■今回のテーマは「海外に行くときの健康対策」
今回の動画は「海外に行くときの健康対策」がテーマです。鳥取大学医学部付属病院 感染症内科 千酌浩樹科長により、海外へ行くときの健康対策について解説されています。
海外に出かける前の予防から帰国後の体調不良を起こした場合の対応までを分かりやすく解説しています。仕事で頻繁に海外を訪れるような方にも知って頂きたいです。
感染症で多いのがA型肝炎、B型肝炎などのウィルス感染ですが、重度の感染症を避けるためには事前にしっかり予防しなければなりません。をのための方法も充実しています。
楽しいはずの海外旅行が病気で台無しとならないのようにするためにも、事前の予防が大切ですが、実際に旅行される方の多くがこうした点を非常に軽視しています。
これから東南アジアのリゾートでバカンスを過ごされるご予定の方には、感染症にかからないためにも是非今回の動画をご覧いただきたいです。
【 出典 】聞いて納得!! 医療最前線
海外に行くときの健康対策とは?
「本池美香さん」
みなさん、お元気ですか。本池美香です。
海外に行くときの健康対策について考えたことがありますか?。海外は食生活や帰国が違うので体調を崩しやすい上に感染症などにもかかる可能性があります。
今回は海外に行くときの健康対策についてです。教えていただくのは鳥取大学医学部付属病院 感染症内科 千酌浩樹科長です。感染予防対策など詳しくお聞きしました。
海外に行くときの健康対策の問題
「本池美香さん」
千酌先生、今回は宜しくお願いします。
「千酌浩樹先生」
宜しくお願いします。
「本池美香さん」
今回は海外に行くときの健康対策について教えていただきます。最近では今までになかったような感染症が話題に登ることが多いですよね。
「千酌浩樹先生」
そうですね、みなさまが良く海外に行くようになりましたので、今まであまり聞かなかったような感染症のお話がよく聞かれるようになりました。例えば、最近ではエボラ出血熱が話題になってますけれども、この病気につきましては、現在まさに、あの診断と、それから治療について対策、それから研究が進められております。ただそれ以外にも多くの感染症が海外にはありまして、それに対しての対策っていうのは非常に重要になってきていますね。体調を崩しやすくなります。そうしますと、そういう症状も出ますし、感染症にもかかりやすくなります。
「本池美香さん」
海外での健康対策、どういうふうにしているのか、先生一緒にVTRを見てみましょう。
街の人の海外に行くときの健康対策
「質問」
海外に行くときの健康対策は?
「街の人の声(1)」
いえ、分かりません。
「街の人の声(2)」
いえ、あまり知らないです。
「街の人の声(3)」
あまり海外に行かないんで
あまり知らないです。
「街の人の声(4)」
なんか薬も外で(海外で)買わないで、持って行くようにすることぐらいですかね。
「街の人の声(5)」
外務省のホームページを
見ることくらいですかね。
「街の人の声(6)」
行きたい国を調べて、その情報を得て、それに合わせた対処法を考える
「街の人の声(7)」
日本だったら食べないものとかは注意したりとか、変わったものには手を付けないようにすればいいかなって思います。
危機感がないのが問題?
「千酌浩樹先生」
海外の外務省から情報を得るみたいなことをおっしゃってまして、まさにそのとおりなんですけども、物凄く関心が高くて準備をして行こうっていう方と、あまり詳しくない方と凄く分かれている気がしましたね。
「本池美香さん」
そうですね、私自身も海外に行くときにあまり気にかけたことがなかったなと今考えて見れば思いまして、ちょっと反省する部分もあります。
「千酌浩樹先生」
そうですね、どのような危険、そして感染症があるのか、知る機会がなかったと思いますので、それはやはり致し方ないのかなと思います。もし今後海外に行かれるとなりましたら、少しそいういう準備も、色々なものが今ありますので、していただくと良いと思いますね。
海外で感染しやすい感染症とは?
「本池美香さん」
どういった感染症にかかる可能性があるのか、まずここを教えて頂きたいなと思います。
「千酌浩樹先生」
はい、こちらに出ウイルスによる肝炎りますのが海外でかかる可能性のある、かなリ頻度の多い感染症です。A型肝炎、B型肝炎、これはウイルスによる肝臓の炎症なんですけども、それから破傷風、これは土の中から細菌が入ります。
狂犬病は、動物に噛まれてウィルスが入ってくる病気ですね。マラリアとデング熱は蚊に噛まれて、そのために起こる発熱が起こる疾患ですね。こういうものがございます。
「本池美香さん」
結構色々あるんですね。
「千酌浩樹先生」
そうですね。で、行く場所によりまして、危険性が高いのかっていうのが別れております。
海外で感染しやすい感染症とは?
「千酌浩樹先生」
まず先ほどのA型肝炎、B型肝炎、どちらもウィルスによる肝炎なんですけども、だいたいあるところというのは、こういう先進国を除いたところです。
結構広い領域なんですが、A型肝炎は食事で入ってきますので、食中毒のような下痢、発熱の病気です。B型肝炎は別の方の体液から入ってきます。
血液とか、そいういうものなので、そういうものに接する機会がある場合は、これに気をつける必要がありますね。
続きまして、破傷風とそれからマラリア、それからデング熱に関しましては、比較的この温かいところといいますか、熱帯に非常に多い病気でございます。
海外は驚くほど感染症リスクが高い?
「千酌浩樹先生」
とくにマラリアとデング熱は蚊によって媒介されますので、そういうところでは蚊にさされる機会が多いので気をつける必要があります。
そして、狂犬病なんですが、実は狂犬病っていう病気は、まぁ動物に噛まれて起こるんですが、これは島国を除いた全世界に結構広くありまして、あの地図で書きますと、島国を除きますので、このような範囲になります。
日本は今のところ大丈夫なんですけれども、あの島国を除いたあたりっていうのは、実は広い範囲にわたって、この狂犬病の可能性があります。以上合わせますと、結構世界の広い範囲にわたって色んな病気があるということになりますね。
海外での感染症予防について
「本池美香さん」
では気になるのがこの予防法なんですけども、予防することってできるんでしょうか?
「千酌浩樹先生」
いくつか予防する方法があるんですが、その中でもっとも一般的なのは、まずワクチン接種だと思います。今は全国にトラベラーズクリニックといって、その旅行前の相談を受け付けるような外来、医療機関が開かれておりますので
そういうところにご相談されるのも一つの方法かと思いますね。そして、こちら鳥取大学では、そのトラベラーズクリニックを開設しておりますので、ご相談頂ければと思います。
トラベラーズクリニックの役割とは?
「本池美香さん」
そのトラベラーズクリニックを初めてきいたんですけども...。
「千酌浩樹先生」
ワクチンにかぎらず、旅行に行く前の健康相談を広く受け付けるところでございます。
ワクチンについて申しますと、まずどこに行かれるか、どういう目的で行かれるか、どのくらい滞在されるのか、それからどのような活動をされるのか、によって打つべきワクチンというのは変わってきますので、人によって様々です。
まぁ行くまでの時間も様々ですから、その辺に合わせてワクチンを選んでいくことが凄く大切ですね。
ワクチンの特徴について
「本池美香さん」
ワクチンっていうのは、どのくらい期間がいるものなんでしょうか?。
「千酌浩樹先生」
先ほどの例えばこのA型肝炎とか、B型肝炎とか、狂犬病のワクチンは大体完全な免疫をつけるのに6ヶ月。最初に打って、1ヶ月後に打って、6ヶ月後、ですので6ヶ月かかります。
そういうところからいきますと、6ヶ月前にご相談頂くのが一番いいかと思いますね。
「本池美香さん」
何種類も打っても大丈夫なんでしょうか?
「千酌浩樹先生」
そうですね、ワクチンは一度に多くの種類を打っていきます。
万一のときの私共への連絡先も英文を含めて書いてありますので、海外でも何かありましたら、これを見せて頂ければ向こうのお医者さんにも何が必要か分かるということになりますし
これをずっと保存しておいていただければ将来また10年後に行く時にどのワクチンがもう必要かなとか、そういうことも分かりますので、是非これをご活用頂きたいと思います。
ワクチン以外の予防法について
「本池美香さん」
先生、そのワクチン以外にもしておかなければいけない予防法とはどういったものがあるんでしょうか?
「千酌浩樹先生」
デング熱とか、マラリアというのは、かなり大きな病気ですので、やはり海外、とくに暑いところい行かれたときに蚊にさされないようにするということは非常に重要ですね。
このことにつきましては、蚊よけを頻回に塗られるということがとても重要だと思います。活動中にとくにヤブとかに入られるときには長袖を着られるということも重要ですけども、
それだけでなくて、やっぱり顔とかもありますので、蚊よけを塗られるということはとても重要ですし、それから塗る感覚ですね、頻回に塗られた方が良いと思いますよ。
それから狂犬病ですね、こちらはもし発病しますと非常に恐ろしい病気です。ところが先ほど申し上げましたとおり、結構島国以外の国では、この狂犬病のウィルスを持った動物というのが結構おりますので、
犬に噛まれたり、猫とにひっかかれたりしますと、この狂犬病の「暴露後予防」というんですが、噛まれたあとの予防というのが必要になってきます。
行く前にも暴露前予防と言いますけど、打っていかれることが重要だと思いますね。
現地に行かれたときに犬とか猫になるべく近づかない、野生動物には特に気をつけるということが重要だと思います。そういう行動はしないでいただきたいと思います。注意が必要ですね。
食事の注意点とは?
「本池美香さん」
食事に注意するという。
「千酌浩樹先生」
そうですね、さきほどのA型肝炎、その他にも旅行者下痢症というがありまして、やはり生物とか、生の水、そういうもにはウィルスがいたり、細菌がいたりしますので、そういものはなるべく取らないように気をつけて頂くことが必要ですね。
切ってある果物なんかは、その過程でウィルスや細菌がついていることもありますので、よく注意して頂くことが必要かと思います。
ただ旅行ですので、色々注意しすぎても楽しくありませんので、ポイントだけ気をつけて頂いて、楽しい旅行を送って頂けたらと思いますね。
帰国直後に感染したことが発覚した場合の対応について?
「本池美香さん」
日本に帰ってきたとき、体調不良があった場合というのは、どういったところ、どういう行動をしたらいいんでしょうか?。
「千酌浩樹先生」
そうですね、空港などの場合は検疫所の方にご相談いただければ良いと思います。
それからお家に帰られて、そのあと体調不良になられた、これはもう医療機関なんですけども、医療機関のほうで最適な準備を整えるためにも、まずはお電話頂くのがいいですね。
もう旅行から帰って、何日経ちましたけども、熱が出ましたとか、お腹がゆるくなりましたっていうことを予めご相談いただけるとそれに合わせた治療と診断ができますので、医療機関にご相談いただくのが一番いいですね。
旅行に関してはこのように色んな天候上の問題点が起こりえます。
で現在はトラベラーズクリニックというような、それにご相談に応じるような外来がありますので、フルに活用して頂ければと思います。
「本池美香さん」
先生本日はありがとうございました。
「千酌浩樹先生」
ありがとうございました。
「本池美香さん」
海外旅行を楽しむためにも、行く前から十分に健康対策しておきたいですね。
「千酌浩樹先生」
海外に行く前に現地でどのような感染症があるのかを把握して、ワクチンによる予防接種をして頂ければと思います。
また現地でのお困りごと、健康上の不安等ございましたら、当院のトラベラーズクリニックにご相談頂ければと思います。