■クリニック=仕事が楽は大間違い!
病棟勤務を5年以上経験された看護師さんの転職先として、クリニック(診療所)は、かなり人気が高いですが、クリニックについて誤解されている方が少なくありません。
クリニックの多くが小規模経営で、一部を除いて病床がないところがほとんどなので、基本的に夜勤がありません。このため仕事が楽と考えている人が多いんです。
確かに夜勤や準夜勤などの変則勤務がないので、規則正しい生活が送れます。
このため、肉体的にも精神的にも負担は小さいかもしれません。
しかし、だからといって仕事が楽であるとは限りません。
というのも、クリニックで働く看護師さんは、せいぜい多くても3人くらいです。
このため少数精鋭で沢山の業務をこなさなければなりません。
受付や電話対応など、一般病院では考えられないような仕事が沢山あります。
ですので、なによりもチームワークが大切なんですが、ベテランの看護師さんですら、「やることが多くて大変」と、クリニックで働くことの厳しさを痛感しています。
■クリニックで働くことの難しさ
クリニックで働く看護師さんの中には子育て中の方も少なくありませんので、お子さんが急な発熱で看病が必要となれば、当然仕事を休まなければなりません。
そうなれば、他のスタッフ同士でカバーしあうことになります。
また、クリニックは一般病院よりも休みが多いと思われている方が多いのですが、休診日が週1日(日・祝日)のところも多いので、こうした場合は連休が少なくなります。
ゴールデンウィークなどの大型連休も、一般の会社に勤務している方々のようには休めませんので、他のスタッフと話し合いながら、お休みを申請しなければなりません。
クリニックで求められる看護師さんは、いわゆる即戦力です。
上述したとおり、クリニックで働いている看護師さんは2〜3人です。
大型病院のように看護師さんが何百人もいるようなところでは、研修などで看護師さんを教育する体制が整っていますが、平均的なクリニックではありえません。
ですので、入職した時点で戦力として計算できる方でないと採用されません。
■長期のブランクのある看護師さんでも働ける?
もし採血、注射、点滴などのスキルに自信があれば、即戦力としてアピールすることができますので、実際に就職・転職する上でかなり有利に展開することができます。
またこれらのスキルに強い自信があれば、仮に転職先候補のクリニックが実際に行っている診療科目で働いた経験がなくても、採用される傾向が強いです。
一方、長期のブランクがある看護師さんの中には「再就職先」として働いた経験のある診療科目のあるクリニックを希望する方が依然として少なくありません。
大抵の方がクリニックは、働きやすいという理由(思い込み)で選んでます。
上述したとおり、採用されても仕事に慣れるまでは本当に大変ですが、長期のブランクがあるからダメということはありませんので、簡単に諦めてはいけません。
とはいっても、入職したあとに仕事についていけるかどうか不安を感じるものです。
ですので、まずは正直にこれまでの経験やスキルをきちんと説明してください。
仕事になれるまでの間だけ業務を調整してくれるケースも少なからずあります。
ですので、「ここで働きたい」という強い意志を最大限アピールしましょう。