチェック
レントゲン検診もう一つの盲点です
動画の内容はここまでです。
しかし、ここまでレントゲン検診と、
CT検診による早期発見の成功率に差が
あるとは正直思いませんでした。
ここまで確かなデータを見せても、
国は動こうとしないのですね。
菅谷市長の英断は本当に素晴らしいです。
こうした取り組みが日本全国の自治体に
広がることを切に願っております。
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