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■お給料の不満は評価の低さに対する怒り?


「お給料が少ない」と、嘆く看護師さんは少なくありません。


恐らく、お給料の額に満足している人を探す方が難しいでしょう。


「本来なら自分はこれくらいもらってもいいはずだ」という思いが誰にでもあります。


それに対して病院側の評価が自己評価を大きく上回って低ければ、誰でも不満を抱く
ことになります。仕事へのモチベーションは当然上がることはありません。


しかし、そうはいっても女性が就ける仕事の中で看護師さんの仕事はかなりお給料が
高めに設定されていますが、その分仕事は超が何個もつくほどハードですよね。


例えば、一般の会社に勤務する女性社員と看護師を比較した場合、収入面では倍近く
差が開く可能性があります。しかし仕事の苛酷さは倍ではすまないかもしれません。


一般の会社で働く女性の多くが一日中デスクの上で仕事をするのに対し、看護師さん
の仕事は、常に立ったままの状態で所狭しと病院の中を動きまわります。


また病院の人間関係は、かなり複雑であるため、精神的なストレスに苦しめられてる
方も多いです。それくらい看護師さんの肉体的にも精神的にも過酷ですよね。


ようするに「自分はこれだけ大変な仕事をやっているのに、その評価がこれか?」と、
いった思いがあり、どうしても納得出来なことから、不満が大きくなります。





■お給料を低く抑えたい病院側の事情とは?


看護師さんの仕事は、本来人間が寝ていなければならない時間帯も夜勤や当直で働く
ため、健康管理が非常に難しく、人によっては夜勤を苦にして、辞めていきます。


それくらい過酷な仕事を多くの看護師さんたちは日々行っているわけです。


「給料が少ない」と、ぼやきたくなる気持ちは良く分かります。


ただし、給料は病院の「経営状態」によっても大きく異なります。


今現在、日本国内には8000以上の病院(診療所をのぞく)があるのですが、
その大半は赤字経営に苦しんでおり、「借入金」が年々増加している所が多いです。


地方によっては、病院が破綻してしまうと、その地域の人達が満足に医療を受けられ
なくなりますので、自治体側も病院を守るために必死でサポートしています。


ですので、患者数が増えるわけもないのに、きちんと借り入れが行えるようになり、
なんとか凌いでいる状況で、普通の会社であれば有無をいわさず破綻しています。


ですので、無い袖は振れないんです。赤字経営の病院は好条件を提示して人材を確保
するための余裕がなく、反対に経営が安定している病院は好条件を提示できます。


つまり、病院もこうした極端な形で二極化が進んでいる状態なので、できるだけ経営
状態が良い病院で働くべきですが、地方によっては数に限りがあるので困難です。





■なぜサービス残業が多いのか?


想象を超えた激務をこなさなければならないときにも、給料と実際の仕事が見合って
いないという強い思いが襲ってきます。そしてその不満は次第に大きくなります。


2006年に診療報酬に関する法改正が行われ、夜勤は72時間を限度に定められて
いるわけですが、1回の夜勤が9時間であれば月に8回まで可能となります。


しかし、現実問題として、月に8回も夜勤をこなすとなると大変ですよね。


病院側とすれば9時間では短すぎるでしょうから、当日の夜勤が終わったとしても、
時間外で働かされることになり、時間外で働き続ける可能性が高いです。


職場によっては、こうした時間外勤務の手当を受けられないケースもあります。


というのも病院での「時間外手当」は、タイムレコーダーに刻まれた数字に合わせて
支払われるものではないからです。自ら残業した分を申告しなければなりません。


このため他の看護師さんがサービス残業という形で働いてしまうと自分もそれに合わ
せなければなりません。こうした理由から時間外勤務の手当が中に浮きます。


このため多くの看護師さんは毎月相当時間をサービス残業という形で働いています。
しかも、そうした姿勢を誰かに褒められることは絶対にありません。





■お給料に対する不満につながる問題とは?


給料の不満は休みがとれないことも何らかしら影響します。


経営状態があまり良くない病院では、人材を確保するのが容易ではありません。


職場に看護師が少ないことから、上司も有給を取るのに協力的ではありません。


たった1日でも休まれると、一人当りの負担が増えるので、どうしてもそうした傾向
が強まるため、毎年4月になると自動的にそれまでの未消化分がパーになります。


また日曜日でも相当の仕事量があるので、常に一週間を通じて仕事は忙しいです。


まず、定時に終わることはなく、しかも日曜日に出勤しても出勤手当はありません。
ですので、当然のことながら、誰もが日曜日の出勤を為らうことになります。


家庭を持つ看護師や、子育て中の看護師さんにとって日曜日は非常に大切ですから、
日曜日の出勤手当が支給されるのであれば、誰にとってもありがたいですよね。


しかし、そういったケースは少ないので、給料への不満はさらに大きくなります。





■お給料に不満があっても目標があれば乗り切れる?


お給料に不満をもっている看護師さんは、殘念ながら非常に多いです。


しかし、皆さんそれでも一生懸命働いています。


看護師として誇りを持って働いている姿は本当に素晴しいですよね。


日本は1997年以降、国民の所得は毎年のように下がり続けています。


それくらい日本を取り巻く環境が厳しい状況にあるため、例え毎月のお給料が少ない
としても、仕事があって給料がもらえるだけでも有り難いと思ってる方も多いです。


また看護師としてのスキルを高めることを再優先に考えている看護師さんもいます。


こういった人たちにとっては、お給料は二の次と考える傾向が強いです。


こうした目的意識の高い看護師さんは、お給料は自分のかんばり次第で、どうとでも
なると心のどこかで思っているので、愚痴や不満がまったくないのかもしれません。


それなりのお給料を稼いでいる看護師さんでも、最初から稼げたわけではありません。
ひたすら耐え忍んで、毎日一生懸命働いてきたから今があるわけです。


もし今現在地方の病院で働いていて、「お給料が少ない」と嘆いているのであれば、
ある程度経験を積んだら、都会の病院で働くことをオススメします。


お給料は高めに設定されていますし、設備なども最新鋭のものが揃っていますので、
看護師として、さらに成長できますし、日々の生活も充実させることができます。