■企業看護師が働ける代表的な三つの職場の特徴について
企業看護師は、その名の通り企業で働く看護師をさします。
企業看護師が働く職場は企業内にある医務室、診療所、健康管理室です。
求人票には企業内医務室、企業内診療所、企業内健康管理室といった形で記載され、
企業看護師を募集しているケースが多いのですが、それぞれ微妙に異なります。
今回はそれぞれの特徴とその違いについて解説させていただきます。
(1)企業内医務室とは?
企業内医務室は、その名の通り企業内にある医務室です。
ここでいう医務室は学校の保健室のようなもので、従業員が仕事中に怪我をしたり、
病気になった場合に応急処置や病院の手配などを速やかに行います。
医務室にはベッドが設置されているため、体調不良で気分が悪い場合は休めるように
なっており、その症状にあわせて企業看護師から適切な指示を受けられます。
大手企業の多くが企業内医務室を設けていますが、職場に配置される人材はそれほど
多くありません。大企業であっても1人体制のところが少なくありません。
多くても2〜3人です。また企業内医務室では健康診断も行われます。
しかし、医務室だけの役割しか果たさないので、スペース自体広くありません。
このため「健康診断」の必要項目全てを行えるところはそれほど多くありません。
(2)企業内診療所とは?
企業内診療所は、診療所と名がつく通り、会社の中にある診療所のことです。
小さな「クリニック」をイメージしていただければ分かりやすいかと思います。
クリニックなので企業内診療所で働いているのは企業看護師だけはありません。
医師の先生が常駐し、症状に合わせた医療行為が行える体制が整っています。
また、薬剤師も常駐し、薬を支給してくれるところも少なくありません。
当然のことながら診療所を維持するには相当の費用がかるので、診療所がある会社は
経営規模が大きく、経営が安定していると判断することができます。
(3)企業内診療所とは?
企業内健康管理室は、従業員の心と体の健康を促進するために設けられています。
過去20年におよぶデフレ不況により、企業の多くが職場のスリム化を余儀なくされ
ました。このため従業員一人当りの仕事量と責任が年々増えています。
それと同時に従業員の仕事による疲労とストレスも比例して増しています。
そうした中ようやく日本でも欧米のように心と体の健康管理の重要性が認識されつつ
ありますが、自分で客観的に自分の健康状態を把握することができません。
このため企業内健康管理室では従業員の突発的な怪我や病気の応急処置だけでなく、
「心と体の健康」に関する様々な相談を常時受け付けています。
また企業内医務室と企業内健康管理室が一緒になっている場合が少なくありません。
企業内健康管理室も医師も常駐しているケースが圧倒的に多いです。