
■なぜ夜勤を嫌う看護師が多いのか?
夜勤を嫌う看護師さんは少なくありません。
理由は人によって色々ありますが、確かに夜の病院は怖いですよね。
一部照明を落としているので、建物の中は全体的に薄暗いですし、雰囲気的に何か出る
のではないかと思わせるものがあります。そう考えると動けなくなりますよね。
昔と違って最近は病院で最期を迎える人が多いです。すでに約80%以上に達していま
すので、看取りを経験したことのない看護師さんの方が全体では少なくなりました。
1回の勤務で、数人の患者さんを看取った経験のある看護師さんも多いです。
患者さんを看取ったことにより、霊的なものを意識するようになるケースが少なくあり
ません。これによりお化けに対して余計に恐怖心が芽生えることになります。
また、夜勤中に急変にあたることも少なからずあるので、これがプレッシャーになり、
責任の重さに強いストレスを感じてしまうので、夜勤そのものが嫌になります。
どこの病院でも夜勤で配置される看護師さんの人数は少ないです。
また、最近では大半の病院が当直体制を採用していることから、医師が病棟に常駐して
いないケースが多いわけですから、そうした状況で急変が起こると大変です。
口で言うのは簡単ですが、その緊張感たるや、身体中が震えてしまいます。
すぐに当直医に連絡をとって、医師がすぐに治療に取り掛かれるように準備します。
医師の治療の介助だけでなく、他の患者さんの対応も同時に行わなければならないので、
まず戸惑います。日勤なら他の看護師さんが手伝ってくれますが、夜勤では無理です。
■夜勤専従看護師のメリット・デメリット
これだけ明確に夜勤を嫌う理由があるにもかかわらず、最近「夜勤専従」で働いている
看護師さんが増えており、しかも仕事とプライベートを充実させながら働いています。
まず夜勤専従看護師として働く最大の魅力は、高額な「夜勤手当」があげられます。
もちろん 夜勤手当は実際に勤務される病院によって差がありますね。
ただし、常勤での求人が極端に少ないのが夜勤専従の難点です。
正職員と非常勤では「福利厚生面」で大きな差が生じますので、常勤で出来るだけ長く
働くことが理想ですが、非常勤であっても十分稼ぐことができます。
夜勤専従看護師は、給料がいいとされているわけですが、それには理由がありまして、
夜勤専従の求人の大半が「 二交代制 」となっているからなんです。
そうすることで、シフトを作成するうえで日勤で働く看護師さんを多く確保出来ます。
1夜勤が16時間労働なので拘束時間が非常に長いわけですから、つまり体力面だけで
はなく、精神的にも結構大変なので、こうした点が夜勤専従のデメリットとなります。
しかし、2交代制のほうが、しっかり休めると感じている方が実際には多いです。
こうした理由から1回あたりの勤務の賃金が高めに設定されています。
■夜勤専従看護師ならプライベートを充実できる!
それ以外にも夜勤専従で働くことで色々なメリットがあります。
例えば日中の時間を有効に使えます。これがプライベートを充実できる理由です。
こうした夜勤専従独自のメリットに魅力を感じることから、若い看護師さんの間では
夜勤専従の仕事は結構人気が高く、求人が出ればすぐに応募が殺到します。
ベテランの看護師さんからすれば、意外に思われるかもしれません。
また、夜勤だけなので、日勤に体内時計を合わせる必要がありません。
勤務シフトに振り回されることなく、毎日ほぼ同じ時間帯に寝ることができるので、
体調管理も楽ですし、平日の日中に自分の好きなことが出来るのは大きな魅力です。
常勤看護師の方では、プライベートの充実化をここまでするのは無理ですからね。
若い女性看護師であれば、なおさらのこと魅力を感じるのかもしれませんね。
■夜勤専従看護師の日給の相場について
ちなみに一般病院の場合、1勤務あたり3〜4万円位が相場となっています。
大都市圏にある大学病院の大半が1勤務あたり4万円が相場となっています。
一方、民間病院は大学病院よりも1勤務あたりの賃金が若干下がります。
基本的に賃金が平均よりも高いところは、仕事量が多いので激務を強いられます。
ですので、夜勤専従看護師の求人を選ぶさいに給料だけで選ぶと失敗します。また、
老健や老人病院では2〜2万7千円程度なので、一般病院よりもかなり低めです。
しかし、老健などの福祉系の施設の大半は医療行為をほとんど行いません。
介護施設独特の人間関係の問題は多少なりともありますが、病棟勤務とは比較になら
ないくらい肉体的にも精神的にもかなり楽なので、狙い目ではあります。