■企業内医務室で働く裏事情について


企業の医務室勤務の求人は看護師さんだけでなく、保健師さんを募集しているケースも
少なくありません。また求人によっては両方を同時に募集しているケースもあります。


しかし、実際に医務室で働けるのはせいぜい常時2〜3人です。


欠員がでたことによる募集であれば採用される人数には当然限りがあります。つまり
こうしたケースは応募条件の枠を広げることで良い人材を確保しやすくしています。


このため最終的には看護師と保健師のいずれか1人を採用することで落ち着きます。


実際に企業の医務室で働いている看護師と保健師では役割が微妙に異なりますが、
その差はそれほど大きくありません。仕事内容や待遇面ではほとんど変わりません。


企業によっては看護師の方が多かったり、反対に保健師の方が多いケースもあります。
しかし、先に述べた通り医務室で働けるのはせいぜい2〜3人です。


この点に関しては特別気にするようなことではないかもしれませんが、もし看護師の方
が多いのであれば、看護師をより求めている企業であると判断することはできます。





■看護師と保健師、採用されやすいのは?


看護師と保健師の仕事の違いについて簡単に説明させてください。


看護師の仕事は、医師が患者さんの診察や治療を行なうさいのサポートを行います。


具体的には「血圧、体温、脈」などの測定及び検査、「注射、点滴、採血」など治療に
関するなサポートを行います。また、入院患者の身の回りの世話などを行います。


一方、保健師の場合は心と身体に関する健康だけでなく、衛生面でも相談を受けます。
これらに対して的確なアドバイスをすることが保健師の主な仕事です。


次に看護師と保健師の雇用される傾向についてですが、業種によって異なります。


例えば物を生産する企業の場合は、従業員が怪我をするなどの突発的なトラブルが発生
しやすいため、何か問題が起こればすぐに怪我の治療にあたらなければなりません。


このため医療行為が認められている看護師を採用する傾向が強いです。


またIT企業など膨大な情報を取り扱っている企業の場合、精神的なプレッシャーが強い
ことから、心のケアが必要となるため、保健師を採用するケースが多いです。





■産業看護師と産業保健師の役割は今後さらに大きく!


企業によってはケガの応急処置や健康管理を重要視しています。


こうした場合は看護師を中心に募集をかけます。


日常業務は健康管理が中心となり、業務の大変はパソコン上で行われますが、薬の管理
など細かい作業もありますので、実際にやってみると結構骨の折れる仕事です。


保健師も仕事の中心は従業員の健康管理やケガなどの治療です。


しかし、心と健康を保つことが難しくなっている昨今では、メンタルケアも重要視され
ているため、心と体の健康相談にたいする適切なアドバイスも行います。


また職場環境を衛生面から改善するための調査や企画も行います。


今後さらに「社会的不安」が大きくなることで、生きづらい世の中になると予想されて
いるわけですが、そうなると一個人が自分の心と体の健康を保つことが難しいです。


このため従業員の心と体の健康を保てる環境を作ることが非常に大切です。


特に大企業は社内における従業員同士の競争が激しいです。人によってはこうした過酷
な競争に身をおくことで、うつ病など心の病に苦しめられるケースが増えています。


このため、大企業を中心にメンタルケアや出来るだけ肉体に負担をかけずにストレスを
解消する方法などを相談できる環境を整備する会社がここに来て増えています。


産業看護師と産業保健師の役割は今後さらに大きくなりそうです。