今回ご紹介させていただく動画は、
福島中央テレビの番組「福島ドクターズTV」
「緑内障」を特集しています。
骨粗しょう症は、ホルモンの分泌が減少
することによって骨の量が減って
しまう大変怖い病気です。
放置すると下半身に痛みが生じたり、
腰が曲がったり、骨が壊れてしまいます。
医薬品の飛躍的な進化によって、
進行を抑えることができます。
少し症状良くなったからといって、治療を
辞めてしまうと症状が再発しますので、
治療を延々と続けることになります。
今回の動画では、骨粗しょう症の原因、
検査、治療などについて解説してます。
今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときに
ご覧いただければ幸いです。
■骨粗しょう症とは?
「中川久美さん」
みなさんこんにちは。
「見る、知る、学ぶ」福島ドクターズTV、
ナビゲーターの中川久美です。
さて、背中や腰が丸く曲がったり、
身長が縮んだりしたら、それはこの病気を
患っているサインかもしれません。
今回のテーマはこちら。
「骨粗しょう症」です。
骨粗しょう症になる人の数は
年々増えていて、現在日本ではおよそ
1300万人の患者がいるといわれますが
医療機関で適切な治療を受けている人は
わずか二割にとどまっています。
骨粗しょう症とは
どんな病気なのでしょうか?。
「ナレーション」
骨粗しょう症は骨がモロくなって
骨折しやすくなる病気です。
骨は一度出来上がったら
そのままのように思われがちですが
常に新陳代謝を繰り返していて
骨の古い組織を壊し、新しい骨が
つくられています。
ところが何らかの原因でこのバランスが
崩れ壊れる骨の量が作られる骨の量より
多くなると骨がもろくなって些細なこと
で骨折しやすくなるのです。
骨折は日常生活に支障をきたすのは
もちろん、高齢の方の場合、寝たきり
になるリスクも高まります。
骨粗しょう症は50代から急激に増える
傾向にあり、女性が全体の八割を
占めるのが特徴です。
福島県立医科大学附属病院
性差医療センター部長 小宮ひろみ先生
にお話を伺いました。
■なぜ女性に骨粗しょう症が多いのか?
「中川久美さん」
骨粗しょう症はなぜ女性に多いでしょうか?
「小宮ひろみ先生」
女性はですね50とか51歳ぐらいで閉経
いたしますが、その後エストロゲンという
女性ホルモンが急激に低下いたします。
エストロゲンというのは、もともと骨の量
を維持するホルモンなんですね
ところがエストロゲンが低下いたしますと
骨が吸収される、すなわち骨が壊される
というような現象が出てきます。
そうしますと、やはりどんどん骨量が
低下してきまして、骨粗しょう症に進む
ということになります。
男性の場合は、一定量の男性ホルモンが
分泌されますので、女性のような急激な
劇的な変化というのはあまりありません。
「ナレーション」
骨粗しょう症の主な原因は女性ホルモン
の減少ですが、偏った食生活やお酒の
飲みすぎ、タバコ、運動不足といった
生活習慣も大きく関わっています。
現在、日本人の平均寿命は男性が79歳、
女性は86歳と言われています。
女性は骨粗しょう症のリスクが高まる
50歳前後から30年以上あります。
一方、生きられる長さを表す平均寿命に
対し、最近は病気をせず、健康に暮らせる
期間を表す健康寿命が注目される
ようになりました。
男性は70歳、女性は73歳
と言われています。
様々な病気を抱えるこの年齢から平均寿命
までは特に骨への注意が必要です。
■健康寿命を伸ばすことが大切!
「小宮ひろみ先生」
平均寿命と健康寿命の差は女性は
13年といわれてます。
13年って長いですよね。
で女性は転倒したり、骨折したり、
その後寝たきりになったりということで、
そういうことが起こり得るという
ことなんですね。
そうなりますと、いろんな方のお力を借り
ながら、ということもありますので...
やはり健康寿命を伸ばすということが
重要なんだと思います。
「中川久美さん」
骨粗しょう症が生活の質に大きく関わって
いる病気であることがお分かり
いただけたと思います。
この病気は年齢を重ねてから
症状が出ますが、若い人は関係がない
というわけではありません。
■女性は思春期から注意する!
「小宮ひろみ先生」
ご高齢の方の病気という意識が非常に
強いんですけれど、でも実はですね
若い頃から予防しなければいけない、
あるいは、(予防)できる病気である
というふうに考えていただいて
いいと思います。
「ナレーション」
小宮先生は、骨粗しょう症が思春期から
気をつけなければいけない病気である
ことを知ってほしいと...
市民セミナーを開いたり、
県内の高校で講演したりしています。
骨の密度は10代で最も高く、
20歳を超えると横ばいになり、
閉経を迎える50歳前後から女性は
急速に低下します。
ホルモンの関係で更年期と呼ばれる
50歳前後から骨の量が減ることは
避けられないため
骨粗しょう症を防ぐには、
まず骨が成長する思春期にいかに骨の量を
増やすかがポイントになるのです。
ところが...
■若年層に骨粗しょう症が増えている?
「小宮ひろみ先生」
あのー、今お子さんたちは、やはり携帯
電話であったり、パソコンであったり、
やはりあのお家の中ですね
あまり動かないっていう生活を
されてると思います。
で女の子の場合は
ダイエットをしますね。
そうしますと、
栄養が足りなくてですね、
やはり骨量が減ってくるという
ことがあります。
また、どんどんダイエットで痩せて
きますと、卵巣の働きが悪くなりまして、
エストロゲンというホルモンがですね、
やはり分泌されなくなります。
そうしますと、やはり骨量に影響を及ぼす
ということなるかと思います。
「ナレーション」
本来なら骨の量を増やさなければいけない
時期であるにもかかわらず
運動不足やダイエットなどで増やせない
まま過ごしてしまう若者も
少なくないのです。
■思春期を過ぎて骨密度を高める方法とは?
「中川久美さん」
思春期を過ぎてからでは骨の量は
増やさないでしょうか?。
「小宮ひろみ先生」
はい、あのー、全く増やせないわけでは
ないですけれども、20代を超えますと、
正常な月経があって
やっぱり維持するということは、
やはり重要に、それが基本とゆう
ことになるかと思います。
そのためにはですね、やはりバランスの
いい食事とあとは運動ということ、
その他にもですね
やはりたばこは吸わないこととか、
あの酒を飲み過ぎないこととがですね
そのようなことが重要になって
20代の骨量をキープしていくっていう
ことがですね、非常に重要になってくる
というふうに思います。
「中川久美さん」
ダイエットに励む女性の気持ちも分かり
ますが、運動と組み合わせて骨の量など
成長のバランスも考えないと30年後
この病気に苦しむ人がさらに増える
ことになるかもしれません。
骨粗しょう症の予防は思春期から始まり
ますが、もう一つ骨密度が急激に低下する
更年期にも大きなポイントがあります。
この後骨粗しょう症の治療と
合わせてお伝えします。
■骨粗しょう症に苦しむ患者の声
「中川久美さん」
何か症状みたいなものはあったんですか?
「70代女性患者」
全然、なかったんです。
「60代女性患者」
症状としては特にないんですけど、
自分では...ただ骨すべり症とかあるので、
それも遠回しには関係あるのかな
という気はします。
■圧迫骨折の症状とは?
「ナレーション」
骨粗しょう症の主な症状は、
背中や腰が丸く曲がる、身長が縮む、
背中や腰に重苦しさを感じるなどです。
しかし、これらの症状は背骨が身体の重み
を支えきれなくなって潰れる圧迫骨折を
起こすようになって
初めて現れるため、初期のうちは自覚症状
がほとんどありません。
さらに圧迫骨折を起こしても、
3人に2人は気づいていないといいます。
多くの骨粗しょう症の患者を診ている
郡山市の東部整形外科 院長 張簡俊義先生
にお話を伺いました。
「中川久美さん」
骨折しても気づかないことがあるんですか?
「張簡俊義先生」
もちろん、痛い...という患者さんもいて、
レントゲンを撮ったら骨折していて
骨密度を測ったら骨粗しょう症
だった人はいますけど
圧迫骨折はポキッと折れるわけではなく、
徐々に潰れてくるので、普通はそんなに
痛くないんです。
背中も徐々に曲がってくるので、
我慢できている人が沢山いるんですね。
骨粗しょう症は、骨折しても気づかない
ほど徐々に徐々に骨がもろく
なっていくのです。
■圧迫骨折の症状とは?
「70代女性患者」
私は肩こりとか、ひざ痛とか、
いろいろあるんですよ。
「中川久美さん」
あちこち痛みが...
「70代女性患者」
そうそう、それで痛いので
時々行ってたんですけども...
「中川久美さん」
整形外科?
「70代女性患者」
はいはい。
「中川久美さん」
そこで初めて分かったんですか?
「70代女性患者」
そうです。
まさか骨粗しょう症というのは
ないと思っていた。自分ではね...
「ナレーション」
ひざの痛みなどで整形外科を訪れ、
そこで初めて指摘されるケースが
とても多いといいます。
■骨粗しょう症の検査について
「張簡俊義先生」
骨粗しょう症を放っておくと
どんどん骨がもろくなって転んだ拍子に
足の付け根を骨折して寝たきりに
なってしまうこともあります。
寝たりきりになると命が
短くなってしまうんですね。
だから早く見つけて、骨折しないように
治療をすることが大切なんです。
「ナレーション」
背中とかかとを壁につけて真っ直ぐ立った
とき、壁に頭をつけることはできますか?。
もし頭が壁につかなければ、もしかしたら
圧迫骨折が始まっているかもしれません。
骨の量が減っていないかどうかは骨密度を
調べることですぐにわかります。
X線を腕の骨などにあてますが、痛みは
全くなく、あっという間に終わります。
「中川久美さん」
骨密度っていうのは、
その六十五歳になるまで
一度も測る機会は?
「70代女性患者」
なかったです。
「中川久美さん」
女性は閉経前後の骨の量が落ちて
しまうのはご存知でしたか?
「70代女性患者」
全然...。病院は苦手で
一番忙しかったんじゃないですか。
「中川久美さん」
その年代はね...
「70代女性患者」
と思います。単身赴任してましたしね。
受験生はいるし、でも早いうちから
やったほうがいいですよね。
「ナレーション」
40歳を過ぎたら女性は定期的に骨密度
を測るようにしましょう。
とくに骨の量が急激に減ってしまう閉経
前後は必ず測って自分の骨の状態を
知っておくことが重要です。
「中川久美さん」
みなさんがお住まいの市町村でも
骨粗しょう症の検査を行っています。
料金は二百円から千円ほどです。
無料というところもありますので
問い合わせてみてください。
続いては骨粗しょう症の治療です。
■骨粗しょう症の治療について
「ナレーション」
骨粗しょう症と診断された場合は
薬による治療が行われます。
中心になるのは骨が壊れる
スピードを抑える薬です。
今は週一回飲むタイプが主流ですが、
最近、月に一度飲めばOKというタイプが
登場し、どんどん使いやすくなっています。
また、減少した女性ホルモンの代わりに
骨が壊れるスピードを調整する薬が
使われることもあります。
最近は骨の量を増やす働きが
ある薬も登場しています。
また、薬による治療と並行してバランスの
良い食事に適度な運動など日常生活を
改善することも大切です。
「中川久美さん」
治療が始まってから
痛みの方はいかがですか?
「60代女性患者」
痛みの方は、痛み止めと今頂いている
ビタミン剤など、骨粗しょう症の薬を
もらってずっと継続して飲んでいるので、
何もしないで楽にしていれば痛みは
ほとんどないです。
「70代女性患者」
ここに来て(骨密度を)測ってもらって
薬をいただいているので、
ちょっと上がってきているんですね、
骨密度が...おかげさまで
「中川久美さん」
良かったですね。
「70代女性患者」
はい。
「中川久美さん」
やはり早く見つけて
治療することが大切なんですね。
「張簡俊義先生」
そうですね。
治療が始まればそれ以上悪くさせない、
骨折させないようにすることができます。
中には治療して骨密度が
上がってくる人もいるんです。
ですから早めに検査を受けて治療を
始めて欲しいと思いますね。
「小宮ひろみ先生」
骨粗しょう症は最近非常に昔と違いまして、
非常にいいお薬がたくさん出てきてるので、
あまり恐れることはないと思います。
でもできましたら、やはりこのような
お薬にやっかいにならない
方が良いですよね。
なので若い頃からですね、やはりそういう
ような骨粗しょう症の予防に心がけて、
健康寿命をやはり伸ばすことが
重要なんだと思います。
「中川久美さん」
骨粗しょう症の検査や診察は産婦人科や
内科整形外科で受けることができます。
骨粗しょう症は要望ができる病気です。
正しい知識を身につけることで若い頃から
骨の健康を守りたいですね。
それでは、また来月お目にかかりましょう。
次回は足の血管が詰まる病気
「閉塞性動脈硬化症」がテーマです。
「心臓リハビリ」の情報と
あわせてお伝えします。
今回の動画はここまでとなっています。
40歳を過ぎたら骨密度を測るための検査
を定期的に受けられたほうがいいようです。
ホルモンバランスの分泌が劣化すると、
骨だけでなく、お肌も劣化します。
ですので、早めに検査を受けて、しっかり
治療されることを強くおすすめします。
いつも本当にありがとうございます。
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