
■うつ病は心が休まる暇がない状態を狙ってくる
うつ病などの精神疾患に苦しむ人達が増えています。
また、過度のストレスから職場で暴力を振るうなど色々と問題が多発しています。
このため従業員の心と体の健康を促進するために、メンタルヘルスに力を入れる企業や
行政機関がここ数年でかなり増えていますが、まだまだ一般には浸透していません。
一般の病院では従業員のためにこうした取り組みを行っているところは少ないです。
従業員のための心と体の健康管理についていえば、かなり遅れを取っていますので、
看護師さんといえども、自分で自分の心と体の健康を維持するのは大変です。
「うつ病」は人を選ばないので、「若いから大丈夫」というわけにはいきません。
20代〜30代の若い看護師さんでも発症する可能性が十分あります。
とくに即日入院や緊急処置が多くて四六時中忙しい病院に働いている場合は、緊張状態
の中で働かなくてはならないので、過度のストレスに苦しむことになります。
残業したくなくても残業しなければ毎日の業務をこなすことができません。
気がついたら、毎日のようにサービス残業していた、なんてことが日常茶飯事です。
しかも、ただ一生懸命働くだけではダメなんですよね。
休日も自分のスキルアップのために研修や講習会に参加し、最新の医療に関する知識や
看護技術を学ばなければならないわけですが、これがまた大変なんです。
レポートを後日提出しなければならないので、心が休まる暇がありませんよね。
■ストレスを放置するのは危険
このような過酷な環境で働いていれば、精神科遺伝負因がなくても「 うつ病 」を患う
リスクが常にありますので、ここで重要なのが自分をきちんと認めてあげることです。
多くの日本人が「自分はダメだ」と心のどこかで思っています。自分をきちんと認めて
あげていないので、とことん自分を追い詰めてしまいます。
これが自分に「自信」が持てない大きな原因の一つです。
しかし本当にダメな人が毎日病院で働くことができるでしょうか?絶対にできません。
例え仕事でミスをしても、自分で自分を認めてあげれば、経験として財産となります。
上司や患者さんに怒られたとしても、自分だけは「自分は良くやっている」と、認めて
あげてください。そうすることによって、徐々に自信を取り戻すことができます。
最初は難しいので、「自分を褒めてあげるふり」から始めてみてください。
うつ病の症状を初期段階で踏みとどめるためにも必要です。
自分に意識を向けて様子を見ながら自分自身に注意を向ける必要があります。
とくに真面目な方ほどうつ病を患うリスクが高まります。
強いストレスをまともに受けてしまうからです。
皮肉なことに「いい加減な人」ほどストレスを日常生活の中で解消するのが上手です。
初期の段階で注意しなければならないのが、人の目が以前にも増して気になりだした
ときです。人の目を気にしない人はいませんが、気にしすぎるのも問題となります。
■こうなったら要注意!
例えば職場で上司と同僚が話しているのを見て、「 同僚が上司に自分のことを告げ口
しているのではないか」と、いったぐあいに被害妄想に陥ってしまうのです。
何でもないようなことに思えるかもしれませんが、 こういったちょっとしたことが気
になりだし始めたら要注意です。夜眠れなくなったり、途中で目が覚めたりします。
そのまま放置すると、こうした症状がどんどん進んでしまいます。
気になりだしたら、気になることを止められなくなってしまいます。
気にしないと思っても、気になってしまいますので、もし自分にとって嫌な「記憶」に
引き戻されそうになったら次の言葉を心の中でつぶやいてみてください。
「そんな人はいない」
「いじわるな人はいない」
「邪魔をする人はいない」
これを続けていると、これまで自分にとって腹の立つことや嫌だと感じることが次第に
どうでも良くなり、そのうちこの言葉をつぶやかなくても、気にならなくなります。
■早い段階で先輩や上司に相談する
精神疾患の原因として睡眠不足、疲労困憊、バランスの悪い食事などがあげられます。
とくに睡眠不足は万病の元といってもいいほど、心と身体に悪影響を及ぼします。
まず慢性的な睡眠不足に陥ると、疲れがしっかりとれませんので、どんどん心と身体が
疲れやすくなり、なにをやるにもだるくなり、無気力な状態が続くことになります。
人は極限まで疲れると余計に不安なことを考えてしまいますので、もしこのような状態
に陥ったら、すぐに上司に相談しましょう。口で言いづらければ手紙でも良いです。
話すだけでも心は軽くなりますし、現状を人に知ってもらうことが非常に重要です。
そうしなければいつまでたっても一方的に仕事を頼まれることになります。余計にやる
ことが増えてしまい、負担が大きくなるので、歯止めをかけなければなりません。