■病院から企業に転職するケースが増えている理由とは?
大学病院などの大型病院でそれなりにキャリアを積んできたベテラン看護師さんでも
中高年と呼ばれる年齢に達すれば、どうしても体力的な衰えを感じます。
それまでどんなに疲れても、数時間寝れば疲れがとれたのに、どんなに寝ても疲れが
取れないといった肉体の変化に悩まされる場面に直面することになります。
女性の場合は更年期障害もありますので、なおさらこうしたケースが多いことから、
看護師として同じ職場で働き続けることに限界を感じる方が少なくありません。
24時間の交代制で夜勤や準夜勤をこなす不規則な生活は厳しいです。
このため単に今いる職場を退職するだけでなく、看護師の仕事を完全に辞めてしまう
ケースも少なくありません。しかし、これは非常にもったいないです。
一般企業に転職して産業看護師として働くことを検討すべきだと思います。
実際に上述したようなケース以外でも人間関係の問題や職場の労働環境が一向に改善
されないなど、様々な理由から一般企業に転職するケースが増えています。
■企業看護師の人気の仕事について
一般病院から企業への転職する場合ネックとなるのが求人数が多くない点です。
そうした状況にありながらも企業内医務室や治験関連の求人は比較的多いです。
企業内医務室の仕事、治験の仕事の特徴は以下のとおりです。
(1)「企業内医務室で産業看護師として働く」
企業内医務室で産業看護師として働く場合、従業員の怪我や病気の治療だけでなく、
生活習慣病や成人病を予防するためのアドバイスや指導を行います。
また最近は「うつ病」などの心の病に苦しむ従業員が増えているため、従業員と対面
する形でカウンセリングを行いながら職場環境の改善などにも取り組んでいます。
(2)「治験関連企業で治験コーディネーターとして働く」
治験は新薬の開発を行うにあたって、安全性を確認するための臨床試験です。
国から承認されなければ新薬を市場に投入することは出来ませんので、データ整理、
被験者への説明、医師など治験に関わる人たちとの連携が非常に重要です。
治験では治験コーディネーターや臨床開発モニターとして働くことができます。
■夜勤がなく土日・祝日がお休み
企業内医務室や治験関連の会社で働くメリットについてですが、何といっても土日、
祝日を普通に休め、しかも夜勤や準夜勤がないのは大きな魅力です。
病院での仕事で交代制による夜勤が苦痛と感じている看護師さんは実際に多いです。
しかし、企業で働くことによって、こうした変則勤務から開放されます。土日、祝日
が休めると計画が立てやすいので、仕事とプライベートを充実することができます。
■スキルアップを評価してくれる
一般病院よりもスキルアップが評価される環境が整っています。例えば一般病院では
専門看護師の資格を取得しても、資格手当として1万円前後支給される程度です。
しかも、法整備が優先され、専門看護師の資格を活かせる環境が整備されていない中
で働かなければならないため、屈辱的な扱いを受けることも少なくありません。
このため専門看護師を目指す人が少ないので、非常に大きな問題となっています。
一般企業の場合、スキルアップによって相応のポジションが用意されているケースが
少なくありません。また昇進・昇給が目に見える形で用意されています。
このため、資格取得に向けた勉強も非常にやりがいがあります。