■デイサービスとデイケアの違いについて
デイサービスとデイケアを同じものだと思っている方が非常に多いです。
という私も研修で各介護施設を巡るまでは、まったく同じものだと思っていました。
しかし似ているようで、実はこれらのサービスの内容は少しばかり異なります。
日本語の名称は、デイサービス=通所介護、デイケア=通所リハビリです。
まずデイケアは本来利用者の衰えてしまった体の機能(病気、怪我、老化など)を回復
させるためのリハビリやレクレーションを中心に行なうサービスです。
ですので、デイケアを利用されているのは高齢者だけではありません。大きく分けると
老人と精神科に別れていますが、圧倒的に高齢者向けの施設の方が多いのが現状です。
基本的にデイケアでは、利用者さんの自宅から施設までの送迎をはじめ、「リハビリ」
や「レクレーション」を行い、「食事(昼食)」を利用者さん全員で取ることでます。
最近は、デイケアでも入浴サービスまで行うところが増えてきました。
施設を増やすのは膨大な費用がかかりますので、現状ある施設のサービスを増やすこと
によって、利用者さんと介護するご家族のニーズに応える形をとっています。
また施設内で他の利用者さんや従業員の方々と触れ合うことで孤独感を和らげることが
できるので、毎日の生活をより充実させながら、余生を元気に過ごすことができます。
そうすることによって、老化や認知症など高齢者特有の疾患が進むことを抑えることが
できますので、ご家族の「介護負担」を軽減することができます。
■デイサービスは介護が中心です
一方、デイサービスは要介護者の高齢者のみ利用することができます。
施設に通いながら、食事、入浴、レクレーション、健康管理、日常動作訓練などを行う
介護サービスです。デイサービスの方が利用者家族の介護負担を軽減できます。
週に1〜2回程度デイサービスを利用することによって、沢山の人たちと触れ合うこと
ができるので、寝たきりの予防や認知症の進行を抑えてくれます。
最近では、宿泊サービスを提供している施設が少しずつ増えています。
とはいっても、介護保健法の適用対象外の人は宿泊できません。
施設側が仮に、介護保健法の適用対象外の人を宿泊させる場合は、旅館業法を満たさな
ければならないので、あくまでも介護保健法の適用対象者のみのようです。
大抵こうしたサービスを提供している施設では、実際に施設を利用されている方のみ、
こうした宿泊サービスを提供しているのですが、ほとんどボランティアに近いです。
「お泊りデイサービス協会」が提供しているサービスは、1回の宿泊料金が1000円
ですから、本当に介護に疲れているご家族にとっては大変素晴しいサービスです。
「お泊りデイサービス協会」
http://www.otomariday.com/info/
これなら、旅行なども気兼ねなく行くことができるので、これまでプライベートを犠牲
してまで。介護に励んできた、ご家族にとって非常にありがたい存在ですよね。
何といっても1泊1000円ですから、お財布にも優しいので、介護するご家族の負担
も経験できます。こうしたサービスが今後さらに広がることを期待しています。
■デイサービス看護師の仕事について
デイサービスでの看護師さんの仕事についてですが、デイケアと同じく「医療行為」を
行うことはほとんとありません。基本的にバイタルチェックが中心となります。
医療でも介護でもバイタルサインの確認は重要な仕事です。
高齢者さんは、容態が急変することが珍しくありません。
いち早く患者さんの容態の変化に対応できるようになるためにも、コミュニケーション
技術とバイタルチェックの質を同時に高めなければなりません。
デイサービスの看護師さんの仕事はデイケアと同じで、どちらかというと「看護」より
も「介護」の仕事に近いです。また医療行為に関しては、ほとんど行いません。
もし仮に利用者さんが急に具合が悪くなったとしても、即施設から自宅に戻されるか、
症状によっては救急車を手配して病院に搬送されます。その時は搬送します。
ただし最近のデイサービスはより利用者目線のサービスを提供するところが増えている
ので、中には看護の仕事を行うところもありますが、それはごく少数です。
デイケアと異なり、デイサービスでは夜勤があるところもあります。
公にしていないため、本当に最低人数を預かる程度です。
また、基本的に夜勤といっても、やることはほとんどありません。
一般病院での夜勤は非常にハードですが、この点に関しても比較になりません。