■企業看護師の需要は業種によって異なる
企業看護師の仕事は会社の従業員の保健指導だけではありません。
年々多様化していまして、製薬会社などの治験の仕事も企業看護師の仕事です。
ただし、医薬品の開発に携わる企業は数に限りがあり、人気も非常に高いです。
募集がかかると応募が殺到するので、治験関連の仕事に就くのは難しいです。
一方、従業員の心と体の健康を配慮して医務室や健康管理質を設ける企業が、中小企業
の間でも増えていますので、今後も企業看護師の求人が増える可能性が高いです。
企業の医務室で企業看護師として働く場合、従業員の生活習慣や、食事習慣などの保健
指導するのが主な仕事です。病棟勤務とはまた違った難しさがあります。
最近ではメンタルヘルスの重要性が高まっているので、従業員の心のケアも今後は重要
な仕事となります。企業看護師の役割はさらに大きなものとなるでしょう。
■企業看護師は収入面でも魅力が高い!
また、企業の医務室や健康管理室で働く場合のお給料についてですが、あくまでも会社
の一社員として働くので、当然のことながら会社によってお給料の額は異なります。
夜勤がないので総支給額でみれば病院で働いていた時よりも少ないかもしれませんが、
日勤のみの仕事であることを考えると、お給料はかなり高めに設定されています。
また、大手企業は従業員の労働に対する評価基準がしっかり設けられています。
昇給に関してもきちんと反映されますので、仕事に対するやりがいもあります。
病院で働く看護師さんも仕事にやりがいを感じ、看護師として誇りを持って働いている
方も多いですが、その反面仕事に苦しめられている看護師さんも多いのが実情です。
病院で正職員として働く場合、毎月夜勤を一定の回数こなさなければなりません。
変則勤務によって生活が乱れてしまい、休日は体を休めるだけの方も多いです。
一般企業の医務室で働く場合、体力的にも精神的にも余裕を持って働けます。
■楽しみながらスキルアップを目指せる!
病棟勤務で培った看護ケアに関する技術や知識は直接的に生かす場は少ないかもしれま
せんが、病棟勤務とはまた違った仕事に対するやりがいを見出すことができます。
一般企業で企業看護師(産業看護師)として働く多くの方が、日本産業衛生学会が主催
する認定資格である産業カウンセラーや認定産業看護師などの資格を取得しています。
いずれも従業員の心と体の健康を促進するために必要な資格です。仕事に生かせるので
スキルアップすることを楽しみながらできるのも大きな魅力です。
■安易に企業看護師に転職するのは危険!
一般企業で働く看護師さんは、夜勤がありありませんし、「完全週休二日制」で土日祝日
が休みの所が多いので、プライベートを充実できるといったメリットが色々あります。
しかし、安易に転職を試みるのは危険です!。企業看護師の仕事は従業員の「健康管理」、
「健康指導」が基本であるため、どちらかというと保健師さんの仕事に近いです。
このため長期間働くことによって、それまで身につけた医療や看護の知識や技術は離れて
いきますので、再び病棟勤務に戻ろうと思っても、いくつかの壁にぶち当たります。
まず、医療の世界は常に進化することが求められています。
そのスピードは他国(主にアメリカ)が牽引する形で年々増しています。
数年も医療の現場から離れていれば、医療機器や医薬品の取り扱いに困惑することが多く、
常勤で働くのであれば、色々勉強しなおさなければならないので、かなり大変です。
治験関連の仕事であれば、病院との接点も多少あるため、それまでの経験を生かせるので、
病棟や外来の仕事に戻るさいに、多少壁は小さくなりますが、それでも色々大変です。
また、企業看護師の仕事は病院の仕事ほど「充実感」は感じないかもしれません。
これはどちらの仕事が優れているといったことではありません。例えば病院では、様々な
疾患や怪我を負った患者さんが訪れ、しっかり回復するまでケアします。
そこまでの道のりは決して平坦ではありません。色々難しい面もありますが、患者さんが
回復していく過程を肌で感じることができます。これが一つの大きな喜びでもあります。
こういったことは一般企業の医務室や健康管理質の仕事では決して多くありません。
この点に物足りなさを感じる方も少なくありません。上述した点を考慮したうえで、それ
でも一般企業で働いてみたいと思うのであれば、ぜひチャレンジしましょう。
■働きやすい環境も人気の秘密!
繰り返しになりますが、一般企業では完全週休二日制のところが多いです。
しかも土日祝日が休みですから、1年365日営業している病院で働いている看護師さん
からすると企業看護師は、大変恵まれた環境で働いているといえます。
何と言っても日曜日や祝日を休むために、いちいち看護師長に提出しなくても済みます。
上司や先輩から嫌味を言われること無く、堂々と休めるのは魅力に感じることでしょう。
また、勤務時間に関しても、病院のように超過勤務もほとんどありません。
今現在、病院やクリニックなどの医療機関だけでなく、福祉や介護施設などで働いている
看護師さんの中にも、企業看護師になりたいと思っている人は少なくありません。
しかし、一般企業で働くよりも病院や施設で働く方が向いている人もいます。
やはり、それぞれ向き不向きがどうしてもあるようです。
こうした点については、客観的な判断が求められるわけですが、自分ではそれができませ
んので、「看護師転職サイト」を利用して相談されることをオススメします。
看護師としての可能性を広げるためにも、看護師転職サイトの利用は最適です。