今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「パーキンソン病」を特集したものです。
パーキンソン病は、足や手が震える病気で、
厚労省から難病に指定されています。
このため不治の病のように思われがちですが、
薬物療法を中心に治療法がかなり進化してます。
一番怖いのは、あまりのショックで落ち込ん
でしまい、動かなくなることです。
症状がどんどん悪化してしまうので、
日常生活に支障を来すことになりかねません。
今回の動画では、パーキンソン病の
原因や症状、治療も解説してます。
今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときにでも
ご覧いただければ幸いです。
■パーキンソン病の症状と原因について
「中川久美さん」
みなさんこんにちは。
「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。
さて身近な病気について専門のドクターに
話を伺うこの番組今回のテーマはこちら
「パーキンソン病」です。
タレントの永六輔さんやボクシングの元世界
チャンピオン・モハメドアリさんなどが
患ったことで病名は知られていますが
具体的にどのような病気かは
あまり知られていないのかもしれません。
パーキンソン病は脳の病気で、
足が震える歩きにくくなる、
また匂いが分からなくなる
などが主な症状です。
特別な病気というイメージがありますが、
決してそんなことはありません。
パーキンソン病とはどんな病気なのでしょうか。
「ナレーション」
この病気の会議になるのは脳の中で作られる
ドーパミンという物質です。
ドーパミンは体を動かすという脳からの運動
の指令を筋肉に伝える働きをしています。
通常脳の中には
十分な量のドーパミンがあって
運動の情報を筋肉に伝えて体を
スムーズに動かすことができます。
ところが何らかの原因で
ドーパミンが減ってしまうと
運動の情報がうまく伝わらず、
動きにくくなったり
自分の意思とは関係なく、
手足が震えるようになったりするのです。
病気が進むと、「介助」が必要に
なることもあります。
竹田綜合病院 神経内科科長の
石田義則先生にお話を伺いました。
「中川久美さん」
なぜドーパミンが
減ってしまうんでしょうか?。
「石田義則先生」
えーとですね、脳の組織の中にドーパミンを
作る細胞群というのがありまして
その細胞群のドーパミンを作る細胞が徐々に
壊れて死滅してしまうということで、
ドーパミンの量が減ってしまいます。
で、ドーパミンの量が減ってしまうことで、
運動の症状やその他の症状が出てきて
しまうということになりますね。
ただその大本のそのドーパミンを作る細胞
がなぜ死滅してしまうのかという根本的
な原因が分かってないので
現時点では難しい病気、
難病だと言われるわけです。
ただその加齢なんかが影響している話は出て
はいるんですけど、まぁそれだけが原因では
ないので、まぁ色んな視点から原因究明の
研究が進んでいるという段階です。
■パーキンソン病の認知度とは?
「ナレーション」
パーキンソン病は、分かっていない部分が
多いためか、一般には身近な病気という
イメージが薄いようです。
「中川久美さん」
パーキンソン病という病気はご存じですか?。
「一般の女性」
聞いたことはあります。
「中川久美さん」
どんなイメージを持たれてます?。
「一般の女性」
なんか、はっきりはわからないですけどね。
「中川久美さん」
パーキンソン病という病気はご存じですか?。
「一般の男性」
名前だけは聞いたことが
あるんですけど、それぐらいですね。
「中川久美さん」
イメージというのは、何か持たれてます?。
「一般の男性」
特に深いイメージはないんですけども、
難病っていうような印象しかないんですが
「一般の女性」
だんだんなんていうの、
筋肉が衰えていくんだよね。
違うかな?いろんな病気があるから
「中川久美さん」
症状って、具体的にイメージできます?
「一般の女性」
うーん、わかんない。
「ナレーション」
バーキンソン病は五十代、六十代を中心に、
ほとんど遺伝に関係なく発症する病気で、
その患者数は年々増えているといいます。
「石田義則先生」
パーキンソン病のパーキンソンというのは、
実は発見した人の名前なんですよね。
そうすると、その発見した人の名前が
そのまま病気の名前になってますから、
なかなか症状の想像がつきにくいですから、
なかなか認知されにくいんじゃ
ないでしょうかね。
ただその福島県全県でいうとだいたい計算
で言うと三千人ぐらいの人がいますから
あの特別な病気ということでは
ないんじゃないかなと思うんです。
僕がその将来なり得るかもしれないし、
誰でもがなり得る病気なんで
しっかりとした知識を持つことが
大事なんじゃないでしょうか。
「中川久美さん」
難病といわれるパーキンソン病ですが、
治療法の研究は飛躍的に進歩しています。
原因がわからないため、残念ながら予防す
ることが難しいのですが。
早く見つけて治療を始めることで
長い期間安定した日常生活が送れる
ようになってきました。
早期発見のためのポイントを詳しく
見ていきましょう。
■パーキンソン病に苦しむ患者の苦悩とは?
「中川久美さん」
何か症状はありましたか?。
「60代女性患者」
左の脚の動きがちょっとおかしくて、
かかとの方が浮いた感じになって
パッタンパッタンって音がしている
からおかしいって孫に言われて
それから、だんだん仕事をやってても
仕事が思うようにいかなくて、
手の動きが悪くなったり...
「70代男性患者」
何をやってもうまくいかない
例えば麻雀が一番だめだった。
こう、積めないわけ、自分の数がだいたい
決まっているんだけど全然、積めない
「中川久美さん」
パイを動かせない?
「70代男性患者」
そうそう。ガチャッとなったり、
うまくポンと積めない。
それが一番感じました。
「70代男性患者」
お茶を飲んでいたんですよ。そしたら、
何の気なしに(右手が)ふるえたので、
「あれ?どうしたのかな何だこれ?」
なんてふたりで...
それで「止まるの?」って(妻が)言うから
(止めようとしたら)ピッと止まった。
「中川久美さん」
急に震えるようになったんですか?
「70代男性患者」
そうなんです。その前は何もなかった
「ナレーション」
パーキンソン病の代表的な症状は、
やはり運動機能に見られます。
最も多いのが、手や足の震えです。
パーキンソン病の場合は何もしないで
リラックスしている時に起こり
体を動かすと治まるのが特徴です。
最初は左右どちらかの手や足が時々震える
ようになり、病気が進行すると、反対側にも
広がって震えている時間も長くなります。
また、筋肉がこわばってスムースな動きが
できなくなったり、一つの動作を始めるまで
に時間がかかったりすることもあり
病気が進行すると、
体のバランスが取れなくなって
転びやすくなります。
一歩一歩が刻みになり、
表情が乏しくなり、声が小さくなって
ボソボソ話すようになるなどは
家族など周りの人が本人よりも
先に気づきやすい症状です。
また、運動機能だけでなく、
体の様々な不調として現れることもあります。
「石田義則先生」
パーキンソン病って元々はその運動の症状で
だんだん動けなくなっちゃう病気っていう、
概念だったんですけども
最近はその運動症状以外の病気、
非運動症状といって、運動とは関係のない
症状が比較的早い段階からみられると
言われるようになってきました。
まぁ代表的なのが嗅覚の障害で、
あの臭いが分かりにくいといった症状や、
あとはうつ症状、あと便秘などといった
自律神経の症状なんかもあります。
そういった症状というのは
直接パーキンソン病とはイメージ
として結びつきにくいので
中々わかりにくいことがあるんですけども、
結構早い段階から見られてることがあるので、
まぁそいういう症状がある人が
運動症状が加わってきたら、
早めに専門の医療機関なんかを
受診されたほうがいいかと思います。
「ナレーション」
パーキンソン病は年齢が高くなるにつれて
患者が増える傾向にありますが
病気と認識して正しい治療を受けている
お年寄りは決して多くはありません。
「石田義則先生」
比較的若い方だと、動かなきゃいけない時に
動けないということで早く医療機関を受診
することにつながるんですけども
ご高齢の方だと、
まあ歳のせいだと言われて
放置されてしまうことがよく
あるんだと思います。
会津なんかだと、高齢化率も高いので、
「あそこのおじいちゃんも
そんな歩き方だったし、年だから
しょうがないんじゃないの?」
と言われて、医療機関を受診しないままで
済ませてしまう人も沢山いるのでは
ないかと思うんですよね。
困っている人もいるかと思うので、
きちんと医療機関を受診して治療を受けると
よくなる人がたくさんいるん
じゃないでしょうかね?
「ナレーション」
パーキンソン病の厄介なところはMRIなどの
脳の画像検査では異常が確認されない点です。
このため、専門医の総合的な
診断が頼りとなります。
「中川久美さん」
便秘やにおいに関する障害も症状の一つ
というのは意外な印象でした。
パーキンソン病が疑われる症状があったら、
できるだけ早く神経内科を受診する
ことをお勧めします。
このあとはパーキンソン病の治療
についてお伝えします。
■パーキンソン病の治療について
「ナレーション」
パーキンソン病の治療の柱は薬物療法です。
中心になるのは脳の中で
ドーパミンに変化する薬で、
減ってしまったドーパミンを補います。
この薬は運動障害の症状を劇的に
改善しますが、長い期間使っていると薬の
効果が出にくくなり、症状がよくなったり
悪くなったりする場合があります。
この問題を解決するためにドーパミン
そのものに変わるのではなく、
脳の中でドーパミンと同じ働きをする
薬も開発されました。
症状に合わせて
この二つの薬を組み合わせたり、
単独で使ったりします。
飲み薬が中心ですが、
最近は自分で注射するタイプやはり薬も
登場し、患者の状態に合わせて使用する
ことでより長く安定した薬の効果が
得られると期待されています。
パーキンソン病は症状をコントロールする
薬や治療法が次々と開発されていますが、
自ら体を動かすことも大きな効果を生みます。
「石田義則先生」
リハビリという名前がついた
特別なことをやるということではなくて
普段自分ができることをペースを崩さずに
きちんとやっていくことが、実はとても
大切なことなんです。
パーキンソン病だと言われると、
「難しい病気だ」、「俺はもうだめだ」
と思っちゃって、落ち込んで
動かなくなる人もいるし
周りの人も「難しい病気なんだから
おとなしくしていなよ」と言って、
周りで何でもやってあげてしまう
そうすると運動量が減ってしまって、
春になって、雪が消えて散歩しようと思うと、
もう動けなくなってしまっている。
「あるけなくなっちゃった。俺はもうだめだ」
という人が多いですよね。
ただそれは冬の間動かなかったせいで、
筋力や持久力が落ちてしまって、
それで動けなくなっていただけで、
病気が進行したというわけではないですよね。
■治療とリハビリの効果について
「70代男性患者」
除雪機ね、朝(妻が)やっていくんですよ、
そうすると昼間(雪が)積もるでしょ
機械を押さえていれば(除雪を)やって
くれるので、歩くリハビリになるんですよ。
それやったりして、自分なりに頑張っている。
日常生活の簡単な動作でも続けることが症状
を改善することにつながるので
ますは、無理のない範囲で身の回りの
ことをするように心がけましょう。
ラジオ体操のような全身を
ゆっくりほぐす運動も効果的です。
家でも簡単にできる
筋力トレーニングをご紹介します。
脚の筋力を保つために机などにしっかり
つかまって立ち上がったりしゃがんだり
する運動を繰り返します。
椅子に座ったまま片足を上げる
運動も効果があります。
水平になりようにまっすぐ上げる
のがポイントです。
「中川久美さん」
お薬を飲むようになっていかがですか?
「60代女性患者」
最初の薬から、ここ2ヵ月くらい
薬が変わったんですよね。
(薬が)変わってから身体の動きが
全然違ってきて、すごく楽になったんですよ。
「70代男性患者」
治療が始まって、治り出した
いろんなものが大丈夫になった
歩きも速いですよ。
「中川久美さん」
お好きな麻雀はいかかですか?
「70代男性患者」
それはよく積めます。
「中川久美さん」
それは良かった。
■上手に病と付き合う!て
「中川久美さん」
パーキンソン病は簡単には治らない、
改善しない難しい病気というイメージが
ありましたが、そういう訳でもないんですね。
「石田義則先生」
そうですね。今はもう治療に関しては、
日進月歩ですからたくさんの種類の薬が
出ていますし、これからもどんどん開発が
進んでいくと思うんですよね。
そういった薬を上手に組み合わせて使って
いくことで自分らしい生活がちゃんと維持
できるようになってきました。
また、その自分で生活の中で適度な運動を
ちゃんと継続していくことで症状も
安定しやすくなってきますので
仕事を続けたり、趣味を楽しんだりといった
その自分らしい生活がちゃんとできていく
ようになりますので
病気になったからといって、恐れたり、
あきらめたりしないで、上手に病気と
付き合っていってほしいと思います。
「中川久美さん」
パーキンソン病は特別な病気ではなく、
誰もが成り得る可能性を持った病気です。
だからこそ、この病気に対する正しい知識
を身につけておきたいですね。
それでは、また来月お目にかかりましょう。
次回は五十歳を過ぎた男性なら
誰もが成り得る身近な病気
「前立腺肥大症」がテーマです。
先月、前立腺肥大症とは
どんな病気なのでしょうか。
今回の動画はここまでとなっています。
医療が劇的に進化したことによって、
パーキンソン病の治療も飛躍的に進化し、
日常生活を普通に送ることができます。
現時点では完治は難しいですが、薬物療法
によって症状の進行は抑えられます。
最近身体の動きが変だなと思ったら
神経内科を受診してください。
いつも本当にありがとうございます。
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