今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「乳がん」を特集したものです。
乳がんとは?といったことからはじまり、
実際に乳がんを発症し、全摘手術を受けら
れた方のお話も紹介されています。
一般の人達の「乳がん検診」に対する認識
の低さに驚かされましたが、それと同時に
乳がん治療の進化にも驚きました。
今回の動画は15分以上ありますので、
非常に長いですが、全ての女性にご覧頂き
たい素晴しい内容となっています。
■乳がんとは?
「中川久美さん」
みなさんこんにちは。
見る知る学ぶ「福島ドクターズTV」、
ナビゲーターの中川久美です。
ご自身のことはもちろんですが、
家族や周りの大切な人たちの健康って
とっても気になりますよね。
この番組では、身近な病気について
専門のドクターにお話を伺いながら、
地域の医療情報など健康に役立つ様々な
情報をお届けしてまいります。
今回のテーマはこちら「乳がん」です。
日本では一年間におよそ五万人の女性が
新たに乳がんになり、一万人の方が乳がん
のために亡くなっています。
日本女性の二十人に1人がかかるといわれ、
女性がかかるがんの第一位にもなっています。
一方で乳がんはがんの中でも
治りやすい病気といわれています。
キーポイントは「早期発見」。
乳がんとはどんな病気なのでしょうか?。
乳がんは母乳を作る部分にできる「がん」
と思われがちですが、ほとんどは母乳を
乳頭まで運ぶ管の部分にできます。
がんが管の中だけに
とどまっているときに見つけることが
できれば、ほぼ100%治りますが、
そこから外に出るようになるとしこりを
作ったり、体のあちこちに転移したりと
治療が難しくなってしまいます。
乳がんは、三十代から急激に増え始め
四十代、五十代で特に多く見られる
という特徴があります。
仕事に子育て、女性のライフステージ
の中で一番大事なところを犯す
がんが乳がんなのです。
■乳がんの原因について
「中川久美さん」
どうしてこの年代で乳がんになる人が
多いんでしょうか?。
「野水整医師」
その理由はですねえ、
閉経に生理が終わってしまう、
そういう時期に向かってですね
女性ホルモンが変化をしてくるという
ことが多分影響してるんだろうと
いうふうに言われています。
「中川久美さん」
県内でも乳がんを多く扱う郡山市の
星総合病院 乳腺外科の野水整先生
にお話を伺いました。
乳がんって年々増えているわけじゃない
ですか、これはどうしてなんですか?。
「野水整医師」
社会生活の欧米化とよく言われます。
その大きなものがですね、
「食生活」だと思います。
それかですね、昔の日本というのは
ある程度の年齢で結婚してですね、
子供をたくさん産みましたよね。
「中川久美さん」
はい。
「野水整医師」
それが、結婚年齢もだんだん高くなって
きてますし、子供を産んでも数が少ない、
ええまた授乳をしない人も沢山出てきますね
それから女性が社会進出してですね、
やはりストレスていうのも以前に比べると
すごく増えてるじゃないかという
ふうに思います。
「中川久美さん」
女性であれば誰でも成りうる危険性を持つ
とても身近な病気であることがお分かり
いただけたと思います。
では、「乳がん」から身を守るためには
どうしたらいいんでしょうか?。
■乳がん検診の現状について
「街頭インタビュー」
乳がんの定期検診は受けられてます?。
受けてません。
じゃ全く...?。
全くやってません。
市からくるんですけど
もうまたかって感じで...
なんか度胸がないんです。
そういう検診受けるっていう。
なんかちょっと怖いような...?
そう。
「中川久美さん」
乳房にしこりや窪みがないか?。
乳頭から分泌液は出ていないか?。
乳がんの症状を見つけるために
日ごろから自分で触診をする
ことはとても大切です。
でもそれ以上に大切なのが
「検診」を受けることなのです。
「野水整医師」
自己触診というのは
大事なことなんですね
それによって
小さなしこりも
見つかりますけども、
でも、そのしこりという
症状が出る前にですね
もっともっと
早い乳がんを見つけたい
というのがマンモグラフィ検診を
通じて見つけたいというのは、
まあ今のやり方なんですね。
■マンモグラフィ検診の重要性について
「中川久美さん」
こちらはレントゲンに映し出された
ごくごく早期の乳がんです。
この段階ではまだ「しこり」が
できていないので、触診をしても
がんを見つけることはできません。
マンモグラフィと呼ばれる
この乳房専用のX線撮影の検査を
加えることで触診などではわからない
早期のがんを見つけることが
可能になるのです。
ところがアメリカやイギリスなどの
先進諸国ではマンモグラフィー検診の
受診率が七十%から八十%もあるのに対し、
日本はわずか二十%程度に留まっています。
日本のマンモグラフィ検診の受診率っていう
のはどうしてこんなに低いんでしょうか?。
「野水整医師」
おそらくはですね、日本人というのは、
自分はならない、他の人がなっても
自分はならない、だからいかない。
でも欧米の人はまあ日本よりも
非常に乳がんになる人が沢山いますので
多分みんな誰もがなるんじゃないか、
だから検診に行くと、まぁそういうような
考え方の違いがあるのかもしれません。
「中川久美さん」
今、世界中で乳ガン検診の大切さを
呼びかける「ピンクリボン運動」が
展開されていますが、
十月に郡山市でもイベントが開かれ、
多くの人たちが体験者の声などに
耳を傾けました。
「検診受診者の声」
本当の初期のだったっていうんで、
もうね、今から二年過ぎでもうね
そのホルモンのお薬ですか?、
あれも飲まないし、今は三ヶ月に一辺
あの診てもらってるんだけで
本当に検診でやったおかげで、
良かったなぁと思って。
■最新の乳がん治療について
「中川久美さん」
乳がんは早く発見できれば、
九割は治すことができる病気なのです。
このあとは「今の乳がん治療」
についてお伝えします。
乳がんの治療は手術と薬物療法、
そして放射線治療が基本です。
これらをどういう順序で
どう組み合わせるかは患者さんの
症状によって変わります。
以前はがんの大きさを問わず乳房を
すべて取り除く全摘手術が主流でしたが
最近ではがんとその周囲だけを取り、
乳房をできるだけ残す「温存手術」
が増えています。
しこりが大きい場合は、
先に抗がん剤治療を行い、
しこりを小さくしてから手術を
することで乳房をできるだけ残す
方法もとられています。
また、乳房から近いところにある脇の下の
リンパ節はがんの転移が心配されるため、
昔は全部取っていましたが
後遺症などのリスクもあるため、
今ではがんが転移していない人は取らずに
済むケースが多くなりました。
薬もどんどん新しい物が開発されています。
■乳がんをしっかり予防するには?
病気になりますとね、
「仕事、子育てどうしよう?」
すごく色んな不安の中で
みなさんいると思うんですけども。
「野水整医師」
今この乳がんに対して、
こういろんなことが出来ます。
治療は色んな治療がありますよ、
ということをお話もするし
その支援の方法もですね、
色んなやり方がありますから、
決してそのガンと言われたって
死ぬというわけじゃないので、
頑張ってほしいというふうに思います。
「乳がんから生還した人達の声」
それもわたしに
一番合う抗がん剤があった
らしくてね、それをやったら
二ヶ月、三ヶ月ですかね、
肺の10何個できてたのと肝臓に2個
いってたのがキレイにないんですよ。
だから今こうやって
いられるんですけどね。
若い方たちがだいぶ乳がんになって
らっしゃいますけど、ねっ
それを落ち込むことなくね、
先生の治療の指導を受けながらやってけば
ねっ、あの私みたいに二十年元気で
いられるんじゃないかなと思います。
「中川久美さん」
私自身もまさに乳がん世代で今回のテーマ
はとても身につまされました。
でも乳がんは早く見つけることができれば、
治すこともできますし、発見が早ければ
早いほど治療の選択の幅も広がります。
ですからきちんと検診を受けましょうね。
乳がんの検診や診察は外科に併設されて
いることが多いんですが、「乳腺外来」
で受けることができます。
また、皆さんがお住まいの市町村でも
乳がん健診を行っています。
四十歳以上の女性を対象にしている所が
多いんですが、五百円〜二千五百円程度
の自己負担で受けることができます。
無料というところもありますので、
それぞれの市町村に問い合わせ
をなさってください。
また、乳がんに関する情報は読売新聞の
医療サイト「ヨミドクター」でも
詳しく調べることができます。
特集記事のほかいろんな方の体験談も
ご覧いただくことができます。
携帯サイトも新しく出来ましたので
御覧になってください。
■実際に乳がんを患った女性のお話
「医話Q題」
医話Q題のコーナーでは、お伝えしている
テーマをまたちょっと違った角度から
とらえてお届けします。
病気になりますと、家族の大切さを改めて
実感することも多いんじゃないでしょうか?。
今日はそんなお話です。
「乳がん手術を受けた体験者の声」
手術前はホントに
あの忙しかったんです仕事が、
忙しくて家事もろくにできない
そういう状況の中でも
本当に子供たちもうるさくて、「あぁ〜
もういなくなっちゃえばいいのにな」
と思ったこともあって
もうそんなことはもう全然、いてくれる
だけでも、一緒に生活できるだけで
幸せだなあと思えるようになりました。
「ご家族へのインタビュー」
矢吹町の富永裕美さんは
今から三年前に右胸を全摘する
乳がんの手術を受けました。
今でも三ヶ月に一度の通院治療を受けて
いますが、すっかり手術前と同じ生活が
送れるようになりました。
「中川久美さん」
お母さん病気になっちゃったじゃない...
「息子さん」
ハイハイ
「中川久美さん」
病気だって聞いたときどう思った?。
「息子さん」
びっくりしました。
しょうちゃんびっくりした。
「中川久美さん」
当時まだ小学5年生だった二男の恭輔君は、
入院したお母さんのためにクラスのみんなと
鶴を折って病室に届けました。
その時の鶴が今でも
大切に部屋に飾られています。
「お母さん」
鶴に一つ一つにメッセージが書いてあって、
「がんばってください。まさと」とか、
みんな子供の名前知っているんで
いや〜本当にあれはびっくりしまた。
うれしかったですね。
「中川久美さん」
子供たちは、
お母さんが病気になる前は、
あまりしなかったお手伝いも、
今では進んでやるようになりました。
「お父さん」
病気になる前は、いつも喧嘩ばかり
していましたが、病気になって初めて
妻の良さがわかりました。
夫婦ってこんなものかなと、
気づきました。
今後も妻に協力しながら
楽しい家族生活、夫婦生活を
送って行きたいと思います。
「中川久美さん」
今回仕事で話を伺えなかった
ご主人の明夫さんから取材した
私達に届いたメッセージです
裕美さんの病気は家族の絆を
これまで以上に強いものにしました。
「お母さん」
何気ない毎日の生活がどれだけ幸せかって
いうのが、気づけたという...
仕事に毎日行ける喜び、
そういうのも本当に病気を通して
知ることができたので
本当に私は乳がんになって
よかったなぁって、心から思ってます。
「中川久美さん」
お母さんってどんな人?。
「息子さん」
口うるせぇ人。
「中川久美さん」
家族で過ごす平凡な時間、
そのかけがえのない幸せなひとときが
今日も穏やかに過ぎて行きます。
命と向き合うような重い病気を背負った
とき不安な心を一番に支えてくれる存在、
それはやはり家族ではないでしょうか?。
病気になってしまったことで、
あらためて家族の大切さや絆の強さに
気づかされるのかもしれません。
家族と支えあう力が病気と戦う力に
つながっていくんでしょうね。
ではまた来月お目にかかりましょう?。
今回の動画はここまでとなっています。
乳がん検診を受けることにより、乳がんに
怯えたり、不安になることもなくなります。
マンモグラフィ検診を受ければ、より早期
発見が可能ですし、発症していたとしても、
薬物療法で進行を抑えられます。
そして専門医の指導を受けながら改善する
ことができるので、検診はやはり大切ですね。
いつも本当にありがとうございます。
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