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今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「ピロリ菌」を特集したものです。


ピロリ菌によって、胃の粘膜が炎症を起こ
しやすくなるため、胃がんなど胃の病気の
大きな原因とされています。


治療しない限り、ピロリ菌が胃の中から
いなくなるということがありません。


そのためにも薬物療法を中心とした適切な
治療を行わなければなりません。


今回の動画では、ピロリ菌の症状、治療、
予防法なども分かりやすく解説してます。


今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときに
ご覧いただければ幸いです。
 
 
 

 
 
 
■ピロリ菌とは?


「中川久美さん」

みなさんこんにちは。


「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。


さて、今回番組が注目するのは
「ピロリ菌」です。


ピロリ菌という名前は知っていても、
人間の体にどんな影響を及ぼすかは
知らないという人が多いのでは
ないでしょうか?。


ピロリ菌は様々な
胃の病気と関係している
ことが分かっています。


現在日本では
国民の半分にあたる
六千万人もの人が感染していて


ほとんどの人は感染に気づかずに
過ごしていると言われています。


まずはピロリ菌の正体に迫ります。



「ナレーション」

ピロリ菌は人間の胃の中に
住み着く細菌で正式には
「ヘリコバクター・ピロリ」
 といいます。


ヘリコバクターとは、
らせん状の細菌という意味で、


ピロスと呼ばれる胃の出口付近で
多く発見されたことから、
「ピロリ」と名付けられました。


その名のとおり細長い
らせん状の形をしていて


「鞭毛(べんもう)」と呼ばれる
細長い毛をスクリューのように
回転させることで胃の中を
動き回ります。


胃の中は食べ物を消化する
胃液で強い酸性になっているため、
普通の細菌は死滅してしまいます。


しかし、ピロリ菌は
特殊な酵素を出して
酸を中和させ


自分の周りを
中性に近い状態にできるので、
酸性の強い胃の中でも
生きることができるのです。



日本人の2人に1人が
ピロリ菌に感染していると
いわれていますが


感染率は世代によって
大きく異なります。


若い世代では
二割から三割程度ですが、
50代以上では七割から八割と
急激に高くなります。


郡山市の「天田内科クリニック」
院長 天田康先生にお話を伺いました。




■中高年がピロリ菌の感染率が高い理由


「中川久美さん」

なぜ中高年世代の感染率が
高いんでしょうか?。



「天田康先生」

ピロリ菌というのは、
赤ちゃんから5歳位の乳幼児期に、
菌に汚染された飲み物
食事などをして、
口から入った時に、
それで感染を起こすと
いわれているんですね。


衛生状態が悪く、
上下水道が整備されて
いなかったことで感染したと
考えられます。



「ナレーション」

ピロリ菌はもともと大人になってからは
ほとんど完成しないと言われています。


中高年に多いのは
免疫力が弱い子供のころ
衛生状態が悪かったために
感染したと考えられます。


その後上下水道などが
整備されたので今の若い世代は
感染しにくくなったのですが


ピロリ菌にはもう一つ
意外な感染ルートがあります。



「天田康先生」

お子さんが小さいときは、
親御さんがよく食べ物を
口で噛み砕いて口移しで
あげることがあります。


そういった場合、例えばお母さんが
ピロリ菌に感染したりしていると、
子供にうつてしまうことがあります。




■子育て世代もピロリ菌感染に要注意


「ナレーション」

日本では現在、
こうした家族間での感染が
主な感染ルートと考えられています。


ピロリ菌は一度感染すると、
自然になくなることはなく


生涯にわたって、
私たちの胃の中に住み続けます。



「中川久美さん」

ピロリ菌は多くの
日本人が感染している
とても身近な細菌であることが
お分かりいただけたと思います。


ではピロリ菌に感染すると
どうなるのでしょうか?。




■ピロリ菌に長期間悩まされた患者の声


「60代女性患者」

胸焼けがすごかったんですよね。
それでずっと何年もだったんですけども


ただ、調子が悪いぐらいに思って、
このへんがモタモタしてる感じは
常にだったんですね。


もう60代になったから、
検査をしなくちゃと思って、
したらピロリ菌がいることが
分かったんです。



「60代男性患者」

チクチクするような感じが
去年の1月ごろから


そのうち、どんどんどんどん
夏頃から苦しくなるような感じで



「中川久美さん」

胃の中はどんなふうになってたんですか?



「60代男性患者」

潰瘍ができてましたね、カメラで見たら



「中川久美さん」

胃潰瘍が...



「60代男性患者」

ええ...



■ピロリ菌と胃がん相関性について


「ナレーション」

ピロリ菌に感染すると菌が出す毒素
によって胃の粘膜が傷つけられ、
炎症を起こします。


この状態が長く続くことで
慢性の胃炎となり


そこから様々な
胃の病気が発症するのです。


胃潰瘍の七割から八割、
十二指腸潰瘍の九割以上は
ピロリ菌が原因と言われています。


また、日本人のがんで
一番多い胃がんも多くの場合、
ピロリ菌が関わっていることが
最近の研究でわかっています。


ピロリ菌に感染していても、
必ずしも全員が胃の病気になる
わけではありませんが


感染している限り、
病気のリスクから逃れる
ことはできません。


特に日本人が感染しているピロリ菌は
がんなどの病気を起こしやすい
毒性が強いタイプと言われ


それが日本人に胃がんが多い
大きな理由と考えられています。




■ピロリ菌の除菌について


「天田康先生」

胃の病気を予防するには
まずピロリ菌を排除する、
除菌をするということが
一番効果的だと
考えられています。


例えば胃潰瘍、十二指腸潰瘍
特に再発を繰り返す潰瘍の患者で
ピロリ菌がいた場合に


除菌をすると
ほとんどの方が再発はない
というふうにいわれています。


胃がんの発生も
少なくすることが出きますが
長い間、ピロリ菌に感染して
粘膜障害が続いていると


すでに胃がんができやすい
下地になっていることがあるので、
除菌をしても中々リスクを
下げることは難しいと
いわれています。


できるだけ
若いうちに除菌は行なう
ほうがいいという
ふうに思います。




■ピロリ菌を調べる方法について


「ナレーション」

ピロリ菌に感染しているか
どうかは幾つかの方法で
調べることができます。


こちらは「尿素呼気試験」と言って
検査薬を飲む前と飲んだ後に
吐いた息を調べる方法です。


三十分ほどですみ、痛みもありません。


その他血液や尿、便、また、
内視鏡で胃の粘膜を採取して
調べる方法もあります。


検査は消化器内科や胃腸科で
受けることができます。



「中川久美さん」

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの
症状がある場合を除いて


ピロリ菌の感染を調べる検査は
全額自己負担となります。


医療機関によって
検査の方法や料金は様々で
六千円〜二万円程度


最近は健康診断や人間ドックの
オプションで三千円ほどの
追加料金で受けられるケースも
増えているようです。


このあとはピロリ菌の
除菌についてお伝えします。



■ピロリ菌の除菌について


ピロリ菌の除菌は胃酸を抑える薬と
二種類の抗生物質を朝晩二回一週間飲む
だけという簡単な方法で行います。


下痢などの副作用が起こる場合も
ありますが、ほとんどは症状は軽く
治療が終われば治まります。


この治療でおよそ八割が
除菌に成功するといわれ、
治療も一ヶ月以上経ってから
除菌できたか検査をします。


この除菌治療も胃や十二指腸の
潰瘍などの症状がなければ
保険は使えず


全額自己負担となり、治療等
その後の検査で一万五千円ほどです。


一回目の治療で除菌が
上手くいかなかった場合は薬を変えて、
改めて除菌します。


二度目の除菌ではほとんどの人が
成功すると言われます。




■除菌の効果とは?


「中川久美さん」

除菌をされていまいかがですか?。



「60代男性患者」

今はなんともないですね。


除菌が終わって、
それからしばらくして、
潰瘍も胃カメラで見たら
だいぶよくなっていました。


それから何も症状は出ないですね。



「中川久美さん」

除菌をする前と、後では違います?



「60代女性患者」

全然違います。


胃のモタモタという感じもないし、
ちょっと痛いみたいな感じもないし、


そいういう菌が、
自分のお腹の中にいたことは
恐ろしいなと思います。


なかなか検査が出来なかったけど、
やってよかったと、すごく今は思います。



「中川久美さん」

まずは自分が
ピロリ菌に感染しているか、
知っておきたいですね。


「天田康先生」

そうですね。


ピロリ菌の感染で一番怖いのは
胃がんの発生ですので


それを予防するためにも、
普段受ける「健康診断」に
ピロリ菌の検査が入ってくると
いいんじゃないかなと思います。


これからは、子育をする
お父さんお母さんから子どもたち
さらにその孫へと、ピロリ菌を
受け継がせないことが
大切だと思います。



「中川久美さん」

天田先生によりますと
ピロリ菌の感染が分かった場合、
除菌をするだけではなく


胃の病気がないか、
胃の粘膜の状態をしっかり調べる
ことも大切ということです。




■医話Q題「被災地の医療ボランティア」


「中川久美さん」

震災から一年五か月が経ちますが、
医療ボランティアとして


震災直後から
県内で支援活動を始め、
現在もその活動を継続している
女性がいます。



「ナレーション」

その女性とは女優の石井光子さんです。


看護師やヘルスケアカウンセラーなどの
資格を持つ石井さんは...


医療支援のボランティア団体のメンバー
として、震災後すぐに県内の被災地に
入り、支援活動を始めました。


現在は富岡町から避難している人が多く
暮らす郡山市を定期的に訪れています。


町の役場と連携しながら仮設住宅や
借り上げ住宅で暮らす人たちの
心とカラダの健康チェック
を続けています。



「石井光子さん」

どなたもそうなんですけどね、
三回行かないとだめですね。


例え健康のことでも、
やっぱり個人情報ですから
なかなかお話してくれない



「ナレーション」

支援する側と受ける側、
互いの信頼関係を築くには
時間をかけて何度も足を運び、
顔を合わせることが大切と
石井さんは感じています。


多くの人がひしめき合いながら
暮らしていた避難所から仮設や借り上げ
住宅での生活に変わったことで
生活は多少改善されました。


しかし、かつての地域コミュニティーは
崩壊し、一人暮らしの高齢者中心に、
地域社会から取り残されてしまう
人も少なくないといいます。


今は問題となっている孤独死を
防ぐためにも、石井さんが続けてい
る訪問活動が果たす役割は
とても大きいのです。



「石井苗子さん」


薬は個人差があるから、
ちゃんと飲んだら
先生の言うとおりに
ちょっと飲んでみたら
ダメだったということを
言うのが大事だからね。


それが大事



「富岡町の人たち」

安心するよね、
やっぱり気持ちが安心する。


(来てくれるのは)
すごくありがたいですね。



「ナレーション」

今必要とされている支援は何か、
震災以降刻々と変わる状況の中で
石井さんはいつも地元の人たちに
寄り添い、一緒に考えてきました。



「石井苗子さん」

知識をちゃんと
具体化して行動しなければ、
それは机上の空論でしょう。


実際に現地に行って行動しなければ、
東京に帰ってもの言えないですよ。


また現地に一年いてくれた
っていうのがないと、現地の人とも
話ができないですよ。


それが、小さな自信に
つながっていくんですよね。



「中川久美さん」

震災直後には多かった医療支援も
1年5ヶ月がたったいま、継続してい
る団体は決して多くはないようです。


そんな中で今も変わらない
支援の手があることが嬉しいですね。


石井さんの活動の様子は、
読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」
に掲載されている石井さんのブログで
ご覧頂くことができます。


是非御覧ください。


それでは、また来月お目にかかりましょう。




今回の動画はここまでとなっています。


ピロリ菌は6000万人以上の日本人の
胃に棲みつき、何らかの治療を行わない
かぎり永遠に棲みつかれてしまいます。


意外と簡単に感染してしまうので、
とても自分には関係ないとはいえません。


ですので、ピロリ菌の除去治療は早い段階
で受けられたほうが賢明かもしれません。



いつも本当にありがとうございます。

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何卒よろしくお願いします。