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■二交代制と三交代制の比較


常勤で働く看護師さんは、日勤と夜勤の両方を行うのが一般的ですが、最近では人材
不足を解消するために、常勤であっても日勤専従、夜勤専従で働くことができます。


多くの病院が二交代制勤務を採用している中で、三交代制勤務に移行する病院も増え
ています。しかし三交代制にすると、より多くの人材を確保しなければなりません。


といいますのも、以下のとおり三交代制の場合、一夜勤あたりの負担は小さいですが、
夜勤の回数がその分増えることになりますので、どうしても人材が不足します。


【二交代制】

日勤が午前8時30分から午後5時30分

夜勤が午後4時30分から午前9時



【三交代制】

日勤が午前8時30分から午後5時30分

準夜勤が午後4時30分から午前1時30分

深夜勤が午前12時30分から午前9時



二交替制の場合、1夜勤あたり16〜17時間拘束されます。


夜勤は1ヶ月に72時間までとする「72時間ルール」が法で定められているため、
二交代制勤務を採用する病院の場合、夜勤は多くても4回が限度となります。


一方、3交代制勤務を採用している病院は、8〜9回程度夜勤を行います。





■2交代制勤務と3交代制勤務のメリット・デメリット


上述したとおり、準夜勤は終了する時間が深夜ですし、深夜勤は開始時間が深夜です。


冬場は病院と自宅を往復するのが苦痛ですし、まとまった休みがとりにくいです。
また、3交代制勤務を採用している職場では、仮眠時間が原則としてありません。


また深夜勤の場合は、日勤を終えて帰宅して、出来るだけ早く夕食を済ましてから、
そのまま軽く寝ますが、出勤するめ11時半ごろには起きなければなりません。


このため自宅で軽く仮眠をとって、再び職場に向かいます。


しかし、残業がある場合は自宅に戻っても、すぐに出勤時間となってしまいますので、
そうした場合は自宅で仮眠できません。早めに出勤して休憩室で寝ることも多いです。


三交代制の場合、こうした煩わしさがあるので、二交代制勤務のほうが看護師さんの
間では評判がいいですが、二交代制にも色々とデメリットがあります。


例えば「勤務終了時間」をとっくに過ぎていても、当日残業があれば、そのまま仕事
を続けなければなりません。昼近くまで帰宅できないことも良くあります。


二交代制は仮眠が取れますが、それでも朝まで働くとなると大変な重労働です。


ですので、大学病院のような大型病院で働く看護師さんの場合、体力的な衰えから、
40歳くらいになると、「退職」を検討するケースが少なくありません。





■家庭のある看護師さんの苦労とは?


また小さなお子さんがいる看護師さんも働き続けるうえで多くの問題を抱えています。


仮に24時間営業している託児所や保育施設が病院内にあるとしても、小さな子供を
残して、長時間働かなかければなりません。これは子供にとって、かなり苦痛です。


もし家族が子供の面倒を見てくれるにしても、小さな子供から離れるのは大変です。
出かける前に泣かれると、後ろ髪を引かれる思いで家を出なければなりません。


そんな生活を何年も続けなければならないので、退職を考える看護師さんが多いです。
子供が小さな時に過ごせる時間は限られているので、無理もありません。


特に準夜勤の場合、勤務開始時間が夕食時なので家庭のある看護師さんには負担です。
夕食の支度をしている暇もないので、家族の協力がなければ到底不可能です。


いくら生活のためといっても、協力してくれる家族の側にも限度があります。


例えば自宅近くにご両親がいれば、子供を預かってもらえますが、そうでない場合は、
当然のことながら旦那さんが子供の世話をしなければなりません。


旦那さんも自分の仕事で疲れているので、不満が溜まっていきます。


突然旦那さんから仕事を辞めるように言われてしまうケースも少なくありません。


それでも無理して仕事を優先させてしまうと、家庭が崩壊してしまいます。


こうした問題に関しては、夜勤の回数が少ないことから、二交代制勤務の方が負担が
小さいですが、だからといって、仕事そのものが楽というわけにはいきません。


2時間程度の仮眠が取れるといっても、毎回必ず取れるわけではありません。


1夜勤あたりの仕事量が多いので、肉体的にも精神的にも非常にハードです。


また病棟の患者さん全員の責任を持つことになるので、何かとストレスが多いです。


やっと今日も終わりだと思ったところで患者さんの容態が急変したり、病室内で転倒
するといったハプニングは日常茶飯事的におきるので、気が抜けません。


どこの病棟で働こうと、夜勤が大変であることに変わりありません。しかし、多くの
看護師さんが一生懸命働いて下さっているおかげで、日本の医療は成り立っています。