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■介護老人保健施設の主な目的


介護老人保健施設は利用者さんの「 在宅復帰 」を主な目的としております。そのために
リハビリを中心に介護を行っているわけですが、施設内では当然医療行為を行います。


この点がデイサービスなど、他の介護施設と異なる点です。


このため老健看護師として働くには、病棟勤務の経験がどうしても求められます。


基本的に介護老人保健施設では日勤が中心となります。また医師が常駐しているところも
多いので、老健看護師さんは医師の先生との連携することが非常に大切です。


介護施設の代表である「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」は、日勤・夜勤の両方
がありますが、施設によっては日勤のみのところも少なくありません。


介護老人保健施設も日勤・夜勤もあり、介護施設と病院の中間といったところです。





■介護老人保健施設での働き方について


介護老人保健施設は、医師が常駐しているところが多いです。


このため24時間体制で看護サービスを提供していることから「夜勤」があるわけですが、
他の介護関連施設よりも配置されている看護師さんの数が多いのが特徴です。


このため他の介護施設よりも看護師求人の数が多いとされています。


リハビリを主な目的としていることから「理学療法士」や「作業療法士」が常駐している
ケースも少なくありません。このため施設内は必然的にスタッフの数が多くなります。


ですので、老健看護師さんは利用者さんが健やかに安心して過ごしていただくためにも、
「 介護スタッフ 」の方々としっかり連携を取ることも非常に重要です。





■老健看護師のやりがいとは?


介護老人保健施設で働く看護師さんの「やりがい」についてですが、やはり利用者さんが
施設内で一生懸命リハビリを続け、家族が待つ自宅へ帰ることが出来た時だそうです。


残念ながら利用者さんのご家族の中には、自宅復帰に消極的な場合が少なくありません。
また思ったように利用者さんのリハビリが進まないケースも多々あります。


そうした厳しい状況にありながら、利用者さんが自宅復帰が出来るまでに機能が回復し、
ご自宅に戻られる方を見送るときは、やはりこみあげてくるものがあります。


こういったことを他のスタッフと共有できる喜びという点も大きな魅力となります。





■介護士と看護師の仕事の分業化が後退する?


法改正によって2012年4月より、介護士さんも一部医療行為が解禁になりましたが、
介護施設はどこも人材不足のため、法改正以前から一部の医療行為を行っていました。


これまで暗黙の了解とされていたことが、法によって明文化されました。


ちなみに現在介護士さんが行える医療行為は以下の二つです。


(1)たんの吸引(咽頭内は原則禁止)

(2)経管栄養(胃瘻・腸瘻・経鼻経管栄養からの注入)


登録研修機関で研修を受けて、認定証を交付された介護士のみ上述した医療行為を行える
のですが、これに以下の条件がプラスされますので、かなり窮屈な印象を受けます。


●「医師・看護職員と介護職員等との連携体制が確保されている場合に限り」

●「本人(ご家族)の同意が必要」

●「医療者による監督の下」


しかし残念ながら介護士さんの中で受講される方は期待していたほど多くないようです。


法改正前も浣腸や摘便まで介護士さんが行っているケースが少なからずありましたので、
研修を受けることで、自分の役割が増えることを警戒しているのかもしれません。


これまで医療行為を行えるのが医師や看護師だけというのは、介護関連施設の度を超えた
「人手不足」な状態をみれば、どう考えても無理がありすぎました。





■介護関連施設へ安易に転職すると後悔する?


本来であれば看護師さんと介護士さんの仕事は明確に分業されるべきなのですが、ご存知
のとおり多くの施設が人材不足に陥っているため、あれもこれもごっちゃになっています。


しかも2014年の介護報酬改定にともない、今後さらに人材確保が難しくなるとされて
いるだけに、介護老人保健施設などで看護師として働く場合は注意が必要です。


本来であれば介護関連施設における看護師さんの仕事は利用者さんの健康管理です。


バイタルサインのチェックをはじめ服薬管理、点滴、浣腸、摘便などの医療行為や突発的
な怪我や急変した場合の対応などを行うだけでも仕事量としてはかなりの量です。


しかし、きちんと分業されていない施設では、これらに加えて介護の仕事を手伝わされる
ケースが少なくありません。その結果として余計に看護師さんの負担が大きくなります。


しかも、利用者さんだけでなく、従業員(パートなどを含む)の健康管理まで行わなけれ
ばならない施設もあり、こうなると、とても看護師さんだけでは対応出来ません。


もし転職を考えているのであれば、求人先の労働条件をしっかり把握して下さい。


介護の仕事をするために介護関連施設に転職するのであれば問題はありません。


しかし、大抵の方はそうではありません。病院で長らく働いていた看護師さんが介護関連
施設へ転職しても、上述した理由から仕事があまりにも過酷なため辞めてしまいます。


また、お給料もどうしても、医療機関で働くよりも低くなってしまうので、施設であれば
どこでもいいと安易に転職してしまうと後悔することになるので要注意です。


純粋に看護の仕事のみ行いたいというのであれば、やはり医療機関で働くのがベストです。