■婦人科の診療内容
婦人科は、女性特有の疾患を広範囲に渡って治療を行っています。
最近の傾向としては、ストレス社会が急速に進んだことで、心と体の異変を訴えるケースが増えており、患者さんの精神的なケアに力を入れている医療機関が増えています。
女性の場合、「更年期障害」などメンタル面で正常な状態を保つのが困難な病気が少なくありません。これはストレスの多い職場で働く看護師さんも例外ではありません。
心と体の不調を感じたら、まず婦人科を受診されることをおすすめします。
最近では女性医師も急速に増えており、以前よりも相談しやすい環境にありますので、医療機関自ら女性患者に限定した様々なサービスを展開しています。
ちなみに一般的な婦人科の診療内容については以下の通りとなっています。
(1)月経不順
(2)更年期障害
(3)感染症
(4)性病
(5)骨盤腹膜炎
(6)クラミジア感染症
(7)子宮内膜症
(8)子宮筋腫
(9)卵巣嚢腫
(10)子宮頸がん
■魅力あるクリニックが増えてる
最近の婦人科の特徴としては大学病院や総合病院など大きな病院は別にして、街中にある婦人科専門のクリニックでは、単に女性特有の疾患を治療するだけにとどまりません。
室内が高級な美容サロンと間違えてしまうほどおしゃれな雰囲気の中で、治療と平行して女性特有の悩みなど精神的なケアまでを総合的に行なうクリニックが増えつつあります。
女性の抱えている悩みは深刻なケースが多いです。特に近年深刻化していて、誰かに相談したくても、その内容が内容なだけに恥ずかしくて相談できない患者さんが沢山います。
そういう方のために最初の段階は直接対面せずにメール相談から始まり、徐々に来院してもらう方向へとシフトするといった、手厚いサービスを行っているところもあります。
実際に他の診療科にはない独自のサービスを展開しているところが多いです。
このため、一般病院よりもクリニックほうがサービス業としての側面が強いです。
■婦人科で働くメリットとは?
子宮内膜症や子宮筋腫、子宮頸がんなど子宮に関する疾患を患う女性が増えていますので、レディース健診の重要性が年々高まっているので、看護師さんの役割は非常に大きいです。
このため婦人科で働く看護師さんは、女性特有の疾患に関する幅広い知識は勿論のこと、、患者さんの精神的ケアをしっかり行なうためのコミュニケーション技術が必要です。
あえて、知識を重要とさせていただいたのは、女性の疾患の場合、深刻な悩みに直結することが少なくないので、下手にうろ覚えの知識を患者さんに伝えてしまうのは問題です。
また、患者さんに余計な不信感を抱かせてしまうので、確かな知識とそれを伝える技術が必要になりますので、婦人科に転科するのであれば、それなりの心構えが必要です。
しかし、婦人科はほぼ100%患者さんは女性です。病棟で勤務する看護師さんの中には男性の患者さんと接することに対して苦手意識が強い方も少なくありません。
そういう方にとって婦人科病棟は非常に働きやすい職場です。また先に述べたとおり、患者さんが同じ同性であることはプラスであれ、決してマイナスではありません。
特に女性特有の病気を患った患者さんの気持ちを理解しやすいので、女性としてこれまで生きてきた経験全てをいかすことができます。これは仕事するうえで大きなメリットです。
例えば婦人科には月経異常など思春期に多い病気から、中高年が発症する更年期障害など、女性として生きていれば、こうした女性特有の病気は誰もが何らかの形で経験します。
職場で働きながら身につけた知識は、自分の身に起こったときに役立てることができます。
■婦人科で働く難しさとは?
婦人科ではデリケートな悩みを抱えている患者さんが多く訪れます。
精神的なサポートを行なうさいに、思いやりのある言葉をかけてあげて下さい。
特に不妊治療を行っている患者さんは肉体的にも精神的にもかなりつらい状況にあります。しかも、30代で不妊治療にかかる費用は軽く100万円を超えてしまいます。
「いつ治療が終わるのか」分りません。非常に不安な状況の中で過ごすことになります。励ますつもりで言った看護師さんの言葉に深く傷つく患者さんは少なくありません。
治療中の患者さんの中には治療の効果がすぐには現れないケースが多いです。
心が折れそうな状況の中で頑張って治療を続けているわけですから、余計な一言で台無しにしてはなりません。不信感を持たれてしまえば、病院としての信用が問われます。
押し付けがましくない範囲で患者さんを、励ましたり元気づけることが大切です。
■婦人科に向いていない看護師とは?
コミュニケーションを良好に保つことができれば自然と信頼関係が生まれます。そうすることで治療や看護をスムーズに行えるようになりますし、治療の効果も高まります。
こうしたことから、次から次へと患者さんが目まぐるしく訪れては去っていいくような、人の流れが激しい病院で働きたいといった看護師さんには婦人科では向いていません。
婦人科では、精神的な看護が非常に大切でして、結果がでるまで相当時間がかかります。このため看護師さんは、患者さんと二人三脚でつきあわなければなりません。
すぐに結果を求めてしまう気の短い看護師さんには不向きな診療科です。
深刻な悩みを抱えている患者さんが多いだけに、トラブルを多発することになりかねません。しっかりコミュニケーションを取りながら、信頼関係を築ける看護師さんが求められます。