■夜勤「72時間ルール」について
看護師さんの勤務形態は多種多様で、常勤だけでなく非常勤、派遣など色々な働き方
があるわけですが、そうした中で夜勤専従看護師が注目を集めています。
しかしながら、夜勤を嫌がる看護師さんが多い中で、自ら進んで夜勤だけを行うこと
「自体信じられない」と思ってらっしゃる看護師さんが少なくありません。
夜勤には、「72時間ルール」があり、制限の範囲内で勤務シフトを作成します。
2交代制を採用している病院では、大抵1夜勤16時間なので、4回が限度です。
また3交代制を採用している場合は、1夜勤8時間なので、9回が限度となります。
しかし、「救命救急センター」をはじめ、ICUなどの集中治療系の病棟に関しては、
「72時間ルール」が適用されていないので、夜勤の回数制限はありません。
そして、緩和ケア病棟、認知症治療病棟なども同様です。
■看護師の移動が活発化する?
昨年「診療報酬」が改定されたことで、患者さん7人対して1人の看護師さんを配置
する「7対1病床」が急速に増えており、すでに全体の4割まで達しています。
入院基本料は1日あたり1万5,660円に設定されています。
診療報酬が病院の生命線ですから、診療報酬が高い「7対1病床」にすれば、その分
収入も増えて病院経営も安定するわけすから、今後さらに増えることでしょう。
一方、従来の「10対1病床」は、急速に減少しています。
しかし、現時点で地域によっては、すでに供給過多となっていますので、今後は経営
破綻する病院も出てくることでしょうから、現時点で良い悪いの判断は難しいです。
今後病院のサービスの質がより問われることは間違いありません。
すでにネットでは、利用者(患者)向けに病院を評価するサイトがいくつもあります。
サービスの質が低いと評価されると、利用する患者さんの数が減ります。
そうなれば、病院の経営は厳しい状況に追い込まれるでしょう。
ですので、今後さらに病院同士の競争が激化することが予想されます。そうなると、
少しでも良い条件で働きたいと考える人が当然増えることになります。
これは当然ですよね。医師や看護師さんの移動が活発化することになります。
■夜勤専従看護師が誕生した理由
どこの病院も看護師さんが不足しています。夜勤の出来ない看護師さんを常勤で雇用
すれば、夜勤と日勤の両方を行っている看護師さんがカバーしなければなりません。
しかし、上述したとおり常勤看護師さんが行える夜勤の回数には限度があります。
このため、どうしても夜間に配置する看護師の人数が不足することになります。
そうした問題を放置しては勤務シフトを組むことは当然できません。
少しでも看護師さんの負担を増やすことを考えなければ、人材を確保できません。
そうした問題を解消するために夜勤を専門に行なう夜勤専従看護師が誕生しました。
夜勤専従看護師を増やして、常勤看護師の夜勤の回数を抑えます。
ですので、夜勤専従看護師の果たす役割は非常に大きいです。
2012年の法改正にともなって、夜勤専従看護師の夜勤の制限が撤廃されたことを
きっかけに、夜勤専従看護師の需要は、右肩上がりで急速に増えています。
また「夜勤手当」も割高に設定されていることから、給料もかなり高額になります。
■夜勤専従看護師は給料が良いは本当か?
しかし、当然いいことばかりではありません。
夜勤看護師は「夜勤」だけを専門に行わなければならないのと、病院側の事情により、
常勤の求人もあるにはありますが、現状では求人の大半は非常勤です。
また、夜勤は少数精鋭で対応しなければならないので、それなりの臨床経験が求めら
ることから、採用条件が思いのほか厳しいので、この点をクリアする必要があります。
このため大半の夜勤専従看護師さんは、非常勤として勤務することになります。
何回でも夜勤が可能となりますので、 病院側は夜勤専従看護師を雇うことによって、
常勤の夜勤回数を減らし、日勤専門の常勤看護師を雇用することができます。
気になる待遇についてですが、常勤の場合は「福利厚生」はもちろんのこと、基本給
にプラスして色々な手当が支給されるので、常勤の夜勤専従看護師は稼げます。
基本給が25万円程度、各種手当が3万円〜5万円程度、これに夜勤手当が10万円
〜15万円程度支給されるので、月給35万円から40万円程度支給されます。
これに賞与が年間100万円程度支給されるので、年収500万円は下りません。
一方、非常勤の場合は、月1回から働けるので、自由度の高さが魅力です。
夜勤1回あたりの日給が3万円から4万円が相場となっています。
週1回程度働くだけでも、普通の会社の女子社員なみに稼くことができますが、一定
の条件を満たさないと福利厚生はない場合が多いので、注意が必要です。