■フィールドナースの仕事
今回は企業看護師の仕事の一つである「フィールドナース」についてです。
フィールドナースの職場は医療機器メーカーになります。医療機器メーカーは、病院などの医療機関へ自社で取り扱っている「医療機器」を販売を行っている会社です。
販売している医療機器に関しては、全て自社で開発しているところもあれば、国内外の医療機器を取り扱っている「代理店」のようなところもあります。
このためフィールドナースは、看護業務は一切おこないません。
フィールドナースの仕事は医療機器の営業・販売・サポートが中心となっています。
病院で医療機器を実際に使用するのは医師や看護師さんです。
医療機器の使用方法を説明したり、使用している際に何らかの不具合が生じた場合に的確にサポートする上で、どうしても看護師としての臨床経験が必要になります。
ですので、営業向きの性格だからといって、簡単に務まる仕事ではありません。
なぜなら医療機器は高額な物が多いわけですし、不具合が生じてしまうと、その日の業務がストップしてしまう可能性もあるので、フィールドナースの責任は重いです。
また製品を導入した後に使用方法を説明するだけでも、簡単ではありません。
病院で患者さんと接するのとは、また違ったコミュニケーション能力が求められます。
■英語力が求められる理由
さらに、医療機器のマニュアルは英語で記載されている場合が少なくありません。
このため、ある程度の英語力が求められますので、「英語は苦手」では務まりません。
しかも医療機器は「医療技術」の進化にともなって、常に進化することが求められていますので、新製品の取扱についても新たに学ばなければなりません。
毎年確実に医療機器は進化していますので、より高度な治療や検査がスピーディーに出来るようになる反面、医療機器の操作性はより複雑になっています。
このため常に勉強し続ける姿勢がなければ、働き続けることは困難です。
特に「外資系企業」はフィールドナースに求めるものが大きいです。
実際にフィールドナースとして働くとなると、医療だけでなく、幅広い総合的な知識が必要となりますので、クリニカルスペシャリストと呼ぶところもあります。
■フィールドナースの年収
実際に医療機器の取り扱いに関してサポートするのはかなり難しいです。
ユーザー側の思い込みによって様々な不具合が生じることもあるので、なおさら医療の現場を知っている人間でなければ、対応することができない重要な仕事です。
このためフィールドナースのお給料はかなり高めに設定されています。
営業職が未経験であっても看護師として3年以上の臨床経験を求められているので、看護師から転職したばかりでも400万円を切ることはまずありません。
年収400万円から500万円が相場で、実績に応じて大幅な昇給が見込めます。
特に外資系はそうした傾向が強いですから、色々な意味でやりがいがある仕事です。
医療機器業界全体でみると、平均年齢40歳で平均年収は600万円を超えてます。
業界全体の流通総額は2兆円なので、決して市場は小さくありませんが。
また、市場は毎年確実に成長しているので、将来性も非常に高いです。
しかも、業界自体は小さいうえに「新規参入業者」が極端に少ないので、非常に安定している点も大きな魅力です。キャリアチェンジするなら、オススメの業界です。