■シップナースの求人は少ない?
看護師さんの仕事は病院をはじめとした医療機関だけではありません。大げさな話では
なく、働ける職場は、年々増えているといってもいいくらい多様化しています。
今回は、看護師さんの仕事の中でもユニークな部類に入る「 シップナース 」について
解説させて頂きます。シップナースはその名の通り船の中で働く看護師さんです。
船といっても、色々なタイプがありますが、シップナースが求められるのは、いわゆる
客船と呼ばれる大きな船です。とはいっても求人そのものは非常に少ないです。
というも日本では豪華客船で旅行する人が欧米(特に欧州)のように一般的ではありま
せんので、客船そのものが非常に少ないので、需要そのものが少ないです。
しかし、会社を定年退職したご夫婦が、これまでの苦労を労う形で豪華客船での船旅を
楽しむケースが増えていますので、今後人気が拡大する可能性は十分あります。
豪華客船以外にも大型の貨物船などでもシップナースの需要はありますが、仕事が仕事
なだけに女性看護師よりも、男性看護師が好まれる傾向が強いように見受けられます。
■シップナースの主な仕事について
シップナースの仕事についてですが、基本的に船内に設置されている「医務室」にて、
お客様の健康管理や急な病気や怪我などを治療するのが主な仕事となります。
実際に船旅に慣れている人は、非常に少ないので、「船酔い」に苦しめられるお客様が
非常に多いです。体調不良を訴えてくる方も多いので、健康相談も重要な仕事です。
場合によっては病院に搬送しなければならないので、そうした場合は適切な対応が求め
られるため、責任は重大です。このためそれなりの経験がどうしても求められます。
また旅行会社が企画するツアーを利用した個人および団体客も客船を利用しますので、
こうしたツアーに添乗するツアーナースもシップナースに含まれることも多いです。
ちなみに船旅は国内旅行だけでなく海外旅行もあります。
このため船内では外国人のお客様と接する機会もすくなくありません。
今年に入ってから円安が急速にすすんでいるため、今後は外国人客をターゲットにした
プランも増えることが予想されているので、英語でのコミュニケーションも重要です。
このため求人では英語力が問われて無くても、それなりの英語力が必要になりますし、
上述した理由から、今後さらに英語力を問われる機会が多くなることでしょう。
■シップナースとして働くうえで大切なこと
飛行機なら数時間で行けるところへ、わざわざ数日かけて行くわけですから、基本的に
船旅を楽しむお客様は、時間とお金に余裕がある方が圧倒的に多いです。
このため、お客様の中には熟年者や高齢者が少なくありません。2000年代後半から
団塊世代の方が大量にリタイアしたため、今も高齢層のお客様が増加傾向にあります。
やはり、時間を気にせずに夫婦水入らずの旅が受けているようです。そうしたお客様の
健康を守るためにも、シップナースの役割は非常に大きなものがあります。
ですので、病棟勤務とは違ったタイプのコミュニケーション能力が問われます。
やはりサービス業としての色合いが強いので接客が嫌いな人は向いていません。
船旅は電車やバス、飛行機などと比べて、お客様と接する機会が多いです。
特に中高年のお客様の中には、持病を抱えている方も多いです。
お客様の方から相談されることも少なくありません。
安心して船旅を楽しんでもらうためにも、その対応の仕方が問われます。このため、
お客様とのコミュニケーションは、病院でのそれとはひと味違います。
最後にツアーナースの求人についてですが、上述した通り、特殊な仕事であるため、
その数は非常に少なく、ハローワークや一般の求人サイトで探すのは困難です。
看護師転職サイトへ登録して求人の紹介を待つのが一般的です。