■男性看護師は本当に増えてる?
2000年代後半から男性看護師さんの数が急激に増えています。
厚生労働省の統計調査によりますと、2008年の男性看護師の数は2万9,380人だったのに対して、2012年には4万3150人にまで増えています。
一方、女性看護師は、2008年には44万4,970人だったのに対し、2012年には54万8800人にまで増えていますので、男女比ではほぼ変わりありません。
今現在約60万人もの看護師さんが現役で働いているわけですが、それでも日本国内にある多くの病院で深刻な「看護師不足」の状態にあります。
なぜなら、医療技術や医療機器の進化と医薬品が改良され増え続ければ、それにともなって医師や看護師などの医療に従事する人達の仕事が増えるからです。
需要の拡大に全く追い付いていないうえに、病院以外にも看護師さんの仕事が増えているので、地方を中心に看護師不足は深刻化するばかりです。
そうした中で「男性看護師」が注目を集めています。
高齢化社会が進んでいるため、高齢患者の数がどこの病院でも増えています。
自分で動くことが出来ない人も多く、女性看護師さんは、どうしても力がないので、1人の高齢患者に対して数名で対応しなければならない状態です。
つまり、高齢患者の数が増えれば増えるほど業務効率が悪化することになります。
そこで、女性よりも力がある男性看護師がどこの病院でも重宝されているわけです。
しかし、過去5年間で男性看護師の数は、急速に増えたとされていますが、それでも
全体からみれば8%程度です。今後も男女比が逆転するようなことは無いでしょう。
というのも依然として「看護の仕事」は、女性が中心です。
■男性看護師が直面する問題とは?
残念ながら男性看護師が働きやすい環境とはいえません。
多くの男性看護師さんが、「看護の仕事は人に感謝され、社会的にも認められている大変素晴しい仕事」と思って看護師を目指したわけですから、本当に勿体無いです。
こうした純粋な思いが打ち砕かれるほど職場における男性看護師の立場は難しい状況にあります。例えば、女性看護師であれば、老若男女の患者さんに対応できます。
しかし、女性の患者さん(特に若い女性)の中には、男性看護師に対して抵抗がある場合が少なくありません。仕事がやりずらい場面に多く遭遇することでしょう。
このため働きやすい職場を求めて転職する男性看護師も少なくありません。
しかし、人間関係の問題に関する転職は、必ずしも成功するとは限りません。
男性看護師は引く手あまたの状態ですので、ある程度年齢が高くても転職できます。
しかし、転職先が無事決まっても「前職の方が男性看護師が働きやすい職場」だったなんてことが十分起こりえるからです。自分で改善出来る点は改善しましょう。
そうすれば、転職して後悔するようなことは避けられます。
■男性看護師として克服すべき問題点とは?
患者さんに男性であることを意識させないように、一定の距離を取りながら患者さんのケアをしなければならず、こうした点で多くの男性看護師さんが苦労します。
しかも男性看護師があまりにも少ない職場では、一生懸命働いている男性看護師さんを面白く思わない看護師も少なからずいて、何かと足を引っ張ります。
男性、女性に関係なく、普段からあまり働かない看護師さんは、一生懸命働いている看護師さんを悪く言うといったことがどこの職場でも少なからずあります。
しかし、男性看護師が極端に少ないと、職場で目立ちすぎてしまい、余計にそうした幼稚な人達からの嫌がらせを受けやすくなってしまうので、慣れるまでは大変です。
女性が圧倒的多数を占める職場にて、異性の同僚や上司とコミュニケーションを取るのは容易ではありません。女性看護師にはない男性看護師特有の悩みでです。
同じ職場に男性看護師が一人だけですと、相談する相手もいないので、強いストレスになります。自分自身で何でも解決するとなると、歯がゆい思いをするでしょう。
コミュニケーションを円滑にする要素として笑顔とユーモアがあります。
コミュニケーションを取るのが上手な人は、もって生まれた才能がそうさせているのではなく、ただ単に「明るく振る舞うふり」に慣れただけです。
自分が苦しくならない程度に明るい振りをしているうちに、やがてそうなります。
いつも笑顔で明るい人には、患者さんも心を開きやすいです。腹が立つことも多いでしょうが、笑顔は最高の武器になりますので、笑顔を心がけてください。
こうした職場の人間関係やコミュニケーションの問題を克服すれば、男性看護師さんはどこの職場でも引く手あまたの状態にあるため、怖いものはありません。
特に男性看護師さんは上述したとおり、女性看護師さんよりも「力」がありますので、患者さんの移行時に力を発揮してくれるため、どこの職場でも「重宝」されます。
男性看護師さんは、女性看護師さんのように、結婚・出産をきっかけに退職したり、長期で休んだりすることがないので、病院側も積極的に採用しています。