■今回のテーマは「生活のリズムと睡眠」
今回の動画は「生活のリズムと睡眠」がテーマです。鳥取看護大学 田中響教授により、人々の生活のリズムと睡眠について幅広く、しかも分かりやすく解説しています。
とにかくストレスの多い現代社会において自分にあった生活のリズムを取るのは容易ではあませんよね、生活のリズムが狂えば睡眠の質も必然的に低下します。
睡眠が満足に取れない状態がつづくと、次第に心を病むこととなり、その結果としてうつ病のような精神疾患に苦しめられることになってしまいます。事実若い人の間で増えてます。
最近では業界によっては人手不足が休息に広がってしまったため、若者がそれをカバーしなければならないため、長時間勤務を課せられているケースが増えています。
一生懸命働くことは素晴らしいことですが、体を壊してしまったら何の意味もまりません。ですので、これからの時代は休息と睡眠が今まで以上に重要になってくることでしょう。
そうした厳しい時代を迎えるにあたって、こうした知識を今回学べることができたのは大変ありがたいです。できるだけ早く寝ることを心がけたいと思います。
【 出典 】鳥取看護大学 身近な看護
生活のリズムと睡眠
「前田和美さん」
みなさん、こんにちは。前田和美です。鳥取看護大学「身近な看護」、この番組は鳥取看護大学の先生に身近な看護をテーマに様々な情報や知識を教えて頂きます。今回は鳥取看護大学の田中先生です。どうぞよろしくお願いします。
「田中響教授」
よろしくお願いします。
「前田和美さん」
今日はどういったお話でしょうか?。
「田中響教授」
今日は「生活のリズムと睡眠」についてお話したいと思っています。
「前田和美さん」
わかりました。早速よろしくお願いします。
「田中響教授」
よろしくお願いします。
生活リズムとは?
それではお話させて頂きたいと思いますが、まず皆さんは生活のリズムというのがあると思うんですけれども、「この生活リズムってなんだろう」と考えていただけたらなと思います。
朝目が覚めて、食事を食べて、そして、排泄したり、仕事であったり、学生さんだったら学校に行かれたり、遊んだり、色々休息したりと、色々な行動をとっていると思うんです。
で、これらの活動を観察してみるとそこには一定のリズムがあると思うんですね。このリズムというのは人によってさまざまで、色々なことが影響しているといわれています。
例えばですけれども、一年の中でしたら一月にまずお正月が来て、お正月だったら、お正月のあとは節分が来たりとか、いろいろリズムがあります。
でこれらのリズムをいろんな名前がつけてあって、例えばウルトラディアンであったりとか、サーカセメディアン、これがだいたい12時間ごとに起こるものと言われています。
サーカディアンリズムとは?
で、サーカディアンリズムというのが一日のリズムを司ると言われているもので、このサーカディアンリズムというのが人間の体の中でとても健康に影響していると言われています。
で今日はその生活リズムと睡眠というところで、一日のリズムについてお話をしていけたらと思っています。
特に一日のリズムの中でも大事な、まぁ多く使われる睡眠というところをお話できたらと思っています。
で、この生活リズムということころでは、人間の体、いわゆる生体のリズムというものが影響していて、一日のリズムをとっているんですけども、この生体のリズムの中には体温が一日の中でも一度ぐらい違うんですね。
で、血圧も一日に朝と夜とでは違ってきますし、皆さん目には見えないんですけれども、ホルモンのバランスというも一日の中ででる時があったり、でなかったり、もしくはずっと出続けていたりというところがあります。
これが一日の24時間の中で色んなリズムを作っています。このリズムが崩れてしまうということがいわゆる健康に障害を起こしてしまう、心身に変調を起こしてしまうことになります。
なのでこのリズムを正しく整えるっていうことが看護ではとても大事になってくるケアの一つになります。
活動と睡眠のバランスの取り方
じゃこの一日のリズムを見てきたときに活動と睡眠と大きく2つに別れると思います。
この2つをちょっと考えてみたいんですけども、この活動している時間と休息いわゆる睡眠している時間が多いんですが、この2つというのは基本的には自然にバランスをとっているものなんですね。
で、意識して取る場合もありますけども、大きくは「今日は部活があったから頑張って疲れて寝る」というのもあれば、今日はこの時間に寝ようというのもあると思いますね。
でも、基本的には皆さんは意識せずにこれバランスを取られてると思います。
で、この活動の部分なんですけれども、じゃあ活動というのは一体どういうことなのかを考えてみたいと思うんですけども、この活動というのは、いわゆる身体的、精神的な活動になります。
で、運動するということは筋肉が凄くあがったりとか、もちろん血圧が上がったりとか、呼吸数も増加したりとか、色んなことがかかわってきます。
で、少し忘れがちなんですけども、人と関わるというような精神的なことも活動の一つになります。
こういうふうなことを日中多くは色んな方がいっぱいやられていることだと思うんですけれども、健康に障害があったら、これが十分出来なくなってしまいます。
すると睡眠にまで影響してしまうということが考えられます。いわゆる生活リズムが狂ってくるということになりますね。
睡眠と休息について
次に睡眠、休息について考えてみたいと思うんですが、休息はとても大事だということがお分かりになられると思うんですけれども、
この休息っていうのは、さきほどもいいましたように活動で疲れてきたってなってきたときには機能を快復するために必要なできます。
自然と「必要だなぁ」って感じるになっているものなので、大体休息をとろうと身体はします。睡眠は一番休息の中でも重要な役割を担っています。
特に人は人生の3分の1を眠って過ごすって言われているものなので、睡眠は生きていくうえでは必要不可欠なものですよね。
じゃこの睡眠というのはどんなふうなメカニズムで進んでいるのか、っていうのを少しお話したいと思うんですが、このグラフを見てもらったらわかると思うんですけども、
一番上にAと書いています。睡眠の段階ですけれども、Aの部分は起きているということになります。
1、2、3、4と睡眠には深さには段階があって、1から順番に2、3、4と深くなっていきます。
また目覚めていく、そして、また深くなっていくというのを繰り返して、大体7時間くらい休まれたとしたら、このグラフのように深くなって浅くなって、深くなって、浅くなっていうのを周期的に3〜4回、一回の睡眠の中でみられます。
このグラフの中で黒く上の方塗りつぶされていますよね。ここがレム睡眠といいます。
大体目覚める前にはこのレム睡眠が起こってくるものなんですが、このレム睡眠もとても大事で、このレム睡眠とこのレム睡眠以外の1から4の段階の睡眠をノンレム睡眠と言うんですけども、
このノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返して、3〜4回、そして、1回の睡眠でしっかりと周期が行われて初めてよりよい睡眠となります。
皆さんはよくこのノンレム睡眠、レム睡眠という言葉は聞かれたことがあると思うんですけども、じゃこのレム睡眠とノンレム睡眠というのはどんな役割をしているのか、ちょっとまとめてみました。
レム睡眠とノンレム睡眠の役割とは?
睡眠というのは、いわゆる休息を取るとお話しましたが、いわゆる脳を休めるという役割があるんですね、この睡眠には脳を作る、脳を育てる、脳を守る、脳を修復する、
脳をより良く活動させるっていうのが睡眠、休息の役割なんですけれども、その中でレム睡眠というのは脳を活性化させる役割があります。
さらに脳の中の情報を起きている間、沢山の情報が入ってきますよね。これをレム睡眠の中で編集作業をしているんですね、そして、大脳ニューロンのというものを組織化させる役割があります。
一方でノンレム睡眠の役割っていうのは、脳を沈静化させます。休ませるんですよね。脳内の情報を消去する、いらないものはここで消去してしまいます。
そして、大脳ニューロンを修復させる役割っていうのがあるので、この両方の睡眠があって初めて十分な睡眠が取れるっていう役割を担っています。
セロトニンとメラトニンの働きについて
ところで、睡眠を取るっていうところでは、皆さんは体が就かれたから休むっていう機能もあるんですけれども、実は光っていうのがとても大きく影響しているんですね。
目から入った光っていうのが、認識されると脳の中からセロトニンという物質が分泌されます。
すると起きなければとか、置きたくなるというか、起きている間の活動が出来るための物質なんですけども、これが出てきます。これは光とともに出てくるんですね。
反対に光が無くなって暗くなってくると脳の中からメラトニンという物質が出てきます。
でメラトニンというのは、眠たくなるものななんですけども、この眠くなる作用があるホルモンですね、これが出てきてはじめて眠たくなります。
実はこの光というものがとても大きく影響しているというのが分かっています。
ストレスに対抗するホルモンとは?
実はですね、ホルモンのバランスというのも睡眠に影響していて、あまり目に見えないものなんですけども、成長ホルモンというものも、睡眠がしっかり眠ると出てくるものなんですね。
特にこのグラフをみてもらったら分るんですが、夜中の12時過ぎてあたり、夜中の4時くらいまでの間にピークででてますよね。
一日の中でこの眠らなければこの成長ホルモンは出てこない、というのが分かっております。
もう一つ横井行きますと、メラトニン、先ほど眠たくなるっていうふうなものも、しっかりと暗くならないと出てこない、これが出ると眠くなるので、これも寝ないと出てこないものです。
で、もう一つこれは凄く大事なホルモンで、コルチゾールというものなんですが、ストレスに対抗するホルモンといわれています。
起きる前にかならずストレスに対抗できるために沢山のホルモンを出さないといけないので、これは夜を寝て、朝方おもいっきりわぁ〜と出てくるホルモンなので
これも寝てから何時間後かに出るホルモンです。ですので、しっかり寝ないと出てこないです。
だから睡眠というのは、このホルモンの分泌のもとでも影響されていて、コルチゾールのようにストレスに対抗させるためには、寝なければ出てこないということが分かっています。だからしっかりと睡眠をとって欲しいと思っています。
快適な睡眠を保つには?
私は看護の大学の先生ですので、「良い睡眠を取るためにはどうしたら良いのか?」ということを考えて行きたいと思ってるんですけども、まずは環境を整えて欲しいと思っています。
これは眠たくなるような、睡眠を妨げない環境ですね。
では、睡眠に快適な室温ですけども、冬季、まぁ冬場でしたら16度から20度、夏でしたら25度から28度くらいがとても眠りにはいいと言われています。
さらにさきほど申しましたように光にはとても大事な作用がありますので、眠る時には照度、いわゆる光りの照ですけども、10から30ルクス以下が良いと言われています。
ですので、寝る前に皆さんが良くスマホを触っていますが、あれはすごくルクスが高いので、セロトニンがバァ〜とでてしまいます。
ですので、しっかりと暗くしてスマホは寝る前には見ないということがとても大事です。
そして、臭いもとても大事です。で、さらに音ですね。うるさかったら眠れませんしね、そして、もう一個、みなさんはあまりご存知ないかもしれませんが、寝床気候というものがあります。
これはお布団の中と自分の間の温度です。これは温度は33度くらい、湿度も50%前後、これは眠たくなるより良い睡眠を出来る環境と言われています。
さらに枕、高さもとても大事ですよね。さらに掛け物の重さ、マットレスの硬さなども影響します。
私が今日お話しました生活リズムというのはとても大事ですので、このリズムを整えて下さい。
起きている間これも睡眠に大きく影響しますので、活動と休息のバランスを考えてください。
そして、眠る時間、起きる時間を一定にしてみてください。
日曜日だから、今日は休みだから朝はゆっくり寝るんだというのを避けて頂いて、いつも起きる時間を守っていただく、これがとても大事な生活リズムを整える一つのケアになります。
そして大事なのは朝光を浴びて下さい。光を浴びるとセロトニンが出てきます。ですので、セロトニンがでてから12時間、13時間でメラトニンも出てくる、眠たくなるホルモンですね。
なので朝必ず光を浴びるこれがすごく大事な一つのケアになると思います。このようなことを守って頂いて、より良い睡眠をとって健康を維持していただいたらと思っています。
終わりに...
「前田和美さん」
分かりました、先生毎日の生活のリズムを休みつつも崩さずに同じ時間に起きて同じ時間に寝るように心がけて行きたいと思います。最後に一つ、理想的な寝る時間は何時から何時まででしょうか?。
「田中響教授」
そうですね、夜10時には寝て頂いて、朝5時に起きて頂く、これが理想ですね。
「前田和美さん」
心がけて頑張ってみたいと思います。今日はいいお話本当にありがとうございました。