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■介護士と看護師の違いについて


介護の資格として介護福祉士があります。短期の集中講座などで介護技術や福祉に関する
知識を学びます。介護福祉士は国家資格ではないので、受講完了後に資格が付与されます。


医療に関する知識も少しだけ学びますが、基本的に介護施設では介護中心に業務を行ない
ますので、介護士さんができない医療的なケアを看護師さんが行います。


また医療に関する基本的なことや利用者さんの身体異常の判断の仕方などを介護士さんに
教えたり、医療機関との連絡役をするのも看護師さんの重要な仕事です。


病院での看護師さんの仕事は看護が中心ですが、介護施設ではバイタルサインのチェック
など、利用者さんの健康に関する補助的な役割が中心となっています。


また利用者さんの日常生活における様々な介助(食事、入浴、排泄など)も行いますので、
この点に関しては、かなり介護士さんの仕事とかぶりますので、協力する形で行います。





■介護士と看護師の違いについて


介護老人保健施設では、介護士さんと看護師さんが一緒に働きます。


しかし、介護士さんと看護師さんの違いは一般の人達には分かりません。


両方とも同じような仕事をしているため、誤解されているようです。


しかし、これから介護老人保健施設で「老健看護師」として働くことを検討されている方
が、介護士さんの仕事について理解していないと入職した後に困ってしまいます。


介護士さんと看護師さんの違いについてですが、大雑把に言うと看護師さんは医療行為を
行うことが出来るのに対して、介護士さんは一部をのぞいて行うことが出来ません。





■介護士さんも医療行為ができるようになる?


基本的に看護師さんは介護士さんの仕事を行うことは出来ますが、反対に介護士さんは
看護師さんの仕事(一部を除く)を行うことが法的に認められていません。


「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部が改正され、2012年から痰の吸引や経管栄養の
一部の医療行為が一定の条件のもとで、 介護士さんでも行えるようになりました。


介護施設では看護師さんも介護の仕事を要求するところが少なくありません。


ちなみに介護士さんと看護師さんの給料を比較した場合、圧倒的に看護師さんのお給料
の方が高いです。このため雇用する側も介護士さんを積極的に採用しています。





■介護士と看護師の給料(年収)の差について


介護施設で働く看護師さんと介護士さんのお給料についてですが、ほぼ同じような仕事を
しているわけですが、看護師さんの方がお給料(年収)は圧倒的に高いです。


基本給の設定から違います。看護師さんの場合は学歴(看護学校、短大、大学)によって、
多少差がありますが、初任給の基本給が20〜23万円からスタートします。


また夜勤がある施設では看護師さんの夜勤手当は介護士さんよりも高めに設定されていま
すので、手取りで22万円〜25万円程度となり、これにボーナスがプラスされます。


介護施設で働く看護師さんの年収は400万円前後ですが、一般病院で働く看護師さんの
平均年収が470万円から520万円程度であることを考えると、かなり差があります。


次に介護士さんの、お給料(年収)についてですが、基本給が15万円から20万円程度
です。これに夜勤や各種手当が付いて手取りで15万円から18万円程度となります。


これにボーナスがプラスされるので、270万円から300万円が一般的とされています。
施設によって多少の差はありますが、この枠から大きく出るのは少ないです。


看護師さんと介護士さんの年収を比較した場合、看護師さんのほうが100万円以上多い
わけですが、やはり「基本給」と「夜勤手当」の差が大きいようです。


特別老人ホームなどでは、夜勤だけでなく、当直がある施設も少なくありません。


夜勤が4〜5回、当直が2〜3回程度あります。夜勤だけの場合でも、6〜8回あります。
手当だけでもかなりの額になります。ですので、手当だけでも年収で大きな差がでます。


看護師さんと介護士さんの月給、年収の差がここまであるのは、資格と業務の内容です。
看護師さんは「業務独占資格」によって医療行為を行うことが法的に認められています。


例えば、注射や点滴などの医療行為は資格がなければ行なうことができません。


これらの行為が行えるのが看護師さんの国家資格です。その資格の差は大きいです。


上述した介護福祉士の価格は介護士として働くために必ずしも必要な資格ではありません。
ただし、身銭を切って介護や福祉について学ぼうとする姿勢は施設側に好印象を与えます。


2014年度に介護報酬が引き下げられることとなり、介護施設で働く従業員一人当りの
負担が大きくなることが予想されます。これまで以上に連携することが大切です。





■仕事になれるまでは我慢!!


介護士さんは基本的に給料が低いので、夜勤などでカバーするケースが多いです。


こうした点に関しては、病院で働いている看護師さんと似た側面があります。


当然のことながら介護老人保健施設は事業目的が介護ですから、施設内で勤務する職員の
大半は介護士さんです。ですので、介護士さんと連携して働かなければなりません。


しかし、介護施設にも病院と同じく目に見えない「カースト」があります。


介護士さんの間でも「派閥」があったりして、慣れないうちは「いじめ」と思われるかも
しれませんが、仕事になれれば問題ありませんので、ご安心ください。


医療行為そのものが減るので病棟勤務が長かった人からすると物足りないかもしれません。
しかし、高齢者の生活と健康を管理する重要な仕事なので、やり甲斐は十分あります。