■デイケアの施設では何が起こるかわからない!
デイケアとデイサービスを混合して考える人が少なくありません。
しかしデイケアは、日本語にすると通所リハビリテーションといい、デイサービスは、
認知症専門通所介護なので、それぞれの施設の役割は近いようで、異なります。
デイケア、デイサービスは1980年代イギリスで誕生しました。
欧米では、デイホスピタルが日本で行われているデイケアのサービスに近いです。
高齢者の老化に伴う体の機能低下をリハビリやレクレーションなどを通じて、ご家族の
介護の負担を抑えるレベルに回復させるのが主な役割となっています。
最近はデイサービスでもリハビリに力を入れているところが増えています。
このため、デイケアとの明確な違いが無くなりつつあります。
基本的にデイケアの利用者さんの大半は高齢者であるため、施設内で毎日行われている
レクリエーションなどの活動中に突発的に容態が悪化することがあります。
デイケアで働いている方の大半は介護士さんです。
当然のことながら、介護士さんは極一部を除いて医療行為は認められていませんので、
看護師さんが対応しなければならないので、どうしても臨床経験が必要になります。
そうした危険性が常にあることを意識しなければありません。
何かあった場合は速やかに他のスタッフに伝えます。看護師さんはデイケアの施設を
管理する責任者に「連絡」「報告」「相談」する義務があるからです。
■バイタルチェックが業務の基本
デイケアにおける看護師さんの役割は利用者さんの健康管理です。
日々の業務はバイタルチェックが基本となります。毎日のことなので非常に重要です。
高齢者の方にとって、季節の変わり目は気温の変化が激しいので、体調管理が難しい
です。このため利用者の体調の変化に、一秒でも早く気づかなければなりません。
そして、万一利用者が突発的に発熱を起こしたり、身体の痛みを訴えてきた場合は、
看護師さん自らが速やかに適切な処置を行わなければなりません。
服薬・配薬も重要な仕事です。配薬の段階で間違えてしまうと、服薬のさいにトラブル
となりますので、スマホの機能をフル活用して十分注意しなければなりません。
今現在、利用価値の高い無料のスマホアプリ(有料でも数百円)が沢山あります。
これらをフルに利用して、一日の仕事のチェックシートや利用者さんの特徴を管理する
ことによって、ば、かなりの割合でミスは防ぐことができますので、オススメです。
■利用者と上手に付き合うには根気が必要!
デイケアの多くが医師は常駐していません。このため利用者さんとそのご家族から色々
な相談を看護師さんが受けることになります。自分では手に負えないこともあります。
もし自分の手に負えないと判断したら、医師と相談して指定された病院へ受診してもら
うように促します。自分で何とかしようと思ってできることではありません。
そして、一刻を争うような状態にあることが明らかになった場合、ただ単に病院の手配
をするだけでなく、病院まで利用者さんに付き添うことがどうしても必要となります。
また日頃から利用者と場合によって、その家族に対して体調面や健康管理をアドバイス
することもあるのですが、悲しいことに中々聞き入れてもらえません。
看護師として培った経験と知識から、利用者にわかりやすく説明しているつもりでも、
素直に言うことを聞いてくれないこともあるので、どうしても根気が必要です。
コミュニケーションの取り方が病棟勤務にはない難しさがあります。
ここでは何よりも話を聞くことが大切なので、忍耐強く話を聞いてあげてください。
■介護の仕事をバカにしない!
反対に利用者さんによっては、看護師さんのきちんとした説明がなければ納得できない、
という人も少なくありません。いずれにしても、看護師さんの役割は重要です。
一般病院に勤務していた看護師さんからすると、 デイケアは介護、レクレーション、
リハビリが業務の中心であるため、下に見る傾向がどうしても強いです。
しかし実際にはそんなことはありません。積極的にコミュニケーションをとりながら、
施設の利用者全員の健康と安全を管理する、大変やりがいのある仕事です。
介護士さんの仕事を手伝うことも少なくないので、積極的に手伝って下さい。
そうすることによって、人間関係の素通しが良くなり、次第に働きやすくなります。