■夜勤専従が働きやすいとされる根拠とは?
一般病棟で常勤で働いている看護師さんの大半は、夜勤と日勤(3交代または2交代)の
両方を行っているわけですが、ここ最近は日勤専従、夜勤専従で働く人が増えています。
夜勤専従で働くメリット・デメリット色々ありますが、日勤と夜勤の両方を行なうよりも、
夜勤専従で働く方が色々な面でメリットが大きいといった声が広がっています。
その根拠となっているのが睡眠です。人間の体は毎日一定の時間帯に寝ることによって、
健康を維持しやすいようになっており、睡眠リズムが狂うと生活リズムも狂います。
ですので、夜勤と日勤の両方を一つのシフトで行なうのは、元々無理があるんですね。
どんなに若い方でも、睡眠リズムと生活リズムが崩れてしまうと、肉体的にも精神的にも
疲労がたまりやすくなり、次第に働くために必要な体力と気力が削がれていきます。
人には脳波、ホルモン分泌、細胞の再生するための一定のリズムがあります。
これをサーカディアンリズムというのですが、これらによって、人間は睡眠だけでなく、
色々な生活(食事、排泄など)パターンを決定する重要な役割を果たしています。
睡眠時間がずれるだけで、サーカディアンリズムが狂ってしまいます。
サーカディアンリズムという活動時間と睡眠時間のリズムが重要だからです。
深夜勤が当日に組まれている場合、夕方に日勤を終えて、深夜勤に備えるために深夜まで
眠ろうと思っても難しいですよね。眠る時間を遅らせる事は出来ても、逆は難しいです。
人間のサーカディアンリズムに従って活動する方が健康を楽に維持できます。
このため、夜勤専従であれば一定の時間に寝ることが容易になるので、肉体的にも精神的
にも夜勤と日勤を両方組まれたシフトよりも働きやすいとされているわけです。
健康指導において、適度な運動とバランスの良い食事を心がけることは良く言われますが、
睡眠の質を高める努力をしろと言われることはほとんどありません。
しかし、はっきりいって睡眠はこの中で最も大切だと個人的には思っています。
■昼間に寝ても疲れがとれない理由とは?
反対に夜勤専従で働くと肉体面で問題があると指摘する声もあります。
やはり、人間の体は夜に寝て朝起きるのが一番健康に良いのは間違いありません。
とうのも昼間に眠ると徐波睡眠が大幅に増すこととなり、レム睡眠が減少するからです。
これが昼間にどんなに長く寝ても疲れが中々とれないとされる大きな要因となってます。
そして、こういった傾向は一回の夜勤で働く時間が長くなるにつれて顕著になります。
一方、夜勤明けの昼間は我慢して起き続け、当日の夜に寝たほうが本来の睡眠に近いため、
肉体的疲労が回復しやすくなります。これにより精神的にも安定します。
ですので、夜勤専従で働く場合でも夜に寝る日があったほうがいいようです。
■夜勤専従看護師は本当に過酷なのか?
夜勤専従看護師さんの働き方が看護師さんの間で注目を集めています。夜勤専従の場合、
夜勤手当が割高に設定されていることもあって、かなり高給が期待できます。
しかし、常勤の看護師さんの間であれほど毛嫌いされている夜勤だけを専門に行うわけ
ですから、夜勤専従に興味がある看護師さんからは当然次のような疑問がわきます。
(1)夜勤だけだと体調管理が難しいのでは?
(2)次の夜勤まで睡眠を取るのが難しいのでは?
(3)プライベートな時間がなくなってしまうのでは?
■生活パターンを上手に切り替える方法
夜勤専従看護師の場合、基本的に「夜勤」以外の勤務は行わないので、当然のことながら、
それまでの生活パターンが一転し、「昼夜」が逆転することとなります。
そのためいつ寝るかが非常に重要になります。先に述べた通り、昼間に寝ると睡眠の本来
持っている機能が著しく低下するので、どれだけ長く寝ても疲れが中々とれません。
このため、夜勤専従看護師として働いている方々の多くが、次の夜勤までどれだけ時間が
空くかに合わせる恰好で、その都度「睡眠パターン」を切り替えています。
■上手に睡眠パターンを切り替えるには?
例えば夜勤が連続する場合は、夜勤が終了した後に帰宅してから軽く家事をすませます。
そして、昼間はしっかり睡眠をとり、当日の夜勤に備えて体を休めます。
次の夜勤まで24時間以上あいている場合は、帰宅後に軽く仮眠をとって夜また寝るか、
帰宅しても、当日の夜まで寝ないで我慢し、その分夜はぐっすり寝ます。
こうすることによって、睡眠の質をある程度維持することができます。
■慣れれば交代勤務よりも体は楽です!
文章にして読むと何だか非常に過酷なように思えるかもしれませんが、交代勤務よりも
体は楽です。こうした生活リズムにもすぐ慣れますので、体調管理も楽です。
また、プライベートに関しても次の夜勤まで日があいているときに、まとめて行うので、
非常に充実した生活を送ることができますので、仕事への不満もかなり小さいです。