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■デイサービスの機能訓練


基本的にデイサービスでは、要介護認定(1〜5)を受けた高齢者さんの食事、入浴、排泄などの介助だけでなく、心身の機能回復を目的にリハビリも行っています。


このため、デイサービスとデイケアとを混合されてしまうケースが少なくありません。リハビリを行なうためには、専門の機能訓練員を雇用しなければなりません。


施設によっては人材不足のため看護師さんも機能訓練員として雇用されます。


過去にリハビリを行った経験がない看護師さんもいると思います。


色々戸惑うことも多いかと思いますが、慣れれば問題なく対応することが出来ます。


リハビリを通じて、利用者さんとの距離が縮まり、信頼関係を築くことができます。


病院勤務では到底出来ない手厚い対応を自ら行なうことができます。




■デイサービスで機能訓練を行える資格とは?


基本的にデイサービスは、デイケアと異なり、リハビリを専門的に行っている施設ではありませんが、それでも「機能訓練員」を最低1名は配置しなければいけません。


機能訓練員としての該当資格は以下のとおりとなっています。


●理学療法士

●作業療法士

●言語聴覚士

●看護師・准看護師

●柔道整復師、

●あん摩マッサージ指圧師



小規模デイサービスは、少数精鋭で施設内の業務をまわさなければなりません。


このため、看護師や准看護師が看護の仕事だけでなく機能訓練員の仕事も行なうことを条件に雇用されるケースが少なからずありますので、この点は注意してください。


言った言わないでもめることのないように、しっかり確認しましょう。


一方、ある程度規模の大きなデイサービスは、ある程度職員の数に余裕をもたせなければならないので、必要な資格をもった「機能訓練員」が配置されています。





■デイサービスの機能訓練とは?


基本的に理学療法士や作業療法士が専門的に機能訓練を行っているデイサービスでは、看護師さんが直接「リハビリ」に関わる機会は少ないでしょう。


ちなみに、デイケアではリハビリを専門に行う職員が常駐しています。


次にデイサービスで行われる機能訓練についてですが、主な内容は以下の通りです。


●関節可動域訓練

●筋力強化

●歩行練習

●ADL訓練


これらはリハビリ計画をたてたうえで一定時間、個別に行います。


また、集団体操や食事前の口腔体操、頭の体操としてレクレーションを行います。


利用者さんにとって大事な機能訓練の一環で、これを楽しみにしている方も多いです。


施設によっては、リハビリに力を置いている所も少なくありません。


筋力強化やバランス向上のためのマシーンが設置されています。





■全てのデイサービスが機能訓練を行っているわけではない?


デイサービスでは、必ずしもリハビリを行なわなければいけないわけではありません。しかし、リハビリを行なうデイサービスの施設が増えています。


とはいっても、リハビリを行っている全ての施設で専門の職員が専門的に利用者さんのリハビリを行なっているわけではありません。この点もかなりのデメリットです。


それぞれ異なる資格を持つ従業員が、掛け持ちで複数の仕事をこなしていることから、看護師さんも「機能訓練指導員」として、利用者さんの機能訓練をサポートします。


デイサービスでのリハビリテーションについては意見が別れています。


リハビリテーション = 機能訓練という意見と、「理学療法士」または「作業療法士」が医師の指示に従って行うことをリハビリテーションとする両方の意見があります。


ケアマネージャーさんが作成した「通所介護計画」には、「機能訓練計画」が含まれていることもありますので、最初は抵抗があると思いますが色々と学ぶことが多いです。





■利用者さんの機能訓練で難しいのは評価と計画


デイサービスの「機能訓練」として最も中心となる「平行棒歩行」や「手指訓練」などに関しては、臨床経験のある看護師さんなら特に問題なく指導することができます。


しかし「関節可動域訓練」に関しては難易度が高いので注意が必要です。


健康な人が普通に体を動かす状態を10とし、その7割程度の「関節可動域訓練」なら時間をかければ十分できると思いますが、 それ以上となるとやはり厳しいです。


そしてそれ以上に難しいのは「評価」と「計画」です。


評価に関しては、やはりすぐには難しく、時間をかけて経験を積むしかありません。


計画は目標と訓練内容の決定が難しいです。「理学療法士」もしくは「作業療法士」がいない場合は、看護師さん一人で対応しなければならないので大変です。





■利用者さんと二人三脚で行う


利用者は要介護の高齢者さんが中心ですので、「不活動筋」となった筋肉をどうやって活性化させるかが重要なポイントとなります。一朝一夕では上手くいきません。


「不活動筋」を活性化させることができれば、長きにわたって「車椅子」を利用されている方でも「介助歩行」までに衰えていた機能を向上させることが出来ます。


機能訓練を行ううえで大切なのは、いかに利用者さんの問題点を素早く見つけるかです。例えば「歩行障害」の利用者さんを担当していると仮定します。


「原因は?」「筋力の問題なのか?」「バランスの問題なのか?」「疾病?」といった
具合に一つ一つ問いかけていきながら、利用者さんの問題点を探していきます。





■どうやって色々なことを学ぶのか?


施設内に具体的に機能訓練を教えてくれる人がいないケースが少なくありません。不安な表情を浮かべていたら利用者さんも不安になり、訓練を放棄するかもしれません。


固くならずあたりさわりのない雑談を楽しみながら訓練すると良いでしょう。


自分で勉強することになりますが、やはり本が有効です。本は一般向けの物から専門書まで沢山ありますが、出来るだけ分かりやすい物を選びましょう。