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■今回のテーマは「眼瞼下垂」


今回ご紹介させていただく動画は、鳥取大学医学部附属病院 形成外科 陶山淑子により、「眼瞼下垂」の原因や症状、治療法について分かりやすく解説しています。


「眼瞼下垂」という病気自体を知らない方が圧倒的に多いかと思いますが、今後急激に増えることが予想されているため、あえて取り上げさせて頂いたしだいでございます。


加齢など後天的な原因によって眼瞼下垂の症状が引き起こされるとされているのですが、パソコンやスマホを長時間使用したり、コンタクトレンズの過剰使用も大きな原因です。


20代〜30代の方のスマホの利用時間は凄まじい物があります。一点をみつめながらあの小さなモニターを見ながら作業をするのは目に良いわけがありません。


ですので、今後10年間で眼瞼下垂の患者が急増するとされているのです


眼瞼下垂の主な症状は、まぶたが下がることにより視野が狭くなり、生活の質をさげざる得ない状況に追い込まれてしまいます。除隊にもよりますが治療は手術が基本です。


現代人にとって誰もがなり得る病気の一つです。ぜひ頭の片隅にでも入れておいて下さい。
 
 
 
出典:聞いて納得!! 医療最前線
 
 
 

 
 
 
 
 
■今回のテーマ「眼瞼下垂」


「本池美香さん」

みなさんおげんきですか?本池美香です。


まぶたが下がっていく病気
「眼瞼下垂」は、余り聞き慣れない
病気ですが、最近増えていると
言われています。


症状などについて詳しくお聞きします。


聞いて納得!!医療最前線!。


今回は眼瞼下垂についてです。


教えていただくのは鳥取大学医学部付属
病院 形成外科 陶山淑子助教です。


陶山先生はまぶたに関する病気
全般の診療を行っています。




■眼瞼下垂の認識


「質問」

眼瞼下垂をご存知ですか?



「町の人A」

眼瞼下垂?.....わかんない。


何か名前は聞いたような
気がするんだけど。



「町の人B」

わからない。全然...


目医者さんには通っているけど、
そういう言葉は聞いたことないです。



「町の人C」

まぶたが下がる病気。


筋肉が衰える病気。字から見れば...



「町の人D」

眼瞼下垂?。


えっ?目が悪くなるとかですか?。



「町の人E」

筋肉が緩んでくる?...ですかね?



「町の人F」

筋肉の衰えもあるんだろうけどね。


こう下がってくるんじゃないだろうか?。




■眼瞼下垂とは?


「本池美香さん」

陶山先生よろしくお願いします。



「陶山淑子医師」

よろしくお願いします。



「本池美香さん」

今回は眼瞼下垂について
教えていただきます。


先生この眼瞼下垂、私も聞いた
ことがなかったんですけど、
結構知らない方が多いですね。



「陶山淑子医師」

そうですね。


先ほど映像のほうで出ていたように、
中々一般の方でよく知っている方は
おられないようです。


ただ最近はテレビなどでも、
眼瞼下垂について番組があったりも
しますので、興味を持たれている方も
増えてきてはいるようです。



「本池美香さん」

ではとのような病気なのか詳しく
教えていただきたいと思います。



「陶山淑子医師」

では、初めにまぶたの構造から
説明させてもらいます。


これはまぶたと根のところ、
眼瞼のところを画面で見た図です。


こちらが眼球でこれがまぶたです。


まぶたにはですね、
鍵盤というしっかりした
組織があります。


そこにくっついてますのが挙筋腱膜、
ミュラー筋というのがあります。


挙筋腱膜というのは眼瞼挙筋という、
これらが縮むと瞼があがる筋肉なんです
けども、これにつながっています。


この眼瞼挙筋、ミュラー筋、
あるいは挙筋腱膜といったところに
問題があると瞼が下がる眼瞼下垂
という状態になります。




■なぜ瞼が下がってしまうのか?


「本池美香さん」

コチラの筋肉が主に衰えてくると
瞼が下がるということなんでしょうか?。



「陶山淑子医師」

その場合もありますし、
あとこちらのですね、
瞼板というところにくっついている
挙筋腱膜が緩んだりとか、


弱ったりとか、そいういったことでも
起こることがあります。



「本池美香さん」

そうなんですね。


こちらの病院では、
どのくらいの方が
眼瞼下垂で来院される方が
いらっしゃるんでしょうか?。



「陶山淑子医師」

月によっていろいろなんですけども、
まあ多いときには月に10人くらいの
方が受診されます。



「本池美香さん」

結構多いですね。



「陶山淑子医師」

そうですね。




■眼瞼下垂の原因


「本池美香さん」

眼瞼下垂の原因というのは
分かっているんでしょうか?。



「陶山淑子医師」

はい、様々な原因がいわれています。


まだはっきりわかってないところも
あるんですけども、大きく別けて
先天性と後天性に分けられます。


先天性のものは生まれつきですね、
瞼があがりにくいとか、下がった状態
という症状なんですけども、


後天性の場合はですね、瞼が上がらなく
なる、この原因としては年齢によるもの
であるとか、生活習慣とかですね


あと瞼とは関係ない内科の病気とか、
そういった事でも起こることがあります。



「本池美香さん」

そうなんですね。


では、どのような症状が起きるのか
教えていただきたいと思います。




■眼瞼下垂の症状


「陶山淑子医師」

眼瞼下垂の症状なんですけども、
まず瞼が下がるということ


あとは中々下がったという
自覚がなくても、何となく瞼が
重い感じがする、開きにくい


上の方向を見るときにですね、
おでこの方に力がかかりますので、
上方向が見づらい


あるいはおでこで一生懸命
目を開けようする症状が
でることもありますので


その場合には常におでこが緊張したとか、
頭とか、緊張した状態になりますので、
頭痛や肩こりを言われる方もおられます。



「本池美香さん」

この瞼に関するものだけではなくて、
そういう頭痛とか肩こりというのも
症状にはあるんですね...


それはちょっと驚きました。



「陶山淑子医師」

はい、そうでですね。


実際に外来に来られた方で肩こりが
あってというふうにおっしゃって、
手術をしたら楽になったというふう
に言われる方もおられます。



「本池美香さん」

瞼がさがってくるということになると、
やはり目の印象というのも
変化出てきますよね。



「陶山淑子医師」

そうですね。


勿論自分で見て感じられる方もいますし、
他の方から指摘されて気づくという
こともあります。


瞳の所に瞼の上のこの際の所がかかって
いない状態、これが正常と言われます。


軽い眼瞼下垂は、
この黒目のところですね、
ちょうど瞳孔の所にここの際にかかって
きたあたりを軽度といいます。


中等度はこの黒目のところですね、
瞳孔の真ん中あたりにこう瞼の際が
かかる、これは正面を見たときなんです
けども、その状態を中等度といいます。


強度になりますと黒目のところですね、
こちらに瞼が完全にかかってしまいます。


この真中の部分にかかってしまいます
ので、非常に見えにくい状態になります。




■見えにくくなるのか?


「本池美香さん」


あとその瞳がだんだんと
隠れてくるということで、
やはり視野というところも...



「陶山淑子医師」

そいうですね、言われるのが、
勿論上方向を見て、見えにくくなった
とおっしゃいますし、


車の運転がしずらくなって横を
ぱっと見たときとかに邪魔になって
見えにくいと言われる方もおられます。



「本池美香さん」

なるほど、あの軽度の時というのは、
中々こう気づかなかったり、っていう
のもあるんですか?。



「陶山淑子医師」

そうですね、この軽度のときには、
おでこの筋肉を使って、瞼をあげる
という力でなんとかカバーをしている
ときがありますので、その場合には中々
本人は自覚していないことがあります。



「本池美香さん」

そうなんですね。



「陶山淑子医師」

あとはその病気自体を知らないので、
なんとなく瞼が重いなくらいにしか
感じていないとか、そういったこと
があると思います。



「本池美香さん」

この軽度から強度までっていうのは、
どれくらいの期間でなるっていうのは
分るもんなんでしょうか?。



「陶山淑子医師」

月単位でそう変わるわけではなくって、
加齢によるものの場合には、


長年、何十年で下がってきました
という方もおられますし、


この一二年で気づいて
どんどん下がってきました
という方がおられて、
様々ですね。



「本池美香さん」

そうなんですね。人によって、
その進み方というのが違うという
ことなんですね。



「陶山淑子医師」

はい、異なると思います。



「本池美香さん」

では、注意が必要な方は
どんな方なのか教えて下さい。




■こんな方は要注意!


「陶山淑子医師」

はい、眼瞼下垂には加齢によるものも
あるんですが、生活習慣の中で一部原因
になると言われているものがあります。


長時間のパソコン作業で目を酷使されて
いる方、ハードコンタクトレンズを
長年使っておられる方


強く目をこするクセのある方、
こういった方で眼瞼下垂が起こる
可能性があるといわれています。


ですので、高齢の方でなくても、
若い方でも、こういった生活習慣があり
ますと眼瞼下垂になる可能性があります。




■眼瞼下垂の予防法


「本池美香さん」

この予防法というのは
どういったものでしょうか。



「陶山淑子医師」

瞼のことだけでなく、
目の視力とかにも関係しますけども、
やはり予防としましては、


長時間連続してパソコンを使ったり、
ということではなく、


途中で合間を見て遠くを見るとか、
目を閉じて休ませるとか、
そういったことは必要です。


ハードコンタクトレンズですね、
これも特に長年使っている方。


コンタクトレンズ自体硬いので、
その瞼の裏側にその刺激が長年あたる
ことで、眼瞼下垂がおこるというふう
にいわれています。


そのために予防としては、
コンタクトレンズを一日の中でも
長時間つけるのではなく


ちゃんと外して目を休ませることが
必要になると思います。




「本池美香さん」

なるほど、ついついやってしまい
がちなのが、この一番下に書いてある
強く目をこするなんですけども
これもあまり良くないという
ことなんですね。



「陶山淑子医師」

瞼の構造のほうを見て頂いたと
思うんですけども、瞼板という
硬い組織に挙筋腱膜であるとか
筋肉がくっついています。


実際に挙筋腱膜というものは
非常に薄いものなんですね。


そうしますと、
こうやってこするという刺激で、
そこが損傷されるという
可能性があります。



「本池美香さん」

すごく瞼というのは
デリケートなんですね。



「陶山淑子医師」

そうですね。



「本池美香さん」

ということはこれらの生活習慣に
気をつけたらいいということですね。



「陶山淑子医師」

そうですね。




■瞼の筋肉の衰えを調べる方法



「本池美香さん」

はい分かりました。


自分で瞼の筋肉の衰えを確認する
ということは出来るんでしょうか。



「陶山淑子医師」

鏡でご自分の目を正面で見てもらって、
まぶたの縁のところですね


上の部分がどこにかかっているか、
というのを見てください。


そうしますとこの黒目のところですね、
真ん中のところにどれくらいかかって
いるか、それによって判断が
ある程度出来ると思います。



あとはですね、鏡を見ながらでも
結構なんですが、自分が下を見て、
今度正面を見たときにおでこを見て
かなりシワができるとか


眉毛がこうぐっとあがるとかですね、
そういった場合には、瞼の力


筋肉の力だけでは瞼が開ききれなくって
おでこの筋肉を使ってあげている
という可能性があります。


特にこの軽度、中等度のあたりですと、
そういったおでこの力でカバーして
いることがありますので


おでこにしわが凄く深くなったとか、
あの正面を見ているときに前よりも
眉毛の位置が高いとかですね


そういったことがありますと、
眼瞼下垂の可能性があります。




■眼瞼下垂の手術について


「本池美香さん」

気になる症状があった人、
思い当たる人というのは、
どのように対処して行ったら
いいのでしょうか?。



「陶山淑子医師」

中々自分では判断がつきにくいという
ところもあると思いますし


もうこの図で見るように見た目で
ちょっと目の形が変わるというのもある
んですが、勿論やはり見えにくいという
非常に困った状態なわけです。


そのために形成外科、あるいは眼科を
受診していただいて...


それが眼瞼下垂によるものであれば、
手術による治療も可能です。


あの先ほどもお話したとおり、
見えにくいといった状態ですので、
これは保険診療の治療が可能です。


基本的に眼瞼下垂の手術というのは、
局所麻酔で行います。


手術時間としましては、
片目であれば30分以内ですし、
両目であれば1時間から1時間半
くらいで行います。


場合によっては1泊入院をされる
方もおられます。




「本池美香さん」

眼瞼下垂というのは中々知られていない
病気だと思うんですけども


改めて先生がお伝えしたいことは
どういったことでしょうか?



「陶山淑子医師」

そうですね。まず眼瞼下垂という
病気を知っていただくということと、


眼瞼下垂はこの絵で見るように
瞼の形が変わってくるという
ふうにありますけども


それだけではなくって、
目が重くて開けにくい、
視野が狭くなるという生活に
非常に困る病気であることを
知っていただきたいです。


こういった症状がある場合には、
是非形成外科であるとか
眼科を受診して頂いて、
適切な診察をうけて
頂きたいと思います。


そうすることで手術によって
治療も可能ですので


是非なにかお困りのことが
あったら来て頂きたいと思います。



「本池美香さん」

先生本日はありがとうございました。



「陶山淑子医師」

ありがとうございました。



「本池美香さん」

眼瞼下垂は命にかかわる
病気ではありませんが、
生活の質の低下を招く
病気の一つです。


気になることがあれば医療機関を
受診して健康に過ごしましょう。



「陶山淑子医師」

瞼がが下がってきた、重く感じる、
瞼が開きにくい、上方向が見づらい、
頭痛や肩こりがある方は眼瞼下垂の
可能性があります。


気になる方は医療機関を
受診してください。


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