■大学の保健室での看護師の仕事について
看護師さんの仕事が年々多様化しています。
実際に看護師さんが活躍する場は「医療機関」だけではありません。
病院以外の職場で沢山の看護師さんが働いています。
しかも看護師さんの需要は右肩上がりで大きくなっていますので、医療機関における
「看護師不足」の問題が、さらに悪化している原因となっています。
誰だって働きやすい環境で働くことを望んでいますので、ある意味当然の結果です。
今回は大学の保健室や保健管理センターでの仕事について解説させて頂きます。
学生や教職員の健康管理のため大学の施設内に保健室を設置しています。
大学の場合は教育機関の中でも規模が大きいので、看護師さんや保健師さん以外にも
医師、臨床心理士など、異なる資格を有した医療従事者を雇用しています。
そして、それぞれが連携する形で学生および教職員の健康管理を行っています。
大学の保健室や健康管理センターでの仕事は、年々多様化しています。
学生や教職員らに対する健康管理(健康診断を含む)や保健指導にとどまりません。
急な病気や怪我への対応は勿論のこと、最近では将来的な不安から「うつ病」などの
心の病患うケースが増えているため、メンタルヘルスケアの重要度が高まってます。
大学での看護師さんの仕事は一般企業の医務室で働く看護師さんとほぼ同じです。
しかし、大学ならではの看護師の仕事がいくつか存在しています。
(1)感染対策について
大学の施設内には沢山の人が毎日出入りしています。
しかも多くの学生は単に自宅から大学まで往復しているわけではありません。
放課後にアルバイトに励む学生も多いです。中でも飲食店のアルバイトは多いです。
また、通勤で電車やバスなどの公共の交通機関を利用していますよね。
このため、一般の企業よりも感染リスクが高いです。このため感染予防のための指導
など感染対策が義務づけられていますので、これらも看護師さんの重要な仕事です。
特に食堂は毎日沢山の学生が利用し、飲食を通じて感染しやすい環境にあります。
しっかりと感染対策を行わなければなりません。
(2)飲酒問題
また、20歳になれば喫煙や飲酒が法律で認められるので、堂々とタバコを吸ったり、
お酒を飲んだりできるわけですが、若さゆえにトラブルが少なくありません。
単にお酒を飲んでトラブルを起こすだけでなく、健康を患うケースも多いです。
こうした飲酒に関する問題の対策も看護師さんの大切な仕事です。
また、大学では中学・高校の部活以上にスポーツを行なう環境が整っているところが
多く、実際にプロ顔負けの練習設備がある大学も少なくありません。
このため練習中に怪我をする学生も多いため、看護師さんが応急処置を行ないます。
場合によっては、病院へ搬送しなければならないほどの重症の怪我を追うこともあり、
そうした場合は看護師さんが病院の手配を迅速に行わなければなりません。
このため、どうしても一般病院での臨床経験が必要になります。
(3)メンタルヘルスケアについて
肉体に関する健康管理だけを行っていればいい時代は終わりました。
学生の中には精神的な悩みから「うつ病」を患うケースが増えています。
学生も社会人と同じくらい色々なストレスを抱えています。
特に地方から一人暮らしで生活している学生さんの悩みは深刻な場合が多いです。
ストレスの多い都会の生活に馴染めない学生さんも少なくありません。
腹を割って話せる友達がいないと、勉強だけでなく、人間関係、恋愛、就職に関する
悩みや将来に対する不安は心の中でどんどん大きくなっていきます。
しかも考えれば考えるほど悪い方向へと向かっていきます。
次第に学校も休みがちとなり、そのまま学校をやめてしまうケースも多いです。
こうした問題を抱えている学生は、自ら立ち直るケースは少ないです。やはり周囲が
サポートしなければ立ち直ることは難しいので、大学側も相当頭を痛めてます。
このためメンタルヘルスケアに力を入れる大学が増えています。
問題を抱えて苦しんでいる学生さんと真剣に向き合い、カウンセリングを通じて様々
な問題を改善できるように導いてあげるのも看護師さんの重要な仕事です。
■こんな人が向いています
大学での看護師さんの仕事は、若者と接することが嫌いだと絶対に務まりません。
体は大人でも心が小学生くらいの学生もいますので、手を焼くことも多いです。
また学生から一方的に想いを寄せられて色恋沙汰に巻き込まれるケースも少なくあり
ませんので、しっかり距離を保ちながらコミュニケーションを取ることが大切です。
先に述べた通り大学の保健室や保健管理センターでは、看護師さん以外にも沢山医療
従事者が働いていますので、お互いに協力しあいながら働かなければなりません。
ですので、チームの一員そして働くことが苦にならない人が向いています。
当然のことながら大学の数は地域によって大きな差があります。それを差し引いても、
大学の保健室(医務室)勤務の「看護師求人」は、それほど多くありません。
看護師転職サイトの未公開求人から紹介してもらい、気長に取り組む必要があります。