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■夜勤とうつ病の因果関係


常勤で働く看護師さんは日勤と夜勤の両方ありますが、「うつ病」を患った看護師さんの
中には、夜勤を行うようになってから、うつ病の症状に悩まされるケースが多いです。


しかし夜勤がある職場や職種は何も医療の世界だけではありません。工場勤務、トラック
ドライバー、警察官、消防士、深夜に営業するスーパーや飲食店なども夜勤に含まれます。


こうした人達も同じように「うつ病」を患う可能性が高く、実際に夜勤がない日勤だけの
人たちと比較すると非常に高いので、夜勤とうつ病の因果関係は否定できません。


継続して夜勤を行っている人たちの間では、「5年」が一つの鬼門とされています。


どういうことかといいますと、5年以上夜勤を行っている人の約30%が大なり小なりの
「精神疾患」を患っており、一方5年未満の場合は発症率が5%以下となります。


夜勤の仕事には、「うつ病リスク」を高める条件がそろっています。


日勤と夜勤の両方を行う「交代制勤務」によって、「生活のリズム」を一定に保つことが
非常に困難なうえに、少数精鋭で仕事にあたるため、看護師さん個人の負担が増えます。


ただ単に仕事量の問題だけでなく、「責任」も比例して大きくなります。


例えば患者さんの急変時の対応は、ちょっとした判断ミスで患者さんの命にかかわる事故
につながるので、ミスがゆるされないことから、強いストレスを感じることになります。


ストレスは「うつ病」の大きな原因の一つです。つまり真面目で責任感が強い看護師さん
ほど強いストレスを真正面から受けてしまうので、精神的に苦しむことになります。


つまり夜勤によって、肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。


心と身体の健康管理を自ら行うことをしないで、こういった厳しい状況が続けば、次第に
精神的に不安定な状態になり、徐々に「うつ病」の症状が表にあらわれてきます。


ですので、夜勤を行っている看護師さんは、「うつ病対策」を自ら行う必要があります。


こういったことは、意識するだけでも、かなり効果があります。自ら自分自身と向き合う
ことになりますので、心と体に「うつ病」が入り込む隙が生まれにくくなります。





■うつ病の最大の原因はストレス?


基本的に長期間に渡って夜勤を行っている看護師さんは、自律神経やホルモンのバランス
が次第に崩れていくので、うつ病以前に体調管理が非常に難しくなります。


もしなにもせずに、頑張り続けてしまうと体調を壊してしまいかねません。


また、夜勤の人間関係もストレスの大きな要因の一つです。


二交代制を採用している病院では、大抵夜勤は16時間前後拘束されることになります。


その間一緒に働く人達と協力しあって働くことになるわけですが、中にはどうしても合わ
ない人もいます。そうした人と一緒に働くとなると16時間は長過ぎますよね。


合わない人と一緒に働くと心と身体が苦しくなりますよね。より強いストレスを感じます。
しかも、その強いストレスを感じている状況で働くと、なんでもない凡ミスが多発します。


普段であれば前向きに捉えることが出来るものの、精神的に非常に落ち込みます。


鈍感力という言葉が一時的にちょっと話題になりましたが、その反対の「敏感力」です。


つまり、それほどまでに看護師さんの仕事は責任が重く、仕事の量がハンパではないので、
普通に仕事をしていたら、当然ミスが多発しますので、より注意が必要になります。





■自分でできる「うつ病対策」とは?


看護師は夜勤を長期間に渡って行う上で大切なのが、健康管理(体調管理)です。


中でも「食事」と「睡眠」は非常に大切ですから、しっかり自分にあった生活パターン
を作り上げて、仕事による心と身体への負担を出来るだけ抑えることが大切です。


夜勤をしながらでも、自分に合った生活のリズムを作っていきたいですね。


特に休日の過ごし方が大切でして、人によっては疲労が溜まりすぎて、一日中寝て過ごす
という人も少なくありません。しかしこれは逆に心と身体に良くありません。


オススメはウォーキングやストレッチなど無理なくできる軽めの運動です。


心と身体がいい感じでほぐれていきます。家に戻ったらシェワーが気持ちいいですよ。


これで大抵気分は晴れるのですが、これでも気分が落ち込んでしまい、自分で「うつ病」
を疑ってしまうくらい「おかしい」と感じたら、そのまま放置してはいけません。


すぐに職場の先輩や上司に相談しましょう。5年以上に渡って夜勤を継続して行った場合、
うつ病を患うケースは30%に達してしまうと言われています。これは驚異的数字です。


5年以上夜勤をやると10人に3人もの人が「うつ病」を患うことになってしまうわけで
すから、うつ病対策はキャリアに関係なく、取り組まなければなりません。


自分の身に何らかしらの問題が生じたら、出来るだけ小さいうちに問題を解決するために
動くことが大切であって、何でもかんでも我慢することが良いわけではありません。


何もせずに放置すれば、うつ病の症状が一気に悪化します。





■「うつ病かも?」と思ったら?


自分勝手な判断は間違いの元です。そうならないためにも、もし職場の上司に相談して、
心療内科や精神科で専門医に診てもらうように勧められたら、すぐに受診しましょう。


そして、専門医が下した診断結果とそれに対するアドバイスに必ず従ってください。


また「うつ病」と診断され、休職することになると一日中部屋の中にこもって過ごされる
ケースが非常に多く、それが続くと半寝たきり状態になってしまい、復職が遠のきます。


一日中家で過ごすとなると、著しく体力が落ちてしまいます。もし仮に復職したとしても、
身体がついていかないので、またすぐに休職することになってしまいます。


できるだけ朝早く起きて、ウォーキングやストレッチなど適度な運動を取り入れることを
オススメします。身体を動かさずに心の病を回復させようとしても、中々回復しません。


最初は家の周辺を5分くらい歩く程度から始めましょう。


好きな音楽を聞きながら(車に注意)ウォーキングすれば結構楽しいものです。


うつ病を発症される方の大半は、真面目で責任感の強い方なので、休みたくても職場の人
たちに迷惑をかけてしまうという思いから、仕事を休まない方が多いです。


また没頭できる趣味の時間を持つことも非常に重要です。


こうした趣味の時間を持てるようになると心を自然と癒やしてくれます。


しかも、うつ病になってしまった自分を責めてしまいます。


そうではなく、そこまで頑張って働き続けた自分をほめてあげることも大切です。


自分だけ自分の味方でなければなりません。自分をしっかり認めてあげましょう。


うつ病を長期化させないためにも、場合によっては一度退職して、夜勤のない職場に転職
するのも一つの手です。そうすることで規則正しい生活を送れるようになります。


そして、肉体的にも精神的にも健康なれば、自信を取り戻すことができます。そうなれば
再び病棟勤務に戻ることになったとしても、うつ病の再発を抑えられます。


とにかく自分で自分を抑えこまないことが大切です。