■エスコートナースとは?


看護師さんの仕事は年々多様化していまして、すでに病院などの医療機関だけでなく、
企業や学校などの教育機関、行政機関など幅広い分野に広がっています。


そうした中で「エスコートナース」という、他の看護師さんの仕事とは、趣が異なる
仕事があります。エスコートナースは特定の施設内で働くことはありません。


海外で怪我や病気になった日本人の患者さんを現地の病院から日本の病院へ搬送しな
ければならないわけですが、そのさいに帯同するのがエスコートナースです。


また、反対に外国人の患者さんが日本でケガや病気をした場合は、現地の病院へ搬送
することになれば、日本側のエスコートナースが同行することもあります。


エスコートナースの仕事は依然として日本では一般の人達の間で認識されていません。


しかし、海外旅行を楽しむ人達が増えているので、潜在的な需要が大きな仕事です。





■エスコートナースの仕事とは?


エスコートナースは、ただの付添人ではありません。


目的地にある病院へ搬送するまでにやらなければならないことが沢山あります。


例えば、搬送中の患者さんのバイタルサインのチェックは欠かせません。


ただの骨折だったとしても、飛行機の中で長時間過ごすと血栓ができてしまう可能性
があり、場合によってはエコノミー症候群を発症させてしまうリスクが潜んでます。


飛行機の中は普段の生活とは異なる空間なので、何が起こるか分かりません。


このため患者さんの状態を常に観察しなければならないわけです。もちろんただ見て
いるだけではダメです。その経緯をきちんと記録しなければなりません。


また、搬送中に患者さんの様態が急に悪化することも十分ありえることなので、常に
緊張感を持ちながら仕事をすることとなり、精神的にもかなりハードです。





■エスコートナースとして働く方法について


エスコートナースは、現地の病院で働くスタッフらとコミュニケーションを取らなけ
れば成立しません。また色々な交渉ごとを患者さんに代わって行うことも多いです。


このため語学力(特に英語)が求められることになります。


しかもエスコートナースの仕事のみを行っている看護師さんはほとんどいません。


普段は別の仕事をしながら、事業所から連絡が入ったときにのみ、エスコートナース
として働くので、よりストレスフルな環境の中で働くことになります。


ですので、もしエスコートナースとして働くのであれば、こうした環境に身を投じる
覚悟と患者さんの搬送業務に強い関心がなければ正直難しいです。


「海外にいける」「語学力を試したい」程度の志では到底務まりません。


基本的に観光気分を味わうことはできないと認識してください。


最後にエスコートナースとして働く方法についてですが、国内外の「患者搬送業務」
を行なっている企業に就職するか、専門の事業所に登録しておく必要があります。


事業所に登録する場合は、複数の事業所に登録されることをオススメします。


スタッフとして登録した場合、患者さんに帯同しながら様々な交渉ごとに柔軟に対応
できること、色々な診療科目に精通していることも重要なポイントです。