今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「変形性ひざ関節症菌」を特集しています。
変形性ひざ関節症によって、ひざに激痛が
走り、歩くのもままならなくなります。
次第に歩かなくなり、加速的に筋肉が衰え、
日常生活に支障をきたします。
そのためにも出来るだけ早く病院で受診し、
運動療法や薬物療法といった適切な治療を
行わなければなりません。
今回の動画では、変形性ひざ関節症の症状、
治療なども分かりやすく解説してます。
今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときに
ご覧いただければ幸いです。
■変形性ひざ関節症とは?
「中川久美さん」
みなさんこんにちは。
「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。
さて、膝が痛くて歩くのがつらい、
そんな悩みを持っている方も
多いのではないでしょうか
今回のテーマはこちら
「変形性ひざ関節症」です。
膝が痛む病気で最も多いのが
変形性ひざ関節症で...
現在日本では痛みなどの
症状がある人はおよそ一千万人に。
自覚症状はないものの
レントゲン写真で膝に何らかの
異常が認められる人はおよそ三千万人
にも上ると考えられています。
膝の痛みで悩む人は年々増えていますが、
病気と受け止めて積極的に医療機関を
受診する人は決して多くはありません。
変形性ひざ関節症とは
どんな病気なのでしょうか?。
「ナレーション」
膝は太ももとすねの骨をつなぐ関節で
硬い骨同士が直接ぶつからないように
関節軟骨や半月板と呼ばれる軟骨が
クッションの役割をしています。
しかし、何らかの理由で軟骨が
すり減ってくると膝に炎症が起きて
痛みを伴うようになります。
症状が進むと膝に水がたまって
腫れたり硬い骨同士が直接ぶつかる
ようになったりして...
さらに痛みが激しくなり、
生活に支障をきたすようになります。
郡山市の星総合病院 整形外科
添田哲也先生にお話を伺いました。
■変形性ひざ関節症の原因について
「中川久美さん」
なぜ「軟骨」がすり減って
しまうんでしょうか?。
「添田哲也先生」
立ったり、しゃがんだり、歩いたりと
ひざには常に大きな負担が
かかってるんですね。
長年ひざに負担がかかり続けると、
ひざ関節の軟骨がだんだん耐久性を失って
クッションとしての役割を果たせなく
なってくるんですね。
変形性ひざ関節症の多くは
加齢や肥満などが原因で発症する
と考えられています。
「ナレーション」
変形性ひざ関節症は関節の軟骨が
年齢とともに弾力性を失うことが
原因の一つですが
決してい「高齢者」だけの
病気というわけではありません。
この病気は体型や日々の生活習慣が
原因となるケースも多いのです。
平らな所を歩くだけでも
膝には体重の二倍から三倍、階段を
下りるときには五倍から十倍の
負担がかかるといわれます。
体重が重いとその分ひざへの
負担が大きくなるので肥満は
一番の原因になります。
足がまっすぐに伸びていれば、
体重は膝の関節全体に
均等にかかります。
しかし、O脚の人は膝の内側に
重心が偏るので内側の軟骨が
すり減ってしまいます。
日本人はもともと
O脚が多いと言われます。
普通の外側がすり減る人は
この病気に気をつける
必要があります。
このほか運動不足で
足の筋力が低下した人、
立ち仕事や農作業などの重労働で
膝に負担をかけてきた人も
この病気になりやすいと
言われています。
そして女性に多く見られるというのも
この病気の特徴の一つです。
■なぜ女性に変形性ひざ関節症が多いのか?
「中川久美さん」
なぜ女性に多いんですか?。
「添田哲也先生」
女性ホルモンの影響があるとも
いわれているんですけども
男性に比べると、
女性は太ももの筋力が
弱いんですね。
ひざを安定させる
筋力がないということは、
歩くたびにそのひざの動揺性というのが、
ガクッとひざが外側に抜けるというか
揺れてしまうんですね。
それが積み重なると、
軟骨が削れてくるわけです。
「中川久美さん」
年齢だけでなく、肥満にO脚筋力の低下、
これだけ原因があれば変形性ひざ関節症に
なる人が増えているのもうなずけますね。
すり減ってしまった軟骨を
元に戻すことはできませんが、
早く気づいて治療を受ければ、
その後の生活の質が大きく
変わってきます。
■変形性ひざ関節症に苦しむ患者の体験談
「中川久美さん」
最初は、どんな感じになったんですか?
「70代女性患者」
座って、立てなくなったので、
ちょっとおかしいなと思ったら、
ひざに水がたまってたんです。
「70代女性患者」
歩き出すと(最初の)5〜6分が
ちょっと苦労なんですね。
ちょっと(ひざに)重みが
来ちゃってね。
それを過ぎれば15分、20分
歩くのは大丈夫なんですけども...
「70代女性患者」
20年ぐらい前に孫をおんぶした時に
脚に痛みを感じたのが初めです。
「中川久美さん」
何か処置をなさったんですか?
「70代女性患者」
その時は、
継続して痛くはなかったので、
風呂に入ったり、
そうするとまたよくなって、
そういう状態がずっと
10年ぐらい続いたんです。
■放置してしまう危険性とは?
「ナレーション」
変形性ひざ関節症は
初期のうちは立ち上がる、歩き出すなど、
動作を始めた時に痛みや違和感があり、
動き続けたり休んだりするうちに
収まってしまうのが特徴です。
この時期に医療機関を受診すれば
病気の進行を抑えることが
できるのですが
放置したり、自己流の手当てで
済ませたりするケースが多いようです。
「中川久美さん」
よくひざに水が溜まるっていますけど、
なぜ水が溜まるんですか?。
「添田哲也先生」
関節は、なめらかに動くように
「関節液」という液体で
みたされているんですね。
軟骨が削られると、
そのかけらが関節液に
混じりますね。
そうすると、それが刺激になって
関節に炎症が起こるんです。
そのかけらを排除しようと
関節液がたくさん出るので、
ひざに水がたまる状態になります。
「ナレーション」
症状が進むと正座や階段の
上り下りがつらくなり
歩くのが苦痛になる
場合もあります。
多くの人は
ひざの痛みが強くなると、
あまり動かなくなり
動かさないことで
足の筋肉がますます衰えて
さらにに痛みが増すという
悪循環に陥ってしまいます。
早めの受診は症状は悪化させない
メリット以外にもっと深刻な関節の
病気の発見につながることもあります。
■変形性ひざ関節症の検査法について
「添田哲也先生」
リウマチや膠原病など関節炎を
動かす病気というのは
沢山あるんですね。
また、そういった病気に
変形性ひざ関節症が合併する
ことがあります。
ですから、本当にそれが
変形性ひざ関節症であるのか
そうではないのか
できるだけ早く医療機関を受診して
適切な治療を受けることが
大切だと思います。
「ナレーション」
変形性ひざ関節症かどうかは
問診や触診のほかレントゲン検査で
調べることができます。
「中川久美さん」
このあとは変形性ひざ関節症の
治療についてお伝えします。
■変形性ひざ関節症の治療について
「ナレーション」
変形性ひざ関節症の治療で基本となるのが
ひざの負担を軽くする運動療法です。
弱くなった筋肉を鍛えることで、
ひざにかかる負担が減り、
痛みなどの症状を和らげる
ことができます。
筋力トレーニングの方法を
星総合病院理学療法士の飛田和寛さんに
教えていただきました。
「飛田和寛さん」
ひざとかお腹とか背中の筋力というのは
すごく落ちやすいです。
そうすると、姿勢が真っ直ぐな状態から
徐々に体全体がつぶれ落ちてくるような
姿勢になってくるんです。
こうなることによって、
ひざが外側に開いてくる
そうすると余計にひざの内側の軟骨に
負担がかかって変形性ひざ関節症が進み
やすくなり悪循環になってしまうので
運動においては、ひざだけではなく、
全身的な筋力を鍛えていくことが、
すごく重要になってきます。
■ヒザ周りの筋力トレーニング
「ナレーション」
まずはヒザ周りの筋力トレーニングです。
床に座って足をのばし、
ひざの下にたたんだタオルを入れます。
そのタオルをひざの裏で押しつぶす
ようにグッと押します。
「飛田和寛さん」
この時に、ひざのお皿の上の筋肉に力が
入っているのが分かりますか?
「中川久美さん」
はい。
「飛田和寛さん」
力を抜くと柔らかくて、
力を入れると硬くなります。
まず、ここをしっかり触りながら
意識して筋力トレーニングを
行ってみてください。
「中川久美さん」
はい。
「ナレーション」
力を入れて、3秒数えたら、
力を抜く、これを繰り返します。
このとき、つま先はしっかり上げていると
太ももに力が入りやすくなるので
効果が高まります。
また、ひざを安定させるために
お尻の筋肉を鍛えることも大切です。
横向きに寝たら、
下の脚を真っ直ぐに曲げ、
上の脚はまっすぐ伸ばして
上げていくいきましょう。
「飛田和寛さん」
高さ的にはこれくらいで十分です。
あまり高く上げ過ぎると
腰に負担がかかってしまうんで。
「中川久美さん」
なるほど。
「飛田和寛さん」
上げていただいて、2秒から3秒、
止めていただいて、それからまた、
下ろしていただきます。
「ナレーション」
上げる脚を少し前に移動したり
後ろに移動したりしながら
お尻の筋肉全体をバランス
よく鍛えましょう。
そして、体の軸となる腹筋も鍛えます。
仰向けに寝て、ひざを立て、
息を吸い込んだら6秒〜10秒かけて
ゆっくり吐いていきます。
お腹をへこませながら
最後まで吐き切ることが大切です。
どの運動も、
出来る回数から始めて
無理をしすぎないこと
効果が現れるまでに1ヶ月以上は
かかるので根気よく続けましょう。
この運動療法と合わせて
体重を減らすことも大切です。
■薬による治療と手術について
また、痛みや炎症を抑えるために
薬による治療も行われます。
ひざに直接、駐車するヒアルロン酸は、
痛みや炎症をやわらげ関節の動きを
スムーズにする働きがあります。
関節は、もともとヒアルロン酸を
含んだ関節液で満たされていますが
変形性ひざ関節症になると、
ヒアルロン酸が減ってしまうので
注射で補うのです。
関節液がたまって
腫れている場合は、
まず関節液を抜いてから
ヒアルロン酸を注入します。
痛みが強い場合は、
飲み薬の他にステロイド薬を
膝に直接注射することもあります。
また、運動療法や薬による治療を
行っても痛みがなくならない場合は
手術を検討します。
●内視鏡で関節の中をきれいにする手術
●自分の骨を生かしてO脚を矯正する手術
●膝の関節を人工関節に置き換える手術
と主に3つがありますが、
どの方法を選ぶかは症状の重さや年齢
ライフスタイルによって変わります。
手術は年々進歩していて、
最近は傷んだ内側の部分だけを削って
人工関節にする方法も行われています。
■手術の効果について
「70代女性患者」
今日もまたこの脚を引きずって
1日過ごさなくちゃいけないのかと思うと
やっぱり気が重かったし
「痛い!」という、そのしかめっ面
が顔に出るんですよ。
(人工関節の)手術をして
5年目なんですけど今はもう、
なんともないです。
「中川久美さん」
人生楽しくなりましたか?
「70代女性患者」
楽しいです。
だから、もう、痛い痛い痛いと
言うこともないし、それだけでなんか、
心がすっきりしたっていう。
「中川久美さん」
ひざの痛みもやはり早く治療を
始めることが大切なんですね。
「添田哲也先生」
そうですね。中には、痛みにとことん
堪え抜いて医療機関に来る人もいるので
ひざが痛いと日常生活に
いろいろな不自由なことが出てきて
生活の質も下がってしまうので
よくないということですよね。
今はいろいろな治療法があるので、
もう歳だから...と言ってあきらめないで
治療に向き合って欲しいと思います。
「中川久美さん」
畳に直接座るより、椅子を使うなど、
できるだけ膝に負担を掛けない生活を
心がけることも大切ということです。
なお、変形性ひざ関節症に関する情報は
読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」
でもご覧いただくことができます。
是非ご覧ください。
それでは、また来月お目にかかりましょう。
今回の動画はここまでとなっています。
現代では都会の人よりも地方に住む人たち
のほうが圧倒的に運動不足です。
変形性ひざ関節症を患う高齢患者の中には、
一歩も家の外から出なくなってしまう
ケースが少なくありません。
人工関節の手術はそれほど時間がかかりま
せんし、費用も高くありません。
痛むなら、早めの受診がおすすめです。
いつも本当にありがとうございます。
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