今回ご紹介させていただく動画は、
帝京大学医学部附属病院の坂本教授を初め
各医師によるに帝京大学医学部付属病院
独自のERについて解説しています。
ERは、EmergencyRoomの略称です。
日本語では「救急室」といいます。
ERでは軽症・重症を問わず全ての救急患者
を受け入れて初期診療を行います。
そして専門科の医師に相談しながら、
適切な治療を行なうのが大きな特徴です。
帝京大学医学部附属病院では、帝京ERと
称して独自のERを展開しています。
チーム医療の力が最大限に発揮されるため
の工夫がいたるところに施されています。
今回の動画も15分以上ありますので、
非常に長いですが、お時間のあるときに
ご覧いただければ幸いです。
■「ER」とは?
「佐々木梓さん」
みなさんは、病院の中に救急の患者さんを
診る救命救急センターという施設がある
ことはご存じだと思いますが、
同じように救急の患者さんを診る「ER」
という施設が今全国の拠点病院で注目
されているのはご存知でしょうか?。
「ナレーション」
ERはエマージェンシールームの略で
日本語にすると救急室です。
原則的に軽傷重傷を問わず、
すべての救急患者を受け入れて
触診療にあたります。
「坂本哲也教授」
ERって言葉は元々は北米、アメリカや
カナダで作られた救急医療のシステムです。
これを日本で良いところを学んでですね
導入してきたのが日本型のERって
ことになります。
ERでは、救急の専門医がすべての
患者さんですね、怪我の方も病気の方も
まずその最初の初期診療に当たると
そして必要に応じて専門家も先生に
相談するというのがこれがERにおける
救急診療の特徴になります。
ERにはトリアージシステム
というものがございます。
専門の看護師さんが患者さんから
お話を伺って、そして血圧を測ったり、
あるいはいくつかのモニターを見てですね。
その方がすぐ治療しなきゃいけないなのか、
あるいはその順番通り待って頂いていいのか
ということを判断をするシステムです。
それによってその非常に緊急性の高い
患者さんがまず最初に治療が
受けられるようにします。
ER型救急システムの目的は重症化の可能性
がある患者の救命、適切な診療科への患者
の振り分け、各診療科の専門医の負担軽減、
研修医の初期診療教育、この4つです。
そのシステムはどこの患者には最初に
トリアージナースが問診を行い...
重症と判断すると救急車でのラインと
同じくERドクターの初期診療と
親鸞が直ちに開始されます。
その結果帰宅か、一般病棟への入院か
重症用のICUへの入院かが決定されます。
ERというのは今までの先着順の医療から
緊急度の順番、重症度の順場で診る救急
医療への変革、これがERの本質になります。
北米のERにならって、我が国にも
今現在150ヶ所以上もERは出来てきて
ますけども、それぞれの病院や医療機関で
ですね、独自の工夫をして一番良いER
というもの作るように努力しています。
「佐々木梓さん」
本当に緊急の診療が必要なのかどうかを
見極めて、より重症の患者さんから順に
診療をおこない、確実に命を救うER。
今回は新しい救急システム
「ER」を見ていきます。
■「ER」は病院の入り口
「ナレーション」
帝京大学医学部附属病院の救急課
救命救急センター長:坂本哲也医師
現代医療においてERは、
いわば病院の入り口に相当すると語る
坂本教授は救命救急のエキスパートです。
「佐々木梓さん」
ERは病院の入り口というのは
どういう意味なんでしょうか?。
「坂本哲也教授」
今まで日本の救急医療体制というのは、
初期救急、二次救急、三次救急と緊急度の
順番に応じて診る施設を変えるという
システムで運営されてきました。
一方でやはりそれには限界があります。
というのは自分がその初期救急機関を、
休日診療所に行けばいいのか
あるいは三次救急の救命救急センターに
行けばいいのか、というのは患者さんが
自分で判断することは難しいわけですね。
同じように救急隊が現場で交通事故の現場
などで判断するわけですけど
救急隊にとっても現場ではなかなか
正確な判断は難しいということで
その初期、二次、三次、全ての患者さんは
ですね、区別なく受け入れて、
必要な専門科で診るということで、
まずそのすべての患者さんがそこに
集まってくるということから、
ERはこの病院入り口であるというような
ことになるわけです。
■「帝京ER」とは?
「坂本哲也教授」
帝京大学の救急部門は、ER、
救命救急センター、外傷センター、
三つの柱で出来てます。
この三つの部門が強く連携を持ってですね。
働くことによって、より質の高い救急医療
を提供できるようにしています。
私たちはこのERを「帝京ER」って
いうふうに呼んでおります。
帝京ERには専従の医師、
それから専従の看護師、
この中には救急認定看護師という
資格を持った看護師も含まれています。
それに加えて救急医療の勉強をしている
卒業二年以内の初期研修医、これから救急
の専門家を目指す後期研修医、彼らがみな
そのERでチームとなってですね、
24時間365日で患者さんに対応さして
いただいております。
帝京ERには15人のスタッフの医師ですね、
いわゆる指導医にあたる医師が
勤務をしております。
病気に対応する疾病チームの医師と怪我に
対応する外傷チームの医師があります。
初期研修医や後期研修医は病気も怪我も
診なければいけないので、この両方の
指導陣のもとで適切な指導を受けながら、
治療をしていくということになります。
そこで救急科だけではなくて、
様々な専門分野を先生が必要であると
判断した場合には、それぞれの専門の先生
に相談をして、場合によっては直接外来
まで来て頂いて一緒に診ます。
夜中にその先生が診るほどでなければ、
翌日そのような専門の科の外来に送り
届けると、これが帝京でのでの
ERの特徴になります。
「ナレーション」
帝京ERは同じフロアのすぐ隣に最も
重症の患者を診る救命救急センター
が配置されています。
そのため、病状が突然変化した時でも
すぐに対応できるようになっています。
「佐々木梓さん」
急な発病の時でも安心して診てもらえる
ERの存在は心強いですね、このあとERでの
診療の流れを見ていきますが、その前に
このコーナーです。
■血液の不思議
「ナース」
ドクター、今回は
「血液の不思議」についてですね。
「ドクター」
そう血液が心臓から出てまた心臓に
戻ってくるまでどのくらいの
時間がかかると思う?。
「ナース」
えっと、十分ぐらいですか?。
「ドクター」
いやいやいやおよそ50秒から
60秒しかかからないんだよ。
「ナース」
ええ、ずいぶん早いんですね。
「ドクター」
そうなんだ。そして血液は血清成分が
55%で細胞成分が45%、その細胞成分
には赤血球、白血球、血小板がある。
「ナース」
全身に酸素を運ぶのが赤血球ですね。
「ドクター」
そのとおり、赤血球は中心がへこんだ
平たいドーナツのような形をしていて、
一立方メートルの中に、成人男性で
およそ500万個、成人女性でおよそ
450万個もあるんだよ。
そして白血球は赤血球のおよそ二倍くらい
の大きさがあって、体に入り込んだ細菌や
異物と戦って体を守る働きをしている、
血小板は出血をしたときに、
血管の敗れたところに集まって血を止め、
多量に出血するのを防ぐ役割を
果たしているんだ。
「ナース」
血液の細胞成分はどれも私たちの命を守る
ための重要な働きをしてくれてるんですね。
「ドクター」
そのとおり、血液は他にもたくさんの
働きをしているんだ。その話は
また次の機会にしよう。
■「ER」は病院の入り口
「ナレーション」
帝京ERに来院する患者は救急車と
歩いて来院する方を合わせて多い時で
一日200人を越えるといいます。
ERセンター長の佐川医師に
触診医療の流れを伺います。
「佐川医師」
救急車で来院された患者さんをですね、
まずここのERの病棟の処置室という所に、
まず来て頂いて、それで僕らの方が診察を
始めるという形を取っています。
もしもし帝京ERです。
はい、そうですか、
若い男性の腹痛の方ですね。
ハイ分かりました。
■救急車で搬送された場合、
「ナレーション」
救急車での来院は救急隊からの受け入れ
要請電話の連絡から始まります。
「佐川医師」
まず一番大事なのはバイタルと言って
血圧や体温、呼吸数、脈拍ですね、
そういうものをですね、看護師さん、
あるいは医者が共同してですね、
チェックをします。
そこからこうして診療を行う
という形をとっています。
「平山看護師」
ERに運ばれてくる患者さんというのは、
ほとんどの方が意識がありますので、
自分で症状とかっていうのを訴えてきます。
その訴えだけを信じるのではなくて、
その後ろに隠れている病気というものを
きちんと見極める能力というのが
必要になってくると思います。
私は認定としてERに属している
看護師全員が、そういった症状を
見逃さないために、きちんと判断できる
能力を備えなければいけないと思って
ますので、その教育を頑張って
行きたいと思います。
「佐川医師」
ある程度僕らの方が必要な検査をして、
診療を行い、これはもっとか他のケースが
必要だという場合には、「CT」、あるいは
「超音波」というものを行っていきます。
そしてそういう結果を見て、
専門の先生の診察が必要だという
場合には専門医の先生の診断、治療も同時
に行なっていくというふうにしています。
また画像を行った場合、その画像の検査の
結果をいつでも放射線科の先生のサポート
が受けられるという、そういう良い
システムも同時に持っています。
ERはやはり一番最初の初期治療という
のが大きな目的です。
専門科が決まった場合はですね、
その先生方にもうをお願いする。
つまり僕らのほうがふるい分けをして、
その後は専門の先生たちが治療して頂く
という体制をとっています。
じゃあ山田さん、ご家族の方には僕らの
ほうから再度お話をしておきますけども...
■患者自ら来院した場合
「ナレーション」
帝京ERには診断の結果、点滴をしたり、
少し時間経過を見るための観察ペットや、
一晩入院して経過を見るための
入院ベッドがあります。
次に歩いて帝京ERを訪れた場合です。
ERの受付で手続きをした後、
トリアージナースの問診を受けます。
「平山看護師」
トリアージの対象になるのは、
歩いてくる患者さんは全てですので、
その患者さん一人一人は訴えや
症状が全く違いますので、
緊急度とか重症度とというのを的確に
判断するのも一つ役割としてあるのと
待って頂いている間に、患者さんの症状が
悪化したりだとか、急変の兆候がないか
というのを見逃さないようにするのが
トリアージナースの役目だと思ってます。
「ナレーション」
トリアージナースのバイタルサイン
確認の結果、ERドクターによる診察が
直ちに必要と判断したときは...
すぐに処置ベッドに案内し、
救急車で来院した時と同じくERドクター
による綿密な診察が行われます。
「坂本哲也教授」
帝京ERは、みんなでチームとなってですね、
急を要する患者さんの緊急性を適切に判断
して、より良い救急治療を行えるような
システム、体制を組んでおります。
この帝京大学の全ての科がバックアップを
して、総力を上げてその救急治療をして
いくと、いうための病院の入り口
として機能しております。
みなさん是非安心して帝京ERを受診して
頂ければと思います。
「佐々木梓さん」
より重症度の高い患者さんから優先して
診てくれるER、どんなときにも的確な
診断と、質の高い救急診療を提供して
くれるERは、私たちにとって、
本当に心強い存在ですね。