■企業看護師に求められる役割について
(1)企業での役割とは?
企業看護師で最も人気が高い職場は企業の医務室です。
医務室勤務の看護師さんは、従業員の生活習慣病などを予防するための健康管理だけ
でなく、突発的な怪我や病気の治療も行いますので、臨床経験が必要になります。
また最近の傾向としては、社会全体がコンプライアンスを厳格化する動きが広がって
いるため、従業員一人当りの仕事に対する責任がより大きくなっています。
このため「うつ病」などの心の病に苦しむ人達が増えている関係で、これまで以上に
心のケアが重要視されています。このためで、産業看護師の役割は非常に重要です。
相談者には心を開いてもらう必要があるので「聞く力」が重要です。
(2)学校での役割とは?
産業看護師の活躍の場は企業だけではありません。学校の医務室も重要な職場です。
学校での仕事は看護ケアや健康診断だけではありません。インフルエンザの予防推進
や生徒たちの心と体に関する悩みに対するカウンセラー的な役割も担っています。
看護師としてスキルが高くても、相手を理解できなければ適切なケアはできません。
このため企業や学校などの仕事は、よりコミュニケーション能力が問われます。
■夜勤専従看護師と夜勤パートの違い
(1)従業員とのコミュニケーションについて
企業の医務室で働くうえで大切なのは、従業員と積極的にコミュニケーションを取る
ことです。しかし医務室に訪れる従業員以外の方と接する機会は中々少ないです。
仕事をやりやすくするためにも時間をかけて和を広げていく努力が必要になります。
しかし、そうはいっても入職したばかりのころは右も左もわからず何かと大変です。
ですので、自ら積極的に挨拶することが重要になります。そうすることで次第に声が
かけやすくなり、従業員が自ら医務室を訪れて相談しやすい環境が徐々に整います。
(2)コミュニケーションを取りやすい環境を作る!
上述したとおり、肉体的にも精神的にも仕事によるプレッシャーによって生活習慣病
やうつ病を患う従業員が急速に増えており、社会的に深刻な問題となっています。
職場の人間以外の人から声をかけられると「緊張状態」が和らいだりするものです。
ですので、自ら従業員に声をかけてあげるだけでもかなりの効果があります。
こういったことを根気よく続けていくと従業員自ら相談に来てくれるようになります。
いかに接触する機会が少ない従業員と信頼関係を築くかが重要になります。
具体的には相談に訪れた従業員の話を徹底的に聞くことです。
そうすると「 私の話を誰よりも聞いてくれる人 」という印象を与えることができ、
噂が噂を呼んで一度も接したことがない従業員にも広がります。
この点に関しては時間がかかります。気長に取り組む必要があります。
(3)大人にはない子供が抱えるの深刻な問題とは?
こうしたことは企業だけではなく、学校でも同じです。特に思春期を迎えた男女の心
は非常に傷つきやすく繊細であるため、相談を受けるさいには注意が必要です。
最近はいじめだけでなく、身内から虐待を受けているケースが多いので、恐怖心から
心を閉ざしている子供が少なくありません。会話することが困難な場合もあります。
そうした子供に異変がないか観察しながら相談員などと協力して問題を解決しなけれ
ばならないので、人間関係の問題で難しい場面に遭遇することも多いです。
■慣れるまで苦戦が続くことを覚悟する
企業や学校の医務室での仕事は、一般病院やクリニックの仕事とは、違った難しさが
ありますので、入職後しばらくの間は戸惑うことが何かと多いです。
病院やクリニックでは患者さんへの看護ケアが主な仕事です。
病院では病気に関する相談は医師の先生がいるため、数に限りがありました。
しかし医務室勤務となると従業員や生徒の心と体の健康に関する相談を受ける機会が
多いことから、相談内容に応じた適切なアドバイスをしなければなりません。
しかも細かい仕事が色々とあるので大変ですが、その分やりがいと充実感があります。
また医療機関などで働くよりも心と体に対する負担が小さいです。
このため長く働くことができる点も大きな魅力ですし、健康意識が一般の方の間でも
高まっているので、企業看護師の仕事はかなり将来性が高いといえます。