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■血液内科の役割とは?


血液内科では、その名の通り「血液疾患」を専門に治療している診療科です。


血液内科は、貧血や出血傾向のある過多、白血病や多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの
血液に関する疾患を治療する診療科で、専門性が非常に高いのが特徴です。



血液の病気は、以下のとおり大きく4つに分類されています。


(1)貧血(再生不良性貧血、正球性正色素性貧血、小球性低色素性貧血など)

(2)血小板(血小板減少症、血小板増加症、特発性血小板減少性紫斑病)

(3)骨髄(慢性骨髄単球性白血病、骨髄増殖性疾患など)

(4)リンパ球(リンパ球減少症、リンパ球増加症、急性リンパ性白血病など)



血液内科の疾患は、治療が困難なものが多いうえに再発するリスクが非常に高いです。


こうした理由から血液内科に入院する患者さんは、長期入院を余儀なくされるケースが
他の診療科よりも多いです。また、入退院を繰り返す患者さんも少なくありません。


また、血液内科は専門性が非常に高いことから、血液や骨髄の検査や治療に必要となる
設備(ICU、無菌室など)に膨大な費用がかかります。年間の維持費も凄まじいです。


このため血液内科は規模の大きい大学病院や総合病院などの大型病院にしかありません。


中小規模の病院だけでなく、診療所に血液内科の専門医がいるところはありません。


また医療機器の操作一つとっても非常に複雑ですから、血液内科で働く看護師さんは、
仕事を覚えるまで本当に苦労されています。に大変ですが、やり甲斐はあります。


常に一段上の看護師を目指すキャリア志向の強い看護師さんにピッタリです。





■血液内科での看護師さんの仕事


化学療法や骨髄移植によって、かなりの数の患者さんが白血病や悪性リンパ腫、多発性
骨髄腫、骨髄異形成症候の治療は、化学療法や骨髄移植などによって行われます。


もし白血球が減少しているのであれば、感染症から自分の身を守るために細菌をカット
する高性能フィルターが完備されている病室に入室しなければなりません。


上述したとおり血液疾患で貧血が占める割合は決して少なくありません。困るのが症状
が悪した場合で、息切れや発熱、リンパ節の腫大や出血に遭遇することもあります。


これらの何が問題かというと、これらの症状が「風邪」に似ていることから、早期発見
が難しい点で、質の高い血液検査を行える環境がどうしても必要となります。


また、血液内科で働く看護師さんは、検査の中身と方法に関する深い知識が必要です。
そうしないと、患者さんとそのご家族にきちんと説明する事ができないからです。


しどろもどろになって説明すると必ず患者さんから疑われてしまいます。


血液内科で行われる検査として骨髄穿刺やリンパ節生検ながあります。


次に治療法についてですが、「化学療法」、「放射線治療」や「造血幹細胞移植」など
が頻繁に行われ、「血液」や「抗がん剤の使用量」が病院内で一番多いです。


そして、看護師さんの仕事は、医師の診療補助、患者さんの健康状態を把握するために
バイタルサインのチェック、全身管理、点滴、与薬、各種検査などです。


血液内科で入院している患者さんの多くが「免疫力」が低下しているため、感染リスク
が非常に高い状態にあることから、看護ケアは常に慎重さが求められます。


この点を常に意識して自分の仕事に取り組む必要があります。





■血液内科で働く難しさとは?


先に述べたとおり血液内科で扱っている疾患は、血液の病気全般となっています。


血液内科の疾患は難易度が高いものが多く、厚生労働省から難病指定されているものも
あるので、疾患によっては、決定的な原因が不明なものも少なくありません。


このため治療が長期化するケースが非常に多いのも特徴の一つとなっています。


また、白血病や悪性リンパ腫などは、再発リスクも高いので、入退院を繰り返すケース
も多いことから、他の科の入院患者さんよりも悩みが深刻な場合が多いです。


長期間に渡る入院生活によって死に対する恐怖に悩まされ続けています。


ですので、患者さんとのコミュニケーションは十分注意して下さい。


ほんの些細なことで、大きなトラブルの原因となりかねないからです。


ちょっとした表情の変化や何気ない言葉に過敏に反応される方が少なくないからです。


これは、患者さんだけではありません。患者さんを支えるご家族も同様です。


血液内科では、患者さんとそのご家族の「心のケア」が他の科以上に重要です。


といっても特別なことは出来ません。とにかく話を聞くことに徹しましょう。


相手が話やすくするためにも、これまでの経験を振り返って、いくつか質問を用意して
おきましょう。これだけでも、かなり患者さんとの会話がスムーズに進みます。





■患者さんの心のケアについて


血液内科は、専門性が非常に高いことから、チーム医療に関しても独特です。


実際に血液内科には、医師や看護師、薬剤師以外にも専門職の方々が沢山いますので、
業務をスムーズに行なうためにも、一段高いコミュニケーション技術が必要です。


職場で飛び交う専門用語は難解なものが多いので、慣れるまでは混乱することも少なく
ありませんが、他の科よりもミスが許されないので、常に慎重さが求められます。


ですので、是非スマホの機能(写メ、ボイスメモ、お役立ちアプリ)をフル活用して、
効率よく仕事を進めていけるように、常に改善しながら取り組んでいってください。


看護師として血液内科で働く場合、化学療法に関する専門知識がどうしても必要です。


放射線療法や化学療法を行なうことにより、患者さんの多くが、めまいや嘔気、嘔吐、
頭痛、脱毛といった副作用が全身に出てしまい、一定の期間苦しむことになります。


特に女性の場合は、髪が抜け落ちた自分の姿を現実として受け入れることができない
場合が多いので、患者さんの心の苦しみをどう受け止めればいいのか、悩みます。


また、当然のことながら患者さんは身体を自由に動かすことができません。


何が言いいかと言うと、気を紛らわす手段が患者さんにはありません。


このため、肉体的な苦痛が長期化すると次第に心も病んでいきます。


いまでもなく患者さんの心と体のケアが非常に重要です。特に精神面をケアすることに
よって、身体的な痛みを和らげたり、治療の効果を高めることができます。


こうした理由から血液内科で働く看護師さんの役割は非常に重要です。