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■仕事もリハビリ期間が必要です


看護師さんに限らず、一般の会社に勤務されている会社員の中にもうつ病を患いながら、働いている方は沢山いらっしゃいますので、心配する必要はございません。


しばらく療養するために休職される方もいれば、完全に退職してから療養に専念される方もいます。しかしあまりにも長期化すると復職する意欲はどうしても低下するようです。


長期間療養されて再就職されるのであれば、いきなり常勤で働くのは難しいです。


「うつ病を再発させてしまったらどうしよう」という思いが意識の中にあるからです。


やはり同じような環境にある職場で働くとなると再発するリスクは高いです。





■焦らず少しずつ慣れていく


いきなり前職とおなじように働こうとすると心と体が苦しくなります。


無理しないで少しずつ慣れていく必要があります。


いきなり、常勤看護師として復職して常勤で夜勤と日勤をこなすとなると大変です。


病気を回復している過程で、無理してしまうと再発する可能性が高いです。


無理をせず、おおらかな気持ちで少しずつ慣れていったほうが、無理なく仕事や職場環境に慣れますし、病気に対する対処法も心と身体の反応を伺いながら身につけられます。


ですので、もし再就職するのでれば、病棟勤務にこだわるのではなく、仮にフルタイムで働いても「うつ病」になりにくい職場を選んだほうが長期間にわたって働けます。


パート・アルバイトなど非常勤であれば毎日働く必要はありません。


最初は週1〜2日程度働くようにして、心と体が慣れてきて、「もう大丈夫」と確信してからフルタイムで働くようにすれば、再発リスクを大幅に抑えることができます。





■無理する必要はない


療養期間中は、大変な思いをしたわけですから、うつ病になった経験をムダにしないためにも、出来るだけ日常生活でストレスをためないように注意すべきです。


しかしながら職場の人間関係だけは自分で変えることはできません。


深くかかわろうとしてはいけません。人は人と割り切る必要があります。


「こんなことを考える人もいるんだな」と思っていればいいんです。


深くかかわろうとすることが、かならずしも良い人間関係を築けるわけではない、ということを知るべきです。誰とでも仲良くしようとすると大きなストレスとなります。


ですので、無理して仲良くしようとするのではなく、距離を取ることも大事です。


どんなに自分で注意していても向こうからトラブルを持ち込んでくることもあります。


自分のことのように心配して、取り組んでしまうと心に大きな負荷がかかります。


心配しすぎるのが一番良くないので、いい意味でいい加減になる必要があります。





■うつ病の再発リスクについて


うつ病を患いながら限界まで働き続けてしまうケースが少なくありません。


そうした仕事に対して真面目で責任感の強さが、うつ病へと追い込んでしまいます。


できるだけ早い段階で友人や職場の上司など身近な人たちに相談するべきなのですが、うつ病であることをひた隠しながら無理に無理を重ねてしまいます。


その結果として、長期間に渡って療養することになってしまいます。


うつ病の症状が安定しても、再発する可能性が高いので注意が必要です。


かなり重度のうつ病を患いながら、その後に再就職される方も沢山いますが、その反面、うつ病の再発リスクは非常に高く、一節には60%以上とされています。


しかも、一回再発すると2回目の再発率はさらに高まってしまいますので、要注意です。





■長期療養が出来ない理由とは?


発症しているうつ病の症状を改善することを優先的に取り組みます。


具体的には専門医の指導にしっかり従い、日常生活を少しずつ改善しながら「薬物治療」などでうつの症状を改善していきます。ここで焦って回復を急ごうとすると失敗します。


焦らずにマイペースで自分と向き合いながら、自分のペースで取り組無必要があります。


しかし休職している場合、うつ病の症状が中々治まらないにもかかわらず、生活面を優先せざるえない状況にあるため、長期的に休むことができないケースが少なくありません。


そうした場合、うつ病が回復していないにもかかわらず、職場に復帰してしまいます。


しかし、薬を服用していることで何とかうつ病の症状を抑えているだけなので、無理して働くと最悪の場合、うつ病の症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。


ですので、職場に復帰しても同時にうつ病治療を進めなければなりません。


もし異変に気づいたら、どんな些細なことでも職場の上司に報告し、すぐ病院へ行かせてもらえるようにします。しかし、そこまで理解のある職場は少ないのが現状です。


復帰前に医師に相談したうえで、医師の了承している範囲内で働く必要があります。





■うつ病の予防策について


うつ病を患う人の特徴として、人に相談せずに自分だけで何でも問題を解決しようとする点があげられます。ですので、一度ネガティブな方向へ振れてしまうと長引きます。


またうつ病を患っていることを知られたくないことから、家族や友人にも打ち明けない方も少なくありません。孤独な中でさらに自分を追い込もうとしてしまいます。


ですので、同じような悩みを抱えている人達が参加するコミュニティに参加されることをおすすめします。幸いにも今現在そうしたコミュニティはウエブ上に沢山あります。


うつ病を患った経験のある人達をサポートするNPO法人主催の支援サービスを受けるも一つの手です。とにかく一人で悩まないことがうつ病の「再発予防」につながります。


うつ病を患った人を、世間では心が弱いと見る傾向が強いですが、実際には逆です。


心が強いからうつ病を患うまで自分を追い込んでしまうのです。


しかし、うつ病から回復する過程で自分の限界を知り、人の痛みが深く理解できるようになります。これは大きな強みですし、医療や介護が求めている優しさでもあります。


チームの組織力の強化や職場の環境を改善するうえでも大きな力となります。