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■名前は似ていても同じものではない


「介護老人保険施設」と「介護老人福祉施設」の違いについてお分かりでしょうか?


こうして文字を並べると「保険」と「福祉」が違うだけなので、ついうっかりして同じ
ものと勘違いしてしまいますよね。しかし事業の目的はそれぞれ微妙に異なります。


今現在「介護老人保険施設」と「介護老人福祉施設」の両方の施設で沢山の看護師さん
が働いているのですが、高齢化社会が進む中で施設自体が不足しています。


そして、施設で働く職員の大半が介護士さんが占めているため、看護師さんの数は比率
からいうとそれほど多くありません。このため求人の数も限られています。


しかし、多くの施設で看護師さんの確保に頭を痛めている状態なので、チャンスはあり
ますが、病棟勤務とは仕事が異なりますので、戸惑う方も少なくありません。


ちなみに、平成24年の段階で看護師さんが最も多く働いているのが「病院」です。
これは今後も変わることはないでしょう。内訳については以下の通りとなっています。



(1)病 院        747,528人

(2)クリニック(診療所) 125,782人

(3)介護施設        62,495人



そして、平成24年度の段階で看護師の人数は1,015,744人となっています。
また男女比率に関しては、平成26年度の段階で男性が8%にまで増えています。


介護施設で働いている看護師さんは、6万人程度ですから、求人お数も限られてしまう
ため、簡単に就職できるというわけにはいきませんが、チャンスはあります。





■主な事業目的について


まず「介護老人保健施設」は、要介護認定を受けている利用者さんが、自宅での介護が
可能となるまで一時的に施設に滞在し、医師の指示に従ってリハビリなどを行います。




「介護老人保健施設」のメリット・デメリット



介護老人保健施設は、医療に関するサービスが充実しています。


介護認定で、要介護1〜5の方が利用できます。


しかも。、利用料が比較的安い(月額10万円前後)ので人気も高いです。


しかし、自宅での介護に復帰することを前提としていますので、機能回復訓練を受けた
のちに検討会議で退所可能と判断されれば速やかに退所しなければなりません。


「平均在所日数」が1年未満で、実際には3ヶ月から半年程度入所可能となってます。
介護老人保健施設は、非常に魅力的ですが、長期入所が困難な点がデメリットです。




「介護老人福祉施設」のメリット・デメリット



一方、「介護老人福祉施設」は、いわゆる特別養護老人ホームのことです。要介護認定
を受けられた利用者さんらが食事、入浴など「生活の場」として利用します。


施設内で機能訓練など幅広い介護サービスを受けることができます。


同じく介護認定で、要介護1〜5の方が利用できます。


介護老人福祉施設は、利用料金が格安なので入所希望者が非常に多いうえに施設が足り
てません。このため、入所できるまで数年待ちというのがザラです。


入居を申し込む前に待機人数や待機期間などを事前に施設に確認しましょう。





■介護老人保険施設の主な特徴


介護老人保健施設は、利用者さんが自宅で無理なく介護できるレベルにまで回復させる
ことをサポートするのが主な目的であるため、医師が常駐しているところもあります。


また看護師さんに関しては、24時間体制で配置することを義務付けられています。


このため、看護師さんも夜勤がありますが、病棟での夜勤と比べると肉体的にも精神的
にも負担が小さいので、働きやすい環境にありますが、決して楽ではありません。


介護老人保健施設では、利用者さんの自立に必要なリハビリを常時行います。


このため 理学療法士や作業療法士も常勤で勤務している施設が多く、利用者さん100人
に対して、介護職員が24人以上、看護師さんが10人以上と定められています。





■介護老人福祉施設の主な特徴


介護老人福祉施設では、 介護職員は利用者さんが100人に対して31人以上、看護師さん
に関しましては、利用者さん100人に対して3人以上と定められています。


基本的に施設の運営に関して24時間制の義務はありません。


このため夜勤のない施設も少なくありません。


しかし、利用者さんの多くが高齢者であるため、不測の事態に備えて施設からいつでも
連絡できるよう、24時間連絡体制をとることで緊急時に対応できるようになってます。


医師に関してですが、常勤医だけでなく、非常勤医師でも認められます。


またリハビリに関しては、必要に応じて行っている施設もあります。