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今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「女性の尿漏れ」を特集したものです。


尿漏れは女性特有の病気なのですが、
多くの方が老化による現象と捉えてしまい、
治療を受けない方が圧倒的に多いです。


骨盤周辺の筋肉の緩みによるもので、
薬物療法と簡単なエクセサイズで劇的に
尿漏れの症状が改善されます。


尿漏れで悩まれている方は
是非この動画をご覧いただき、
泌尿器科を受診していただきたいです。



今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときにでも
ご覧いただければ幸いです。
 
 
 

 
 
 
■尿漏れの症状と原因について


「中川久美さん」

みなさんこんにちは。


「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。



さて、せきやくしゃみをしたり、
大声で笑ったりした時に尿が漏れてしまう、
トイレに行きたいと思ったら我慢できない。


そんな症状で悩んでいる方は
いらっしゃいませんか。


今回のテーマはこちら「女性の尿漏れ」です。


症状の軽い人も含めれば四十歳以上の女性の
三人に1人は尿漏れを経験しているといわれ
ていますが、実際に医療機関を受診している
人は決して多くはありません。


尿漏れはなぜ起こるるのでしょうか、
まずはそのメカニズムから見ていきましょう。



「ナレーション」

女性の尿漏れは、
いくつかのタイプに分けられます。


もっとも多いのは、おなかに力が入ると
漏れてしまう「腹圧性尿失禁」と
呼ばれるタイプです。


通常、膀胱や尿道、子宮などは骨盤底筋と
呼ばれる沢山の筋肉や靭帯によって下から
ハンモックのように支えられています。


膀胱の出口や尿道は骨盤底筋に支えられ、
しっかりと閉められていることで簡単には
尿が漏れないようになっていますが、


骨盤底筋が緩んでしまうとお腹に力の
入った瞬間に締め付ける力が弱まって
尿が漏れてしまうのです。


星総合病院 泌尿器科部長
亀岡浩先生にお話を伺いました。



「中川久美さん」

なぜ骨盤底筋が緩んでしまうんでしょうか?。



「亀岡浩先生」

一番大きな影響があるのは出産です。


あれだけ大きなお子さんが産道を通ってくる
ので、骨盤底筋を押し広げてしまうんですね。

それで筋肉や靭帯を傷つけてしまうことが
あります。でも若いうちは筋力があるので
自然に回復するんですけども


年齢を経て徐々に筋力が落ちてくると、
その出産の時に受けたダメージが出てきて
骨盤低が緩んでしまうんですね。




■切迫性尿失禁の危険な症状とは?


「ナレーション」

出産の経験がなくても、年齢とともに筋力が
落ちることで尿漏れが起こりやすくなります。


さらに、肥満や慢性の便秘など常に骨盤底筋
に負担がかかる状態も緩みを招く原因になる
ので注意が必要です。


腹圧性についで多いのが
「切迫性尿失禁」と呼ばれるタイプです。


こちらは原因が腹圧性とは少し違います。


尿は腎臓で二十四時間休みなく作られ、
膀胱にためられます。


ある程度尿がたまるとトイレに行きたい
という信号「尿意」が脳に伝わります。


通常は尿意を感じても一定の時間トイレに
行くのを我慢できますが


何らかの原因でその仕組みがうまく働かなく
なると突然激しい尿意に襲われて間に合わず
に漏れてしまうようになるのです。



「亀岡浩先生」

切迫性尿失禁は膀胱が
過敏になることが原因で起こります。


脳梗塞などの脳の障害が原因で
過敏になることもあります。


あと膀胱が年をとることも
一つの原因となります。


膀胱がとても過敏になっているので、
ちょっとした刺激で強く反応
してしまうわけです。



「ナレーション」

切迫性尿失禁はほんの少し尿がたまったり
冷たいものに触れたりといった、ちょっと
した刺激が引き金になることもあります。


また、「腹圧性」と「切迫性」の両方を
併せ持つタイプの人もいます。


尿漏れは女性に多い病気ですが、その理由は
女性ならではの体の構造にあります。


1つには男性の尿道がおよそ20cmと長く
L字型に曲がっているのに対し


女性の尿道は3〜4cmと短く、
まっすぐなためで、もともと尿が漏れやすい
構造になっているのです。



「中川久美さん」

尿漏れは女性なら誰もが成り得る病気である
ことがお分かりいただけたと思います。


ところが多くの女性が困っているのに、
尿もれに対して正しい知識を持っている
人は少ないようです。




■尿漏れに苦しむ人達の苦悩とは?


「中川久美さん」

最初ってどんな感じだったんですか?。



「60代患者さん」

犬の散歩するときに
すごいうちの犬はダッシュで
走るんですよ。


最初それと一緒に走ってたんですけど、
ちょっとその時に症状が出て...



「50代患者さん」

私の場合は、子供の運動会で
親子リレーがあるんですけど、


親が走った時に、
もう走った瞬間にもれちゃったんで、
一応走りきったんですけど



「30代患者さん」

行きたいという時に、
走ってでもトイレに行ければ
まだいいんですけど


したいと思った瞬間に出ちゃうんです。


誰もいなければ、しゃがめば我慢できるん
ですけど、仕事で接客とかしてると
しゃがむわけにもいかなくて...




「ナレーション」

尿漏れの症状があると外出や運動も
制限されるなど、生活に支障が出てきますが、
実際に医療機関を受診する人は
あまり多くはありません。



「70代患者さん」

母親がものすごくやっぱり(トイレ)が
近い人だったので、あぁ母に似てるんだな、
くらいにしか思っていませんでしたね。


だから尿もれって、病気なのかしら...
なんて、思わなかったですね。



「50代患者さん」

恥ずかしいのもあるんですけど、
それが一番なんですけど



「ナレーション」

多くの人は尿もれを病気と受け止めず、
年のせいだから仕方がないと
あきらめているようです。


また、命にかかわらないからと
我慢しているケースや恥ずかしさから
誰にも言えずに一人で悩んでいる
ケースも多いようです。



「亀岡浩先生」

尿漏は放おっておくと
どんどん悪くなってしまいます。


病気でないと思ってる方や病院に行っても
治らないじゃないかと思ってる方も
多いんですけども


尿がもれて、家から出たくなくなったり
皮膚がただれたりして気持ちが滅入ったり
するのはよくないですよね。


尿漏れは病気なので早めに適切な治療を
受けることが大切です。



「ナレーション」

尿に関わる病気の治療を
専門に行うのは「泌尿器科」です。


泌尿器科は男性の患者さんばかりという
イメージが強く、女性は敬遠しがちですが、
最近は婦人泌尿器科など女性のための
専門外来を設けるところも増えています。


産婦人科や婦人科でも尿漏れの治療を受ける
ことはできますが、その場合には気を
つけたいことがあります。



「亀岡浩先生」

例えば、行った先の婦人科の先生が
尿失禁のメカニズムをよくわかって
いればいいんですけども


中には尿失禁んだったら、
一律この薬というふうに間違った治療を
されてるケースもあるんですよね。


ですからそのあたりは慎重に
されたらいいと思います。



「ナレーション」

産婦人科や婦人科を受診する場合は
尿漏れの専門知識を持った医師のいる所で
受診するようにしましょう。


診察は問診と尿検査、せきをした時に尿が
漏れるかどうかを調べる検査など、
ごくごく簡単なものが中心です。




「中川久美さん」

このあとは尿漏れの
治療についてお伝えします。




■尿漏れの最新治療について


「ナレーション」

尿漏れの治療は、
それぞれのタイプによって
変わります。


「腹圧性尿失禁」は「骨盤底筋体操」と
 呼ばれる筋肉のトレーニングが
 治療の中心になります。


膀胱や尿道を支えている筋肉を
鍛えることで症状が軽い人は尿もれを
改善することができるのです。


現在、尿漏れの症状がない人も
予防になるので一緒に体操覚えましょう。


星総合病院で尿失禁などを専門に
担当する看護師の永崎真利子さんに
教えていただきました。


まずは日常生活に取り入れやすい
座った姿勢でやってみましょう。



「永崎さん」

軽く足を肩幅くらいに開いてください。


はい、それで肩の力を抜いて、はい、
えーとですねこのクマちゃんのですね、
お尻の部分ですね...


あのおならを我慢する時のようにお尻を
キュッとしめてみてください。


はい、いいです。



「中川久美さん」

ああすごい力が入る...



「永崎さん」

中川さん随分全身に力が入ってるように、
ここの胸郭とこの臀筋に力が入って、
体が動く方は実はおしりの周りに
上手く力が入っていない事が多いんですね。



「中川久美さん」

こういうふうに動いちゃいけないんですね。



「永崎さん」

そうなんです。



体の力を抜いてお尻だけに力を
入れるつもりでギュッと締めます。


息を止めないことがポイントです。


お風呂の中でお尻に触りながらやってみると、
正しくできているか確認しやすいようです。



「ナレーション」


仰向けに寝たり、机に手をついたり、
日常生活のいろんな場面で毎日
繰り返し行いましょう。


体操の効果が表れるまでに二、三ヶ月は
かかるので根気よく続けることが大切です。


また、尿道を締め付ける力を強めて
尿漏れを起こしにくくする薬を使う場合も
ありますが、原因を根本的に治すわけでは
ないので体操と併用することが大切です。


そして体操や薬で効果がない
重症の場合は手術が行われます。


今は主に行われているのはメッシュ状の
テープを使って尿道を下から支える方法です。


おなかに力がかかっても
テープが尿道を支えるため
尿漏れを防ぐことができます。


この手術は一センチほどの小さな穴を下腹部
など三か所に開けるだけなので体への負担も
少なくすぐに効果が表れる方法
として期待されています。


また、切迫性尿失禁は薬による治療が中心で、
抗コリン薬という膀胱の過剰な反応を
抑える薬が主に使われます。


口が渇いたり、便秘になりやすくなったり
しますが、ほとんどの症状は薬で
改善すると言われています。




■実際に治療を受けた患者の声


「中川久美さん」

勇気を出して病院にかかってみていかがですか?



「30代患者さん」

薬がちゃんと効いているのも
あるんだと思うんですけど


薬を飲んでいるから大丈夫と思えるのも
あってか、本当に薬を飲んでいる
ときは大丈夫で...



「60代患者さん」

もう全然なんともないし、
先生に言われたとおり手術したら
即大丈夫ですよって言われて、
そのとおりでした。


だからとっても今、楽です。



「中川久美さん」

よかったですね。



「60代患者さん」

今は犬の散歩でも、
なんでも一生懸命走ってやってます。



「中川久美さん」

走っても大丈夫ですか?



「60代患者さん」

走ってもだいじょうぶです。



「中川久美さん」

尿漏れで悩んでいる多くの女性に快適な
生活を取り戻してほしいですね。



「亀岡浩先生」

あの皆さんの話を聞くと、
長い間本当に悩んで本当にもう敷居を
またぐようにね、決死の思いで
いらっしゃる方が多いです。


実際治療されると、
なんで今までこんなことをしてこなかった
のかっていうくらい良くなって


もっと早く来ればよかった
という方がほとんどです。


ですから尿漏れは病気ですから
是非適切な治療を受けて良くなって
欲しいと思います。



「中川久美さん」

今回取材させていただいた
郡山市の星総合病院では、毎週水曜日の
午後三時から二時間尿漏れに関する
相談を電話で受け付けています。


電話番号は024−923−3711です。


泌尿器科の医師や看護師が相談に
のってくれるということです。


なお、尿漏れに関する情報は
読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」
でもご覧いただくことができます。


是非ご覧ください。


それでは、また来月お目にかかりましょう。
息切れしたり咳や痰が続いたりしていませんか?。


次回は肺の生活習慣病といわる
「COPD」がテーマです。



医療サイトヨミドクターの記事を紹介する
「ヨミドクタープラス」。


元気なお年寄りが増えています。


聖路加国際病院理事長日野原重明さん満百歳。


ヨミドクターでは日野原さんのブログ
百歳からの人生を連載中です。


日野原さんは「生活習慣病」という
言葉を広めたことでも有名です。


五月三十日の記事では、糖尿病を持っている
患者には色々な合併症が生じ、その六番目
に来る合併症に歯周病があることが


一般の人はもとより、
医師や看護師その他の医療職者の間にも
知られてはいないようである。
と書いています。


100歳になっても医療への
警鐘を鳴らし続ける日野原さん


またこのブログには読んだ方がコメント
できる機能もついていて、双方向コミュニ
ケーションも可能です。


読んで楽しい、そして元気のもらえる
ブログ情報はヨミドクターの
サイトでチェック。




今回の動画はここまでとなっています。


やはり、泌尿器科には通いにくいですよね。
違う病気と思われるのが恥ずかしいと考えて
しまう方も少なくありません。


しかし、実際に治療を受けられた方々の声
にもあったように、治療を受ければ短期間
で症状が劇的に改善されます。


勇気をもって泌尿器科を受診して欲しいです。


いつも本当にありがとうございます。

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何卒よろしくお願いします。