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■今回のテーマは「下肢静脈瘤」


今回ご紹介させていただく動画は、鳥取大学医学部附属病院 心臓血管外科 原田真吾助教により、「下肢静脈瘤」の原因や症状、治療法について分かりやすく解説しています。


あなたは下肢静脈瘤という病気をご存知でしたでしょうか?。下肢静脈瘤は、女性の2人に1人は発症するといわれているほど女性に多い病気とされています。


勿論男性の方でも発症されている方がいますが、妊娠・出産による影響、長時間立ちっぱなしの仕事によって静脈という血管が瘤のようになってしまう怖い病気です。


残念ながら下肢静脈瘤は老化による影響が非常に大きいため、予防することが難しいです。また発症してもすぐには強い痛みはありませんので、結果的に放置してしまいがちです。
 

下肢静脈瘤は特に命に関わる病気ではありませんが、放置してしまうと日常生活に大きな支障がでますので、症状が出てきたら早い段階で受診されることをオススメします。
 
 
 
【 出典 】聞いて納得!! 医療最前線
 
 
 
 
 
 
 


■今回のテーマ「下肢静脈瘤」


「本池美香さん」

みなさんおげんきですか?本池美香です。


足がだるい、血管が浮き出て見えるなど、
足の悩みありませんか?。


女性の2人に1人が発症するといわれる
「 下肢静脈瘤 」の治療方法
について伺います。


聞いて納得!医療最前線!
今回は「下肢静脈瘤」についてです。


教えていただくのは、
鳥取大学医学部付属病院
心臓血管外科 原田真吾助教です。


原田先生は、主に心臓や血管にかかわる
病気の診療や手術治療を行っています。




■下肢静脈瘤について街の人たちの認識とは?


「質問」

下肢静脈瘤とは
どんな病気だと思われますか?



「街の人の声(1)」

う〜ん血が固まる?。



「街の人の声(2)」

血管がぽこってでるような感じですか?



「街の人の声(3)」

(妊娠して)お腹が大きくなったときに
(血管が)ミミズみたいに浮き出てくる
そんなことを聞いたことがあります。


「街の人の声(4)」

全くわからないです。



「街の人の声(5)」


祖母がふくらはぎの裏とか、
膝の裏の方に血管が
浮き出たような感じになって、
手術を受けたことがあります。



「街の人の声(6)」

晩になると(症状が)割合少なくなる
ので、そのままにしているけど


(支障をきたしていないか?)


まだそんなところまで
来てないですけどね。



「質問(2)」

どのような人がなる病気
だと思いますか?



「街の人の声(1)」

う〜ん女性ですかね?

うちの祖母のお友達なんかがなっている
というのを聞いたことがあります。



「街の人の声(2)」


怖いですよね。


自分もなるのかなって
不安はありますけど。




■下肢静脈瘤とは?


「本池美香さん」

原田先生、今回はよろしくお願いします。



「原田真吾先生」

はい。



「本池美香さん」

今回は下肢静脈瘤について
教えていただきます。


先生はじめにVTRを見て頂きましたが、
まず皆さんの声聞かれて、
どう思われましたでしょうか。



「原田真吾先生」

そうですね、皆さん中々鋭いなという
ところで、「女性に多いのではないか?」
というふうに言われてましたが


それはそのとおりですし、
あと妊娠をきっかけにというふうに
言われていた方もいましたけども、
それもまたそのとおりですね。はい。



「本池美香さん」

では、その下肢静脈瘤がどのような病気
なのか詳しく教えて頂きたいと思います。



「原田真吾先生」

下肢静脈瘤というのはですね、
読んで字のごとくなんですけれども、
「下肢」、これは脚のことですね。


足の静脈が瘤状に膨れてしまう、
見た目にはこのようにボコボコと
膨らんで血管が浮き出ている
ような状態ですね。


この状態を「下肢静脈瘤」という
ふうにいいます。




■下肢静脈瘤の原因とは?


「原田真吾先生」

そもそも、静脈というのはですね、
人間の血管は大きく分けて動脈と静脈
と二種類あります。


静脈というのは心臓に帰って行く方の
血管のことを言いますけれども


特に足の静脈がですね、人間は立って
生活する生き物ですので


この足先から心臓まで重力に
逆らって血液を下から上へと送る
働きをしています。


血液を下から上へと
一方通行で上げるためにですね、
静脈の中には必ず逆流防止弁、
「静脈弁」と書きますけれども、
この弁があります。


この弁があるおかげで重力に逆らって
流れてくれるんですけれども


先程もありましたけれども、
妊娠・出産といったことを
契機にしたりして


この弁に蓋がかかってしまう、
弁が壊れてしまうと


そこから血液が逆流するようになります。


血液が逆流するようになると、
この血管が膨らんで、下肢静脈瘤という
状態になってしまうということですね。




■下肢静脈瘤の種類とは?


「原田真吾先生」

下肢静脈瘤、このように見た目で
大きく別けられます。


特に細い血管ですね、
「網目状」になったり「蜘蛛の巣状」
になったりという静脈瘤と先ほど
最初の写真でお見せしたのは


比較的太い血管が膨らんで
ボコボコとなっている「伏在型」
という種類があります。




■命にかかわる病気なのか?


「本池美香さん」

はい、あのこの病気なんですけども、
命に関わったりというような
病気なんでしょうか?。



「原田真吾先生」

静脈ということで、血管ですから、
「何か心臓と関係あるのではないか?」
とか、そういうふうに考えられる方も
いるかもしれないですけれども


基本的には命に関わることはありません。
良性の疾患ということでいいかと思います。




■発症しやすいタイプとは?


「本池美香さん」

どのような人がなりやすい
のでしょうか?



「原田真吾先生」

そうですね、まず女性に多いという理由
としましては、妊娠・出産といった
ところがきっかけになります。


特に女性が妊娠しているときにはですね、
お腹の中に赤ちゃんがいる状態ですと


足の静脈というのは、お腹の中を通って
心臓に帰っていきますので


そこに赤ちゃんがいると、
その血の帰っていくのがどうしても妨げ
られて悪くなってしまうということで
それがきっかけでなることがあります。


あとは美容師さんとか、理容師さん、
それから調理師さんといった


長時間立ったままでしかもあまり
動かないようなお仕事されている方、
こういった方もなりやすいという
ふうに言われています。




■どの年代が発症しやすいのか?


「本池美香さん」

どの年齢がなりやすいとか
ありますでしょうか?



「原田真吾先生」

基本的には血管に負担がかかっている
年数が長ければ長いほど起こりやすい
ので、だんだん年を取ってくると起こり
やすくなってきますけども



先ほど女性に多いというふうに
言いましたが、男性でも当然なりますし
誰でもなる可能性のある病気ですね。




■下肢静脈瘤の予防について


「本池美香さん」

では、この病気ですね、
予防することっていうのは
出来るんですか?。



「原田真吾先生」

基本的にはですね、老化現象と一つと
言ったら言い過ぎなんですけれども、
ならないようにするというのは
中々難しいと思います。




■下肢静脈瘤のその他の症状


「本池美香さん」

先ほど少し症状を教えて頂いたんです
けど、他にどのような症状があるのか、
こちらでフリップを使って教えて
いただきたいと思えます。



「原田真吾先生」

なので、このような血管が膨らんで
見えてしまう、浮き出て見えてしまう
ということがあります。


また、これがもうちょっと進みますと、
皮膚の部分が黒ずんでくるは色素沈着
といった症状が起こってきます。


これは見た目の問題ですけども、
あとは実際に生活していて困ること
としてはですね、足がだんだんだるく
なってくる、あるいはむくんでくる。


また夜になると「こむら返り」という
ふうに言いますけども


足がつってしまったり、
皮膚炎を起こして、痒みをともなって
しまうというような症状が
起こってしまいます。


あの足がだるいとか、
むくむとかというのはですね。


静脈瘤特有というわけではなくて、
ほかの病気でも当然起こってくる可能性
がありますので、すべてが静脈瘤という
わけではないですけれども


このような症状がある方は、
実際に血管が膨れて見えていなくても
ですね、静脈瘤であるという
ことは時々あります。




■下肢静脈瘤の治療法について


「本池美香さん」

どのような治療法があるのか
教えていただきたいと思います。



「原田真吾先生」

まずは弾性ストッキングといってですね、
絞めつけるようなストッキングがあるん
ですけども、それを履いて頂いて、


まず悪化を防ぐという治療法と、
このように手術のような形で何らかの
外科的治療を行う方法とあります。


手術治療にはですね、
いくつか方法があるんですけども、
従来からあるストリッピング手術、
高位結紮術というものがあります。


このストリッピング手術というのは、
先ほどお見せしたように血管が逆流して
いるのが問題ですので、その逆流して
いる血管を引き抜いてしまう


皮膚を切開して血管を引き抜く
というところですね。


「高位結紮術」というのは、
逆流している血管のてっぺんの
部分をくくってしまって


そこに血が流れないようにしてやる
という治療法になります。


硬化療法と言うのですね。


最初にお見せした網目状もしくは
クモの巣状といった比較的細い静脈瘤
に対して行われる治療法です。



「本池美香さん」

そして、一番下にあります
「血管内焼灼術(けっかんないしょう
しゃくじゅつ)」、これはどういった
治療法なんでしょうか。



「原田真吾先生」

読んで字のごとくなんですけれども、
特殊なカテーテルを用いましてですね


血管の中にそのカテーテルを入れまして
熱がこっから出てきますので


この熱によって血管の中を焼いていく
という治療になります。


実際にはですね、
ここに模型がありますけども、
このカテーテルをですね


足の付根のところ、
足のところからですね、
血管の中に入れます。


で、この部分が熱を発するんで、
このカテーテルをですね、
血管の中に刺していきます。


で、目的の血管をず〜と、
まぁこのスイッチを入れると
熱くなりますので、血管を焼きながら
引き抜いていくという治療になります。


実際にはこの針を刺す部分だけの傷に
なりまして、ストリッピング手術に比べ
ると傷もなく、痛みもほとんどないと。


まぁ、ストリッピング手術しても血管内
焼灼術にしても、逆流している血管を血
を流れないようにしてやるということで、
まぁ血管が無くなってしまって大丈夫
なのかということなんですが


正常な状態であれば、恐らく役に立って
いる血管なんですけれども


逆流している状態では、
血液が心臓に帰ってくる働きに
役に立っていないどころか


むしろ邪魔をしてしまっていますので、
ストリッピング手術なり血管内焼灼術
なりで、血管に血を流れないようにして
やって、やることによって足の負担
は軽くなります。



「本池美香さん」

最近増えている治療法でも
あるんでしょうか?



「原田真吾先生」

そうですね、日本全国では比較的
もう沢山行われていますけども


当院では最近から行えるように
なったというところです。


基本的には静脈瘤と診断された方は
皆さん保険で受けて頂くことができます。




■治療を受けるタイミングとは?


「本池美香さん」

病気になった段階で、
早めにしたほうがいいんでしょうか?



「原田真吾先生」

これは難しいところではあると思います
けども、皮膚炎やですね、皮膚の変化が
現れてしまうような状態では


この静脈瘤の治療をしないと基本的には
その皮膚の変化というのも治りません。


ですので、そういった方は
もう治療をしないといけないです。


その前の段階でですね、
血管がちょっと浮き出ている、
そういったところに関しては、
やはり見た目の問題ということで


特に女性だとスカートが履けないとか、
そういったところになりますので、


まぁそのへんは患者さんと相談という
ことにはなりますが、放っといて治る
という病気ではないですので


そういった意味では治療を受けて頂く
のがいいのではないかという
ふうに考えています。




■血管内焼灼術について


「本池美香さん」

では、この血管内焼灼術なんですけど、
どのくらいの時間がかかるんですか。



「原田真吾先生」

そうですね、片足ですと、30分から
1時間あれば十分に手術は可能ですね。


入院期間に関しては基本的には当院では
1泊2日ということでさして
もらっています。


血管内焼灼術だけではなくて、
ストリッピング手術もなんですけども、
まぁ逆流している血管をうまいこと処理
すると、このようにボコボコ膨らんだ
血管が見た目にも消えていく
ということになりますし


また、ダルさとか重さ、
それから足がつるといった症状も
確実に良くなるというふうに思います。


まぁ最初に申し上げた通り、静脈という
ことで血管に関係がありそうなんです
けども、基本的には命に関わる
病気ではないということ。


それから、特に見た目の問題ですね、
血管がボコボコ浮き出て


まぁちょっと困っている、あるいは、
むくんだり、足がだるいということで
非常に生活にストレスがかかっている
方がいるかと思いますね


そういった方はぜひ治療を検討されて
はいいのではないかと思います。




「本池美香さん」

はい、先生本日はどうも
ありがとうございました。


生活に支障をきたす可能性がある
下肢静脈瘤、もし気になるようなことが
ある方は、一度「医療機関」に
相談してみてください。