今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「大腸がん」を特集したものです。
大腸がんが怖いのは、発症しても症状らしい
症状がほとんどないことです。
初期の段階で見逃してしまうことも多く、
発見したときには、かなり進行してます。
今回の動画では、大腸がんとは?から始まり
大腸がん検査や大腸がん治療も解説してます。。
今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときにでも
ご覧いただければ幸いです。
■大腸がん症状と原因とは?
「中川久美さん」
みなさんこんにちは。
「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。
さて、がんは恐ろしい病気ですが、
種類によって進行が遅い、治りやすいなど、
様々な特徴があります。
今回は多くのがんの中から
こちら「大腸がん」を取り上げます。
大腸がんになる人は急激に増えていて、
日本では毎年十万人以上が新たに大腸がん
になり、四万人を超える人が
亡くなっています。
女性がかかるがんの中では亡くなる人の数
が最も多く、男性では肺がん、胃がんに
次いで三番目に多いがんでもあります。
大腸がんとはどんな病気なのでしょうか。
「ナレーション」
大腸は小腸で消化しきれなかった食べ物を
分解したり、水分を吸収したりして、
残りカスを便にする働きをしています。
長さは1.5メートルから2メートル程で、
結腸と直腸の二つに分けられます。
がんは大腸の中でも肛門に近く、
便を長い間ためておく直腸とS状結腸
にできやすいと言われています。
郡山市の総合南東北病院院長で
外科の寺西寧先生にお話を伺いました。
「中川久美さん」
なぜ大腸がんになる人が
増えているんでしょうか?。
「寺西寧先生」
それはですね、
食生活の欧米化だと思うんですよ。
アメリカではですね
非常に大腸がんの発生率が高いわけです。
日本ではですね、昔は食物繊維を多く採って
いたんですけども、最近では食生活の欧米化
によって、高脂肪食、肉類とかですね
そういうものを食べるようになって、
肥満体質になって、それが大腸がんの発生
につながっているんだと思います。
「ナレーション」
また、お酒をたくさん飲むことも大腸がんの
発生に影響があると言われています。
こちらはアルコールの
消費量の変化を表したグラフです。
昭和四十年からおよそ三十年の間に
二倍以上に増えています。
その他タバコや運動不足などの生活スタイル
が大腸がんが増える大きなリスク
と考えられています。
■大腸がんの遺伝に関する影響について
「中川久美さん」
身内の方に大腸がんの方は?
「60代男性患者」
誰もいないんですよ。
うちの父も母も、
寿命をまっとうしているんですね。
80歳、90歳近くまで生きましたし、
誰もいないです。弟も違いますし
「中川久美さん」
身内の方に、大腸がんの方っていうの
はいらっしゃいますか?
「70代男性患者」
(身内に大腸がんは)いないです。
「中川久美さん」
そうすると大腸がんという
病気については考えたこともない?。
「70代男性患者」
(大腸がんについて)考えたことはないですね。
「ナレーション」
家族など血縁関係のある人に大腸がんの人
がいると体質的にかかりやすいという傾向は
ありますが、大腸がんは生活習慣が要因
となって誰もが成り得る病気なのです。
■大腸がんを早期発見するには?
「中川久美さん」
大腸がんは別の場所に転移してしまうと治療
が難しくなりますが、大腸の中にとどまって
いる段階では高い確率で治るのが特徴です。
どんな病気にも共通することですが、
大切なのは「早期発見」です。
「ナレーション」
大腸がんには便に血が混じる、
便が細くなる、お腹が張る便秘と下痢を繰り
返すといった症状がありますが
早期のうちはこうした症状を自覚することは
ほとんどありません。大腸がん検診の基本は
便潜血反応と呼ばれる検査です。
大腸がんには大腸の粘膜にポリープが出来て、
それががんになるものと粘膜に直接がんが
できる2つのタイプがあります。
初期のがんは盛り上がったタイプが多いため、
便が通過する時に擦れて便に血液が
混じる事があります。
そこで便を採取して血液が混じっていないか
を調べることで、がんなどの病気が
ないかを推測するのです。
がんやポリープがあっても
必ずしも出血するわけではありませんし
出血していても、その時に出た便に
血液が混じるとは限りません。
早期発見の可能性を高めるために、
便の「採取」は二日続けて行ないます。
「中川久美さん」
肉や魚を食べた後、その血液が便に混じって、
反応するということはないでしょうか?。
「寺西寧先生」
昔はですね、その動物の血液とか、
あとは野菜に含まれる鉄分などにも
反応してしまったので検査の前には
食事制限が必要だったんですね。
でもですね、今は新しい便の検査方法が
開発されましたので、人の血液にしか
反応しないようになってるんです。
「ナレーション」
便潜血反応は大腸がんを見つけるための手軽
な検査方法ですが、受けている人は
決して多くありません。
福島県の大腸がん検診の受診率はおよそ
二十九%。全国平均はやや上回っているもの
の残りの七割の人は全く受けていないのです。
「寺西寧先生」
有症状といいまして、ちょっとお腹の調子が
悪いとか、何か症状が出てから病院に来て
がんが見つかると、やはりある程度病気が
進んでいる場合が多いんですね。
だけど、検診で見つかったがんは
特に大腸がんを早期に見つかるという
ことが多いんですよ。
■大腸がんを早期発見できた患者の声
「中川久美さん」
何がきっかけで(見つかったんですか?)
「60代女性患者」
やっぱりあの市の検査ですね、保健所の検査。
便検査だったんですけども、2本とったうち、
1本に(潜血反応が)あると言われて...
「中川久美さん」
弁の検査は定期的に受けていらしたんですか?
「70代男性患者」
いやいや、今度だけは受けたら、去年ね、
ちょうど、引っかかった。
「中川久美さん」
よかったですね。
「70代男性患者」
(大腸がんが見つかって)よかったです。
「中川久美さん」
皆さんがお住まいの市町村でも
大腸がん検診を行っています。
300円から500円ほどの
自己負担で受けることができます。
無料のところもありますので、
詳しくはそれぞれの市町村に
問い合わせてみてください。
検査で血液反応が出た場合は、
大腸カメラを使った検査を行います。
決して楽な検査ではありませんが、
命には代えられません。
この後詳しくお伝えします。
■最新の大腸がん検査について
「ナレーション」
お尻からカメラを入れて大腸の中を直接観察
する「大腸内視鏡検査」は便がある状態では
検査ができないため、二リットルの下剤を
飲むことから始まります。
スポーツドリンクを薄めたような味で
この下剤を飲むのがつらいという
人も少なくありません。
およそ二時間かけてゆっくり飲み、
飲み終わったら便が透明に近くなるまで
トイレに通います。
そしてお尻に切れ目が入った検査用のパンツ
に履き替えたらいよいよ検査開始です。
大腸カメラ初体験という方の
検査が始まりました。
「医師」
お腹にカメラが入っていきます。
「40代男性患者」
はい。
「医師」
お腹が張った感じがしますけど、
なるべくつらくないように工夫しますので。
「40代男性患者」
はい。
「ナレーション」
緊張を和らげるように
医師が優しく声をかけます。
大腸カメラは胃カメラより少し太いだけで
構造はほとんど同じです。
カメラは大腸の中を鮮明に
映しながら奥へと進んでいきます。
「医師」
じゃあここでゆっくり天井向きますよ。
仰向けになりますね。
お膝曲げた状態でお願いしますね。
台、狭いので気をつけてください。
今は痛くないですか?
「40代男性患者」
はい。
「ナレーション」
大腸の状態にもよりますが、検査は慣れた
医師が行えば10分前後で終わります。
■大腸がん検査を受けた患者の声
「中川久美さん」
いかがでした?。
「40代男性患者」
思ったより、特別、違和感もなく、
そんなにつらい検査ではなかったので...
「中川久美さん」
何の問題もないですよ
と言われてよかったですね。
「40代男性患者」
気分的にも体的にもほんと軽くなりましたね。
「中川久美さん」
大腸カメラっていうのは、
やっぱりなかなか勇気が出ない
方も多いですよね。
「西野徳之医師」
大腸カメラって、
怖いという噂が広まってると
思うんですよね。
痛いとか怖い、
あとはお尻という恥ずかしい
場所ということで、抵抗感は
多いと思うんですが
実際にそれほど痛いという患者さんは
決して多くないんですよね。
医師によっても技術の差というのは
多少はあるでしょうけども
やっぱりこういう増えてきている病気、
特に命をとられてしまうかもしれない
「がん」という病気を診断するためには
そこは頑張って受けてもらったほうがいいん
じゃないかというのが我々の考え方ですね。
「中川久美さん」
西野先生は便の検査で例え陰性になっても
がんはないとは言い切れないので
四十歳以上で身内に大腸がんの人がいるよう
な場合は内視鏡の検査を定期的に受ける
ことを勧めると話していました。
また、便をする時に出血しても痔だと思って
ほうっておく人がとても多いということです。
出血をする便秘や下痢が続くなどの症状が
ある場合は、必ず内視鏡の検査を
受けるようにしましょう。
続いては大腸がんの治療です。
■大腸がんの治療について
大腸がんの治療は手術と抗がん剤、
そして放射線治療が基本です。
これらをどういう順序でどう組み合わせる
かは症状によって変わります。
中心になるのは手術で早期であれば
内視鏡でがんを切り取ります。
ポリープ状に盛り上がったガンは根元に
「スネア」と呼ばれるワイヤを引っ掛けて
電流を流して焼き切り、がんを取り除きます。
もり上がっていないタイプのがんは、
がんの下に液体を注入し、少し盛り上げて
から電気メスで剥がす方法もあります。
また、がんが進行している場合、以前はお腹
を切り開く手術しかありませんでしたが
最近は体の負担を考えてお腹に五箇所ほどの
小さな穴を開けて、そこから内視鏡や器具を
入れて手術をするケースが増えています。
さらにここ十年ほどは薬の進歩もめざましく、
治療効果の高い薬がどんどん開発されています。
「60代男性患者」
この病気の悪いところは
腸が痛くないんですよ。
手術する前は何の症状もなかった。
だから、自分で信じられなかったですね。
最初言われた時には
夢を見ているんじゃないかと思いました。
早めに見つかってよかったと思ってます。
「中川久美さん」
手術が終わって今いかがですか?
「70代男性患者」
今はご飯も食べられるし、
全然悪いところはないです。
「中川久美さん」
普通の暮らしが出来ている?
「70代男性患者」
普通の暮らしができています。
少し農家やってるから
農家を喜んでばあちゃんと
二人でやっています。
「中川久美さん」
大腸がんの治療は
ものすごく進歩しているんですね。
「寺西寧先生」
ええ、そう思います。
今までだったら絶対手術だったというものが
内視鏡で取れるようになりました。
お腹を大きく切らないで
小さな傷で治せる時代になってきています。
それと肛門に近い直腸がんの手術ですが
10年前だったら、人工肛門にしなければ
ならなかったんですけども...
現在は半分以上の人は人工肛門に
ならなくて済むようになりました。
そのほか患者さんにあった
治療方法がいろいろありますから、
病気になったからといって
あきらめないで頑張って欲しいと思います。
「中川久美さん」
大腸がんは早く見つければ治すことも
できますし、発見が早いほど治療の
選択の幅も広がります。
そのためにはまず消化器内科や消化器外科
で検診を受けましょうね。
なお、大腸がんに関する情報は
読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」
でもご覧いただくことができます。
ぜひご覧ください。
それでは、また来月お目にかかりましょう。
次回は日本人の五人〜七人に1人がかかると
いわれる皮膚の病気「帯状疱疹」がテーマです。
「ヨミドクタープラス」
医療サイトヨミドクターの記事を
紹介するヨミドクタープラス。
これから年末にかけて、ノロウイルスによる
感染性胃腸炎や食中毒、年明け以降は
インフルエンザ患者数が急増します。
特に体力や免疫力が低下しているお年寄りが
感染すると生命にかかわることがあります。
家庭でのインフルエンザ予防は
やはり帰宅時のうがいと手洗いが一番、
アルコール消毒が有効なので市販の
消毒液を使うのも良いでしょう。
また咳やくしゃみが出る場合は、家庭内でも
マスクをして感染経路を絶ちましょう。
ノロウイルスにはアルコール消毒が効かない
ので、石鹸でよく洗いましょう。
カキなどの二枚貝は85度で1分間行以上
加熱して食べましょう。
家族が協力して冬を元気に乗り切る!
ノロウイルス、インフルエンザの対策も
ヨミドクターのサイトでチェック。
今回の動画はここまでとなっています。
やはり、「早期発見」には大腸がん検査を
受けることが大切なんですね。
しかし、今回の動画を見て、大腸がん健診
勇気が湧いてこないので今だに受けてません。
いつの日にか勇気をもって「消化器内科」
を受診したいと思います。
いつも本当にありがとうございます。
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