
今回ご紹介させていただく動画は、
「後期高齢者医療制度」導入後におきた
医療現場の歪を的確に報じたドキュメンタリーです。
古舘伊知郎さんが司会の報道番組の特集なんですが、
このころから、加速的に医療機関の経営が混乱し始めました。
正直身につまされる思いですが、しっかり現実を直視
しなければならないことを強く感じました。
9分程度ある動画ですので、ぜひお時間のあるときに
でもじっくり見ていただければ幸いです。
■超高齢化社会の厳しい現実
75歳以上の方が現在1321万になります。
これから75歳で向かっていく65歳上の方が
2819万人に達している日本であります。
はっきりいいまして医療制度がガタガタです。
といいますのは、この「後期高齢者医療制度」とセットとなっている
「医療費削減」、これがねらいなわけです。
後ろ見ていただきましょうか。
そもそも2006年度のですね。強行採決がありました。
ここからすべては始まりました。
医療費を削減するためにとにかく切っていこうということで...
今後期高齢者医療制度の話をしておりましたが
医療費削減で今度は長期療養ベッド、お年寄りがベッドから
追い出されるという現象が、この2006年以降、
現在もどんどん進んでいる、この現実が医療の現場であります。
■重症患者も病院から追い出される
3年前脳卒中で倒れた落合文次さん、
半身麻痺の後遺症が残り、この病院で治療を受けている。
意識が回復し、片言の受け答えもできるようになった。
今は安定した状態ながら、いつ急変必するかわからない状態だという。
リハビリを止めてしまうのは怖いですね。
先週末落合さんは、家族とともに呼び出しを受けた。
音待ち受けていたのは、入院打ち切りの通告だった。
今後のことについてちょっと、
厳しいお話なんだけれども、しなくちゃならないんですけれども。
どこかの施設なり、病院なりでね。
置いていただかざるをえないと、いうことになると思うんですよね。
■診療報酬大幅削減により病院経営はさらに逼迫
この病院は医療費削減の煽りを受け、今月末に長期入院型の病棟を
閉鎖せざるを得ない事態に追い込まれた。
落合さんは来週半ばまでに退院か転院しなければならない。
一定の期間ね。なんらかの手を相談して
考えていただかなくちゃならないと思うんですよ。
リハビリを含めて色々と良くしていただいている。
そういった状態があるので、今の機能が維持できるって
いうのがあると思うんですよね。
そういう状態を確保しないと、
それこそ水も飲めなくなってしまう。
リハビリを受けないと筋肉が硬直してしまう。
かと言って、24時間の自宅での看護はままならない。
■一体いくら蓄えれば生き続けられるのか?
長男の誠さんは、次の転院先を探す前に...
何箇所も何箇所もあたっていくというのが現状なんで。
ちょっと中々大変ですよね。
落合さんは、いまだ転院先が決まっていない。
医者のいる老人保健施設も探すが、
あまりにも高額なため、とても入れないという。
最低でも5000円とか7000円1日あたりかかりますよと。
結局月20万円を超えるような支払いが、それだけでもかかってしまう。
一体いくら蓄えがあったら命が持つのか。
長期入院型の病棟に入院する患者55人のうち、
ほとんどが退院を迫られている。
■すべてはこのときから始まった
なぜこうした事態になったのか?
全てはこの時から始まった。(2006年5月衆院厚生労働委員会)
2年前に強行採決された医療制度改革法案。
増え続ける高齢者医療の削減が目標となり、
こうした長期入院型のベッド数を大幅に減らすことが決まった。
(38万床から22万床、2012年までに)
このため病院に支払われる診療報酬が激減。
病院の経営が存亡の危機に立たされたのだ。
今でも赤字でやってますけども、
それがとてつもない赤字になってしまうということで...。
本当に悔しい、腹ただしい思いでいます。
医療費削減による切り捨ては、さらに深刻なところまできている。
そろそろ出なきゃなんないのかなとか。
(病気が)また悪くなっちゃうんじゃないかなとか。
重度の脳卒中患者でも、もはや行き場を失うかもしれない。
高齢入院患者の4人に1人は、脳卒中患者だ。
医療費削減の波はいよいよ
脳卒中と認知症の患者をターゲットにし始めた。
■重度の脳卒中や認知症患者さえ行き場がない
田中はるさんは、1年前脳卒中で倒れた後、
肺炎と心不全を併発し、重篤な状態に陥った。
今も酸素吸入と点滴で命をつないでいる。
入院から半年、田中さんはようやく意識が回復し始めた。
「うち、うちに帰る」
「なにうちに帰るの、もうちょっとな」
「この管がとれたらね。もうすぐだからね。」
帰れないんですよね。ぜんぶ管なんで。
治療していただかなかったら、もう本当に寿命が...。
重度の脳卒中や認知症で入院した場合、90日を超えたり、
人数が一定の割合を越えると、病院に対する診療報酬が
10月から原則、大幅に削減されることになったのだ。
いつ電話あるのかな。いつ病院から呼び出されて
「出てってください」と言われるのかなとかね。
考えて移動すると体調が悪くなるんですよね。
今安定してる状態だけども、ここまで来るのに
何ヶ月もかかっちゃったんですよね。
90日で治るなんて人は少ないんじゃないでしょうか。
重症化することが非常に多くなってますから。
■削減ありきの医療改革に不満続出
政府が打ち出した「医療制度改革」では、
高齢化がピークを迎える2025年には、
現在33兆円の医療費が56兆円にのぼると資産。
これを8兆円削減するためにベット数や診療報酬の削減。
そして、メタボ健診などの予防医療を行なうことを決めた。
さらにこのとき、医療費抑制のために
セットで導入されたのが「後期高齢者医療制度」だ。
急にね。年金天引きですよと。何の見返りがあるのでしょうかと。
いやぁ〜、それはこれから高齢化社会ですからというのではですね、
あまり見返りが無い中での負担増だけですよね。
やっぱり国民は納得しなかった。
専門家は負担を議論する前に、どこを削減し、
何が必要な医療なのか、セットで議論すべきと話す。
ジェネリック(後発薬)があるものに関してですね。
1兆円くらい医療費が浮くという、そういう資産もあります。
無駄、あるいはムラの部分はある。ただただですね。
医療費が増えるから、その請求書を付け回していると、
これは国民は不安極まりないですよね。
■今後どうなっていくのか?
本当にそうですね。
あの〜冒頭でお出になった息子さんが、
一体いくらお金の蓄えがあったら、命が持つのかっていう、
言葉が突き刺さりますよね。
世界第2位の経済大国日本の本当に厳しい現実ですよね。
いや〜ちょっとつらいですよね。
あの〜政治行政のですね。国の予算の配分のまずさがですね。
結果、まずベッド数を減らすっていう、
頑張ってきたお年寄りをベットから追い出すっていうね。
こういう無慈悲なことをやっていいのか、っていう問題ですよね。
専門家は指摘する通り、その高齢者の医療にはどんな医療が
必要なのかっていうのが出発点であるべきで、
まず医療費削減ありきではいけないと思うんですよね。
国民の生活を観てないと思うのは、例えば脳卒中や認証にかられて、
そしてご本人もそうですが、ご家族がですね、
介護する大変さ老老介護の問題もあります。
そういう現実がある中で、とにかくこの医療費適正化に向けた
ベッド数削減、というのは厚生労働省官僚が1ヶ月あまりで
机の上ではじき出したものであって
全く日々の生活を見てないと思うんですよね。
で療養型、長期療養型を辞めるにあたって、
中間的な施設が受け皿を持つんだと。
その受け皿の用意もないまま出てください。
これ死んでくださいって言ってるようなものですからね。
ですから、この医療制度をね。
まったく新しい形に作り直すのか、ちょこちょこと、
何か手直しするだけにするのか、ここはもう本当によく
我々が監視していかなければいけないところですよね。
政局が長く続いていることのツケが、
くれぐれもお年寄りに回りませんように
見ていかなければいけないと強く思います。
いつもほんとうにありがとうございます。
ぜひブックマークして頂きたく宜しくお願いします。