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■がんセンターとは?


がんセンターは、基本的に「がん」の診療および研究を専門的に行っている専門の医療機関のことで、今現在日本国内には以下のとおり国公立あわせて16ヶ所あります。



「国立高度専門医療研究センター」

●国立高度専門医療研究センター

●国立がん研究センター中央病院

●国立がん研究センター東病院


「国立病院機構」

●国立病院機構北海道がんセンター

国立病院機構中国がんセンター

国立病院機構四国がんセンター

国立病院機構九州がんセンター



「公立」

●宮城県立がんセンター

●山形県立がん・生活習慣病センター

●栃木県立がんセンター

●群馬県立がんセンター

●埼玉県立がんセンター

●千葉県がんセンター

●神奈川県立がんセンター

●新潟県立がんセンター新潟病院

●静岡県立静岡がんセンター

●愛知県がんセンター

●兵庫県立がんセンター





■がんセンターは看護師に人気が高い?


がんセンターの仕事は看護師さんの間で人気が高いです。


がんセンターは、国立や公立の医療機関であるため、もし看護師として採用されることになれば、公務員として働くことになるので、福利厚生面が非常に魅力的です。


特に女性が働きやすいです。例えば結婚・出産することになったと仮定します。


一般の病院では、育児休暇は最長で1年のところがほとんどですが、公務員の場合は、最長3年間取得することができますので、育児に専念することができます。


出産しても仕事を続けやすい環境にありますので、女性にとって理想の職場です。


しかし、がんセンターの仕事は、専門性が非常に高いうえに、人気も高いので、看護師として確かな経験や技術・知識ががあっても、簡単に就職することは出来ません。





■がんセンターで働くには?


がんセンターでは定期的に職員を募集していまして、選考方法は書類審査、面接試験、小論文などが一般的です。一般の病院の採用試験とほぼ同じと考えて結構です。


がんセンターは、がんに特化して研究・治療を行っているため、看護師さんの仕事も、非常に専門性が高いため、認定看護師や専門看護師が沢山働いています。


スキルアップを目指している方にとっては、まさに打ってつけの職場です。


目の前に専門的知識と技術を身につけた看護のエキスパートたちが沢山働いているので、向上心や目標さえあれば職場全体でキャリアアップを支援してくれます。



がん看護に関する認定看護師の分野は以下の通りとなっています。


(1)緩和ケア

(2)がん化学療法看護

(3)がん性疼痛看護

(4)乳がん看護

(5)がん放射線療法看護


日々職場でのがん看護を通じてキャリアプランが明確になります。


実際に自分に適した分野の認定看護師を目指して頑張っている看護師さんが多いです。向上心のある看護師さんにとって、がんセンターは恵まれた環境にあります。



また、がんセンターで働く看護師さんのお給料は以下の通りです。


●初任給(平成25年実績)

・4年課程 基本給及び主要手当:268,000円

・3年課程 基本給及び主要手当:251,000円

・2年課程 基本給及び主要手当:248,000円


※賞与は4ヶ月分、年収は400万円から430万円程度



●経験者(平成25年実績)

・4年課程 基本給及び主要手当:320,000円

・3年課程 基本給及び主要手当:315,000円

・2年課程 基本給及び主要手当:311,000円


※賞与は4ヶ月分、年収は470万円から500万円程度


上述した数字は、あくまでも目安ですが、民間病院よりも若干低いとされています。しかし、民間病院よりも福利厚生面では充実しています。





■がんセンターでの看護師さんの仕事


がんセンターは、世界でも高水準にあるがん治療や研究、技術開発、治験などを行っているので、センター内の設備や医療機器なども一般の病院とは比較になりません。


がんセンターは、公的機関でありながら、がんに関する最先端の医療を患者さんに提供しているわけですが、「コンプライアンス」に関してもより厳格です。


ですので、がんセンターで働けば公務員扱いとなるため、福利厚生面で充実している点だけに魅力を感じているような人では、到底がんセンターでは勤まりません。


しっかりとした目標と目的がなければ、採用されることはありません。


患者さんの容態にあわせて、患者さんとそのご家族の意見を聞いた上で適切ながん治療を行いますので、治療方針も当然異なるため、対応するのは容易ではありません。


また、がんセンターでの看護師さんの仕事も配置される職場によって異なります。


医療のみとなる場合もありますし、メンタルヘルスが中心となる職場もあります。


将来的に「がん看護」の分野における認定看護師の資格取得を目指しているのであれば、個々の看護師さんのキャリアプランよって取得する資格の分野が異なります。


ですので、上述させていただいたとおり、早い段階で目的・目標を明確にすべきです。


そうしなければ、せっかく認定看護師の資格取得に向けて勉強を始めても、長くは続きませんし、がんセンターで働きつづけることすら難しくなってしまいます。




そのことを目的にしている看護師にとっては、認定看護師や専門看護師と接しながら、レベルの高い充実した看護の日々を送ることができるでしょう。


日々の生活に追われ、看護師として働きつづけるために必要な向上心が失われつつある看護師さんにとって、がんセンターのような職場には向いていないでしょう。


仕事中だけでなくプライベートでも、常に勉強しなければならないからです。


癌は、ほんの少し前まで不治の病とされていましたが、今でも難易度の高い疾患であることに変わりありません。日々癌を患っている患者さんと接するのは、正直大変です。


実際にがんセンターで働く人看護師さんの中には、仕事に関して精神的負担が大きいと考える方が少なくありません。ですので、マインドセットが何より重要になります。





■がんセンターで働き続けるために必要なこととは?


がんセンターで看護師が求められる役割は非常に多いです。


というのも、がん看護は疼痛緩和や化学療法、放射線療法だけでなく、患者さんとそのご家族の心のケアも行わなければならないので、非常に奥が深いです。


このため、センター側から、常に専門性の高い看護に関する技術や知識を身につけなければ働きつづける事はできません。ただ真面目に働くだけではダメなんです。


がん医療に関する幅広い知識を、絶えず習得しなければ、職場にいずらくなります。


それくらいがんセンターで働き続けることは、大変なんです。


向上心をたえず持ち続けることは、がんセンターで看護師として働く必須です。


認定看護師になって、がん看護のスペシャリストになるのも一つの手です。


がんを患って入院されている看護師さん以上に、看病するご家族は大変です。


時間的成約が多すぎるので、患者さんと冗談話で盛り上がるような時間がとれません。


しかし、患者さんやご家族の心の不安を和らげるためにも、看護師として適切な対応を取れるように努力しなければなりません。そのためにも向上心・探究心が必要です。


基本的に「がん」は依然として難易度が高い疾患です。


当然、患者さんの死に対する不安は想象を絶するものがあります。


すでに余命宣告を受けた方は、なおさら死の恐怖に苦しめられていますので、そうした恐怖心を少しでも和らげるのもがんセンターで働く看護師さんの重要な仕事です。


言葉にするのはたやすいですが、とても難しいことですよね。


ですので、看護師としてがんセンターで働き続けるためには、スキルアップだけでなく、日々の仕事を通して色々なことを学びながら、人間性も高めていく必要があります。