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■介護老人保健施設とは?


介護老人保健施設は、要介護認定(1〜5)を受けた65歳以上の方が入居対象です。また、介護老人保健施設を略して老健と呼ばれることが多いです。


介護老人保健施設は、看護師や理学療法士、作業療法士、栄養士といった従業員が利用者さんの生活を支えながら、自宅復帰をサポートすることを目的としています。


また介護老人保健施設は、「介護保険法」に基づく開設許可を得た介護保険施設です。


介護老人保健施設の主な事業内容についてですが、自宅復帰を前提にしていることから、リハビリテーションをはじめ様々な機能訓練、看護といったサービスを提供しています。


また介護老人保健施設は「特別養護老人ホーム」のような終身制ではありません。


3ヵ月に1回のペースで退所可能か判断するための検討会議が行われます。


このため、早くて3ヵ月、長くても1年以内に入居者の多くは退所します。


同じ介護保険施設である特別養護老人ホーム(特養)に比べて定員数の伸びは緩やか。


高齢社会が急速に進んでいるため、特別養護老人ホームの入居待機は右肩上がりで増え続けているのですが、介護老人保健施設は緩やかな上昇にとどまっています。


老健は、在宅復帰を目的とした施設であるため、定員数が急激に増えていません。


しかし、介護老人保健施設を退所してから入居するケースが多い「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」の数は特養同様に右肩上がりで増え続けています。


これらの施設が介護老人保健施設を退所して後の、その受け皿として機能しています。




■介護老人保健施設は増える?


介護老人保健施設の利用者さんの多くが、住み慣れた家に戻ることを大前提にリハビリなどを行うわけですが、大抵の利用者さんは、長期間にわたって入所します。


本人の意思だけでなく、介護するご家族の意向もあって、退所後に入所する施設の確保まで時間がかかることもあってか、3ヶ月で退所するケースは少ないです。


上述したとおり、依然として介護老人保健施設の入所待機者はゆるやかに増えてますが、特養ほどではないため、今後急速に施設が増える可能性は低いとされています。


このため、介護老人保健施設での看護師さんの求人が劇的に増えることはなさそうです。


しかし、今後も看護師さんの需要は微増ながらも増えていくことが予想されます。





■こんな看護師さんを求めてる


介護老人保健施設では、一般病院とは異なり、利用者さん一人一人に向き合いながら、看護サービスを提供するので、生活をサポートする役割を果たすことが出来ます。


施設内では、より深く利用者さんと接することになります。


ですので、 お年寄りと接することがまったく苦にならず、 介護老人保健施設のような介護施設で看護師として働くことに興味のある方にとっては、大変魅力的な職場です。


臨床経験がある看護師さんは、仕事上これまで沢山の患者さんと接してきた経験がありますので、施設にて利用者さんと接するのはそれほど苦にはならないと思います。


しかし、高齢の利用者さんとのコミュニケーションは、また違う難しさがあります。


高度なコミュニケーション技術ではなく、「聞く力」が求められます。


より忍耐強く利用者さんの話に耳を傾けてしっかり聞かなければなりません。





■他の仕事を兼務しながら働くことが求められます!


老健での看護師さんの仕事は、バイタルサインのチェックをはじめ、利用者さんの健康管理から排泄介助、食事介助、入浴介助など生活面をサポートするのが仕事です。


介護老人保健施設の看護師の最大の役割は、利用者の急変時に適切に対応することです。ですので、利用者さんの急変時に適切な対応ができるようにしなければなりません。


医療行為そのものは少ないですが、普段から利用者さんの観察・記録が非常に重要です。


利用者さんと接しながら、「普段と様子が違う」、「体調が優れていないな」といったことを判断する力がどうしても求められますので、看護師としての臨床経験が必要です。


特に夜勤がある施設の場合は、より「判断力」が求められます。


このため、施設側は病棟勤務が3年以上ある看護師さんを求める傾向が強いです。


また、ご利用者一人一人の状態を把握し、病態や処置方法の基礎を理解することも重要ですので、病棟勤務よりも楽だろうと、たかをくくっている痛い目にあいます。


どこの施設も少数精鋭で複数の役割を兼務しているため、看護師さんがリハビリを担当することもありますし、とにかく協力しながら業務を回さなければなりません。





■施設で生涯を終える利用者も多い!


介護老人保険施設は、高齢により「食事」や「排泄」などを自分で行えない人達の生活をサポートすることを目的にしているので、基本的に長期の入所が認められています。


実際に入所されてから生涯に渡って施設内で過ごす人も少なくありません。


入所期間はそれほど長くなくても、その間に亡くなられる方がいます。


高齢であるため、昨日まで元気だった人が突然死を迎えるケースもあります。


死を迎える瞬間をも目の当たりにすることがありますので、看護師さんが果たす役割は非常に大きく、介護士さんをはじめ、施設の職員さんから頼られることも多いです。