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■今回のテーマはすい臓がん


今回ご紹介させていただく動画は、鳥取大学医学部附属病院 消火器内科 松本和也医師によって、「すい臓がん」の原因や症状、治療法について分かりやすく解説しています。


すい臓がん以前にすい臓自がどのような働きがあるか分らない人が非常に多いです。しかし、すい臓がんの死亡率はがんの死亡率のベスト5位に入るほど高いです。


レントゲンなどで正確に診断することが難しく、見落とされるケースが少なくありません。すい臓は場所が場所なだけに早期発見が難しいがんの一つとされています。


また、すい臓そのものが他の臓器と比べると小さいうえに初期症状がないころから、気がついた時には重篤な症状がでいる状態で、手術ができない場合もあります。


今回「すい臓がんとはなんぞや?」からはじまり、すい臓がんが発症する仕組みや最新の
すい臓がん治療にについて分かりやすく解説していますので、参考になれば幸いです。
 
 
 
出典:聞いて納得!! 医療最前線
 
 
 

 
 
 
 
 
■今回のテーマは「すい臓がん」


「本池美香さん」


皆さんお元気ですか。本池美香です。


がんの中でも発見・治療が難しいといわ
れているのが「すい臓がん」です。


重要なのは予防と早い段階で
がんを発見することです。


今回はすい臓がんです。

教えて頂くのは鳥取大学医学部附属病院
消化器内科の松本和也助教です。


松本先生は主にがん発見のための研究を
していて超音波内視鏡を使用しての
診断・治療を行っています。




■すい臓とは?


「本池美香さん」

すい臓ってどこにあると思われます。



「町の人A」

肝臓の方?ですからね。



「町の人B」

すい臓?下のほうですかね?このへん?


あまり聞かないですよね。うーん。



「町の人C」

このあたり。



「本池美香さん」

どんな働きがあると思われますか?



「町の人D」

尿をきれいにするというような
話聞いたことあるんですよね。



「松本和也助教」

う〜ん腎臓ですね。




「町の人E」

えっわかんないです。全然。



「本池美香さん」

多いがんって、
どこのがんだと思われますか?。



「町の人F」

肺ガンでしょうかね?



「松本和也助教」

そうですね。



「町の人F」

最近乳がんが若い人でも
多いと思いますけど。



「町の人G」

今は大腸がんですかね?。

すい臓がんも大分進んでから分る
ようでして、怖いなと思っております。




■すい臓の働きとは?


「本池美香さん」

先生今日はよろしくお願いします。



「松本和也助教」

よろしくお願いします。



「本池美香さん」

今回はすい臓がんについて
教えていただきます。


先生まずVTRをご覧いただきましたが、
結構すい臓の場所って色々答えて
いらっしゃったんですが


まずどの場所にあるのか、
このフリップを振り使って
教えてください。



「松本和也助教」

はい、すい臓っていうのはですね
お腹の中のみぞおちとその間のところ
にあるんですけども


このように隠れている臓器なんですけど
こちらの胃をですね、胃袋の後ろに
あるんですよね。


このような形ですい臓が横たわる
感じであるんですね。



「本池美香さん」

どういった働きをするんですか?。



「松本和也助教」

はい、すい臓っていうのは、
体にとって大事なホルモンですとか、
代表的なのがインスリンですね


血糖値を調節するもので、
その調子が悪くなると糖尿病
になったりとか


いうこともあるんですけど、
あとは食べ物の栄養を吸収する
消化液などを出すような
働きがあります。


なかなかそのすい臓癌というのは、
例えば胃がんですとか大腸がんといった
お話してでてきましたけども


他のがんの種類よりも、より小さく
見つけることが求められているのに、
小さく見つけることも難しい
というのがあって


そこのところっていうのは私が思う限り
では、是非患者さんたちの協力も必要
なのかなというふうに思ってまして


そこのところも触れられたらいいかな
というふうに思っております。




■すい臓がんの原因とは?


「本池美香さん」

では、ここで街頭の方にインタビュー
してきたVTRがありますので、
先生一緒に見てみましょう。



「松本和也助教」

はい。



「町の人A」

原因はね、暴飲暴食、
タバコじゃないかな?


最初初期はないんじゃないですか?


後になれば吐き気とかが
でるんじゃないでしょうか?。



「松本和也助教」

するどい。

大正解ですね。



「本池美香さん」

すい臓がんの検査って
どんなものか分かりますか?



「町の人B」

すい臓の検査はしたことないですね。


やっぱりあって欲しいと思いますね。



「町の人C」

すい臓って、あんまり興味がなくて、
はっきりいって分からないですけど



「町の人D」

あんまりわからんですけど、
すい臓の方はね、
エコーじゃないですか?。



「松本和也助教」

ああそうですね。




■すい臓がんの現状


「本池美香さん」

あの私もVTRの方と一緒で、
なかなかすい臓について考えることが
なかったなと思うんですけども。



「松本和也助教」

でも実はすい臓がんっていうのは、
日本の中ではがんで亡くなる人の中では
5番目に多いものでして


ぐんぐんと増えてきている
物なんですよね。



「本池美香さん」

がんの中でも
すい臓がんっていうのは、
特に早期で発見することが
重要ということなんですが、
それはなぜなんでしょうか?



「松本和也助教」

すい臓がんの場合には、
残念ながら2cmの大きさで見つけても、
5年後にご存命の方っていうのは、
半分、50%しかないんですね。


それはなんでかといいますと、
元々このすい臓っていうのがですね、
厚さが2cmくらいしかない
臓器なんですね


なので2cm以上
ということになってくると、
このまわりのすい臓から
飛び出していくんですね


そうするとそういうことで
例えば後ろ側に這って行くことが
すい臓は多いんですけども


このすい臓の後ろには、
身体にとって大事な血管が
沢山巡ってるんですね。


そうすると、そこのところに、
ちょっとすい臓がんがからんで
しまっただけで...


もう手術ができないとか、
いう状況になってしまうことが
とても多いんですね


もう一個データがあって、
1cm以下で見つけると、
ご存命である確率...


5年後にご存命っていうことが
8割を超えるって言われているんです。



「本池美香さん」

そんなに変わるんですね。



「松本和也助教」

はい、そういう状況があるので、
じゃあその見つけられない物とかという
のを今後は沢山拾い上げることができる
のかということを考えていくことが
大事なのかなというふうに
なっています。




■すい臓がんの原因


「本池美香さん」

どういったことが原因なのか、
こちらから教えて頂いて
よろしいですか?。



「松本和也助教」

はい、すい臓がんの原因っていうのは、
こういった喫煙、飲酒、まぁこれに
ともなって起こってくるっていうのは、
慢性膵炎っていう病気なんですよね。


慢性膵炎である人は慢性すい炎でない人
に比べて、10倍前後すい臓がんが
出来やすいというふうに
言われています。


でっ、糖分とりすぎっていうのが、
いわゆる糖尿病につながる物ですけども、
糖尿病がある人はない人に比べて2倍
ぐらいすい臓がんになりやすいと
言われていますし


肥満の方は肥満じゃない人に比べて
2〜3倍くらいすい臓がんが出来やすい
というふうに言われています。


いわゆる遺伝だけでは説明がつかな
い生活習慣の要素っていうのが
あるからこそ...


年々その昔は
3〜4人に1人だったものが、
2人に1人とか、これを絡めると
どんどん上がっていくと
思うんですけども


っていうことはやっぱり生活習慣の
要素っていうのが加わってきているから、
そういう風になってきていると思うので、


他のがんのところでも良く出てきている
ことなので、ここんところを気をつけて
頂くのはとても大事なこと
かなと思います。



「本池美香さん」

あのさきほど、家系という遺伝の部分も
おっしゃられたと思うんですけども


すい臓がんの場合は、
そういったものもあるんでしょうか?。



「松本和也助教」

はい、すい臓がんの中でも
特に重要というふうに言われていまして


ご親族にいらっしゃれば、
そういう方っていうのは10倍以上
家系の中にいらっしゃらない人と比べて
高くなると言われているので


そういった方も一度検査を受けられる
ことを強く、まぁ私の外来に来られた方
にはご家族の方にはそのようには
お話をしています。


注意が必要な病気といいますと、
まぁ糖尿病に関しては生活習慣になる
方もいらっしゃれば


元々体質的になっている方も...。


まぁどちらにしても注意が
必要なものであります。


また慢性すい炎に関していえば、
多くの場合がお酒とかが原因となって
いる場合が多いので


また喫煙も慢性すい炎の原因になる
ということが分かってますので


そういったことを控えていただくと、
でっ、まぁなってしまったからには、
しっかり検査を受けて頂くことが
とても大事かなという
ふうに思います。




■膵嚢胞とは?


膵嚢胞というのは、
すい臓にできる水袋のことです。


水袋のでき方っていうのは、
2パターンあります。


それはどういうふうに
出来るかといいますと、
こちらにすい臓があって、
その真中に膵液の通り道「主膵管」
というものがあります。


で、この主膵管から枝葉に分かれるよう
に分枝膵管というものができています。


で、この文枝膵管というのが、
すい臓がんが出来て、それによって、
流れがその後ろ側の主膵管のところの
流れが膵液の流れが届こうるので


それで主膵管がふわっと膨らんできたり
とか、またこの分枝膵管が膨らんできて
この水袋の世に見える。


こういう膵嚢胞のようなことになって
しまうような状況があります。


これが一つと、もう一つ、
今の時点ですい臓がんはないけれども、
膵嚢胞がすい臓の中にポンと出来て
見つかる場合があります。


こういった膵嚢胞っていうものがあると
1年間に1%すなわち、こういう膵嚢胞
の患者さんが100人いらっしゃったら
100人の方のうち1人がすい臓がんが
出てくるといわれているので...


膵嚢胞も定期的に見ていく必要が
あるものなんですね。



「本池美香さん」

先生、この膵嚢胞というのは水袋が
出来るということなんですけども、
何か違和感などというのは?



「松本和也助教」


感じられる方は、
ほとんどいないと思います。




■すい臓がんの検査とは?


「本池美香さん」

では、この膵嚢胞を見つけるためには、
どういった検査が必要なんでしょうか?。



「松本和也助教」

はい、画像の検査としては、
お腹の上からゼリーをつけて
診る超音波検査、腹部エコー
ともいいますね。


であるとか、CT、あとMRIっていう
ものが一般的かと思います。


ただ精密検査には実はそれだけでは
足らなくって、超音波内視鏡検査という
検査を精密検査には必須の検査と
私たちは考えています。



「本池美香さん」

これがそのすい臓がんの早期発見の
ためには必要な検査ということですね。



「松本和也助教」

必ず必要な検査と思います。



では、その超音波内視鏡について
教えていただいたVTRがありますので
こちらをご覧ください。




■超音波内視鏡検査とは?


「本池美香さん」

先生、こちらがこの小さながんを発見
するための超音波内視鏡になるんですね。



「松本和也助教」

はいそうです。


こちらは超音波内視鏡です。


この内視鏡を用いて検査をすることで
2cmくらいの大きさであれば、
ほぼ100%見つけることが
出来るといわれています。


この検査で見つけた一番小さいすい臓の
腫瘍というのは4mmのものであります。



「本池美香さん」

どういうふうに検査するんですか?。



「松本和也助教」

はい、この検査はですね、
お口からカメラをこう飲んでいただいて、
胃袋の後ろ側、十二指腸の横側に
すい臓っていうのはありますから、
そちらの方にあてて診ていく
ような検査です。


すい臓にすごく近づいて
検査することができるので、
この検査じゃないと、見つけられない
すい臓癌があるのはそういったことが
理由になるわけです。


そこで、すい臓がんなり普通の膵腫瘍、
良性か悪性かわからないけれども


そういったものが
認められた場合には
細胞を取って検査をする
ようにしています。


あのそれで良性、悪性っていうのを
判断することはとても大事なこと。



「本池美香さん」

どのくらいこの検査時間というのは
かかるものなんですか?。



「松本和也助教」

こちらの場合は30分ぐらい
かかるということ、また、検査のカメラ
は普通の胃カメラよりも太いので


やはり普通に起きたままの状態ですると
検査はとても辛いものになります。


ですので、静脈麻酔をして検査をします
ので、結果としては普通の胃カメラを
起きて胃カメラをするよりも楽だった
っていう方は多いです。


主膵管拡張とか膵嚢胞という観察所見が
指摘された場合には、すい臓がんが
見えていなくっても


すい臓がんが見えていなくても、
すい臓がんが超音波内視鏡であれば、
見つけることができる可能性がある
ということを覚えて頂いて健康診断の
結果とかをみて、膵嚢胞、主膵管拡張と
書いてあるけども、精密検査はいりません。



特に必要ですって書いてなくてもですね。
あっ?受けなきゃいけないんだなと、
覚えておいていただきたいなと思います。



「本池美香さん」

そういったことを知っているだけでも、
このすい臓がんの早期発見に
つながりそうですよね。



「松本和也助教」

はい確実につながると思っています。



「本池美香さん」

はい、先生本日は
ありがとうございました。



「松本和也助教」

ありがとうございました。



「本池美香さん」

すい臓がんの予防のために
生活習慣を見直し、バランスの良い
食生活を心がけて健康に暮らしましょう。




■すい臓がんの予防と検査


(すい臓がんの)予防に関しては、
喫煙、飲酒とか過食ですね。


食べ過ぎとかを気をつけて
頂くことが大事です。


また、検診ということに関しては、
すい臓がんでの検診はありませんが、
何らかのお腹の画像検査を受けられた時
に主膵管拡張、膵嚢胞というものが
見つかった場合には、精密検査として
超音波内視鏡検査を受けていただくこと
それが大切ではないかと思います。